【LFA189】暫定女子ストロー級王者クジウチナ、柔道色が強い投げと抑えでエレンを破り初防衛に成功
<LFA暫定女子ストロー級選手権試合/5分5R>
ナターシャ・クジウチナ(ロシア)
Def.3-0:50-45.50-45.49-46
ブルーナ・エレン(ブラジル)
右カーフを蹴ったエレンが、左ミドルも繰り出す。慎重なクジウチナは右ローから前に出るが、エレンが右を当てる。エレンはローで詰めてくるところでショートのフックのコンビで突き放していたが、逆に右ストレートを伸ばした瞬間に組まれる。左腕を差して思い切りダーティボクシングで連打したクジウチナが、一旦間合いを取り直す。右に回るクジウチナに対し、うかつに距離を詰めることができなくなったエレンは左フックを被弾する。
遠い距離でロングフックを伸ばすエレンだが、当たっても怖くないためにクジウチナもパンチを返していく。エレンのワンツーに組んだクジウチナは、離れ際のパンチに逆にフックを食らう。スリップしたエレンに組みついたクジウチナがケージに押し込み、クリンチアッパーを突き上げる。オーバーフックでクジウチナが殴り、腕を抜いたエレンが離れる。残り10秒を切り、クジウチナがシングルレッグでテイクダウンを決めた。
2R、エレンが右に回るクジウチナに右ボディストレートを伸ばす。続いて左ミドルを蹴ったエレンが、クジウチナが前に出られないよう工夫した攻撃を続ける。そして回るクジウチナに右フックを当てる。続いてワンツーの右ストレートを受けたクジウチナは、左ハイをかわして左フックも、エレナのペースになっている。クジウチナはパンチを出す際に、アゴがあがって空いており非常に危ない。
それでも一気の寄りから組みついてケージにエレンを押し込むと、一旦は左右のフックを見せて組み直す。ヒザをボディに連続して入れ、右のダーティーボクシングに切り替えたクジウチナはヒザを突き刺して離れる。続くテイクダウン狙いを切られたクジウチナは、後頭部を殴られ。立ち上がったところで、間一髪右フックをかわした。後頭部へのパンチに抗議するクジウチナだが、これはかわして後頭部を見せたために当たっただけで、エレンに過失はない。
3R、互いに間合いを測るなか、エレンが左ジャブを伸ばす。組むまでに時間が掛るクジウチナだが、右のカウンターを当て左をフォローする。エレンもワンツーをフックをヒットさせ、左ボディフックに繋げる。両者とも手数が少なかったが、左フックから組んだクジウチナが一気に頭を抱えて背負い投げを決めて、袈裟&左腕を制してパンチを落とす。細かいパンチを受けながらバックを取ろうとするエレンは。ワンフックで体を起こして、上下を入れ替えるとバックに回る。しかし、頭を抱えられたままで追撃を見せることはできず
4R、これまでと同様に組む機会を伺うチャンピオンは、右に回りながら左を伸ばす。と、エレンの右を当てられるとヒザをついたクジウチナだが、これはテイクダウンを狙ってレベルチェンジのタイミングだけだったか。すぐに立ち上がり、左リードフックをヒットさせたクジウチナが続いてジャブも当てる。エレンは狙い過ぎか、手数が少ない上に右ストレートに組まれてヘッドロックに取られる。
エレンは投げられる前に離れ、シングルレッグは余裕を持って切る。その後もエレンは追いかけるが、手が少ない。再びシングルの仕掛けに右を合わせていったエレンだったが、残り1分を切った時点でクリンチから、首を抱えられ崩される。今度は頭を抱えず、リバースハーフでトップを取ったクジウチナはバックは許さなかった。
最終回、組の圧を強めたクジウチナが、ジャブを当てカーフを蹴る。エレンは組まれないようパンチを当てようとするが、これではダメージを与えることは難しい。加えて動きが大きくなり、クジウチナが反応できている。かわすだけでなく、カウンターを入れるクジウチナだがスピニングバックフィストは空振りに。それでもジャブ、前蹴り、カーフと手数で上回るチャンピオンは、エレンのロングフックに左を当てる。連打で前に出るクジウチナ、フォームは良くないが攻める姿勢を見せている。
さらにクジウチナは組んでケージに押し込む。離れたエレンだが、勝負を賭けた距離にはいれずまたも組まれて投げを許しつつバック狙い。ヘッドロックに捕えたクジウチナは、右のパンチを落としつつタイムアップを迎えた。
結果は文句なしで、3-0でクジウチナが判定勝ち──「勝てたことは嬉しいけど、内容は満足していない。防御ともに打撃の練習をして来たけど、エレンは思った以上にタフだった。1カ月前に体調を崩し、1カ月しか準備期間がなかった。次? UFCで戦いたい。ダナ・ホワイト、サインしてほしい」とマイクで話したが、UFC、いやコンテンダーシリーズで戦う機会を得らえるなら、打撃以前にテイクダウンのバリエーションを増やすはあるだろう。