【LFA197】リオ五輪銅メダリストで、ブラジル人を連破=ストロー級王者クジウチナにギマリャエスが挑む
【写真】喧嘩馴れをしているのは挑戦者か。3Xオリンピアン柔道家の軸の頑強さは相当なはず (C)LFA
22日(金・現地時間)、ブラジルはサンパウロ州カジャマルのジナージオ・ド・ポヴィーリョでLFA197「Kuziutina vs Guimaraes」が開催される。メインは大会タイトル名にある通り、王者ナターシャ・クジウチナ×挑戦者ヤズミン・ギマリャエス= LFA暫定女子ストロー級選手権試合が組まれている。
Text by Manabu Takashima
チャンピオンのクジウチナにとって、ブラジルは思い出の地だ。ロシア代表として2016年のリオデジャネイロ五輪に出場した彼女は、女子柔道52キロ級で銅メダルと獲得している。
2019年に東京で開かれた世界選手権では、決勝で阿部詩に敗れ銀メダルに終わったものの3度も五輪を経験している世界トップクラスの柔道家だった。
キャリア6戦目でジジ・カヌートを下して同王座を獲得したクジウチナは、今年の8月に元Bellatorファイターのブルーナ・エレンを相手に初防衛に成功している――ブラジリアン・キラーだ。
そのブラジルの敵を倒すべき、チャレンジするギマリャエスは8勝1敗の成績を残している。マーシオ・クロマド率いるRFT内の女子軍団=MSPに所属し、ルタリーブリはそのクロマドから。柔術はブルーノ・クリゴリ、打撃はハファエル・ヴィニシウスの指導を受けている。
ギマリャエスはスティール・レディ・ムエタイ王座など国内打撃シーンで4つのベルトを獲得し、WBCムエタイ世界女子スーパーバンタム級王座に挑戦経験もある。その一方でCBJJE柔術やFJJRIOノーギ選手権などグラップリング競技でも結果を残している。
MMAではアマを経てプロ戦うようになると、6戦目と7戦目ではポーランドのKSWで連勝を飾っている。既に海外の著名プロモーションを経験したギマリャエスは、今年の3月にLFA初陣を判定勝ちして今回のベルト挑戦となった。
クリンチや首相撲でヒジ&ヒザ、トップをとると強烈なエルボーを叩きこむギマリャエスはパワフルな打撃の持ち主だが、その強烈さはスタンドよりも、グラウンドでのパウンドにある。つまりは組んで上を取ることが勝利への近道だが、オリンピアン柔道家からトップを奪うことはできるのか。と同時に組むまでの打撃は、まだまだ完成度は低く防御に穴もあるクジウチナであれば、中間距離からやや外のレンジでパワーに頼らない打撃を続け、ワンパンでなく削って倒すことも可能だろう。
対して王者は被弾覚悟で組めるのか。その覚悟を持った上での被弾のダメージがどれほどになるのか。特に勝負が長引くと、組みへのアプローチにおいてバリエーションが少ないクジウチナと、決してテクニカルな打撃でないギマリャエスのタイトル戦は、相当な削り合い――体力と集中力の勝負となりそうだ。
なおコメインのフェザー級、10勝3敗のフィリッピ・オリヴェイラと15勝2敗のマーシオ・バルボーザの一戦も注目――だったが、前者が3.6ポンドの大幅オーバーでキャッチ戦として実施される。
またコメイン前の一戦――LFAで3連勝中のヴィニシウス・ピレスが、コロンビアのエンパイアMMAのバンタム級チャンピオン=ジョン・タチャを迎え撃つ国際戦も気になる。際がない完全融合体MMAでバック奪取はお手のモノのピレスに対し、ややリズムの悪いキックの構えからテイクダウン&パウンドを武器にするタチャがどこまで通じるのか。
タチャのLFA入り前の試合はメキシコだったが、ラテンアメリカ圏の急成長が王国のLFAのラインアップにいかに影響を与えるのか。そんな視点も持てるピレス×タチャ戦だ。
■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS
■ メイン対戦カード
<LFA暫定女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] ナターシャ・クジウチナ(ロシア)
[挑戦者]ヤズミン・ギマリャエス(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
フィリッピ・オリヴェイラ(ブラジル)
マーシオ・バルボーザ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
ヴィニシウス・ピレス(ブラジル)
ジョン・ロドリゲス・タチャ(コロンビア)
<ヘビー級/5分3R>
エジヴァン・サントス(ブラジル)
ジョゼ・アウグスト(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ルアン・サルジーニャ(ブラジル)
マルセーロ・マルケス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
マイコル・オリヴェイラ(ブラジル)
アルド・ペレイラ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
フアン・パブロ・ヴィエイラ(ブラジル)
マイコン・ケヴィン(ブラジル)