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【ONE FF154 :The Inner Circle】手塚裕之戦へ、ケイド・ルオトロ「あの爆発力を真正面から受けないよう」

【写真】痛い攻撃を受けることが、あるのか。そこが焦点になる(C)MMAPLANET

15日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE FF154 :The Inner Circleが開催され、グローバルファイトというべきThe Inner Circle内でケイド・ルオトロが手塚裕之と対戦する。
Text by Manabu Takashima

足の負傷と手術を経て、15カ月振りの実戦復帰となるケイドは、今回の試合でタイトル挑戦まで自分がどこにいるのかを明確にしたいと言う。

手塚が攻守ともに持つ爆発力を十分に理解したうえで、「テツカが殴ってくる時が、僕にとってコンフォートゾーンになる」とケイドは言い切った。


僕のテクニックが、どこかに行ってしまうなんてことはない

――金曜日に手塚裕之選手との試合を控えているケイドです。過去の対戦相手と比較して、MMAでしっかりと評価を受ける選手との対戦となりました。今の気持ちを教えてください(※取材は13日に行われた)。

「楽しみでならないよ。僕にとって大きなチャレンジになる。実際、パワフルなパンチ力のあるファイターだし、自分がMMAファイターとしてどれだけやれるのか。そういう試合になる。だから楽しみなんだ」

――15カ月振りの試合になります。

「足に大きなケガをして、僕の人生でも一番長い欠場期間になった。手術後も1年以上、競技から離れていた。リハビリをしながら、マーシャルアーツの練習に戻ることができたのは去年の11月ぐらいだった。それも手術が上手くいき、経過が良かったからなんだ。とにかく、しっかりと時間を掛ける必要があった。

そのおかげで今は全く問題ない。ごまかしつつ競技をすることが嫌だったから、ここまで時間を掛けたんだ。100パーセントの力で、戦うことができるよ」

――グラップリングの試合にも出ていなかったですよね。

「全くね。クレイジーだよ(笑)」

――MMAの前に体を慣らすためにグラップリングを戦おうとは思わなかったですか。

「家族もそう言っていたよ(笑)。でも練習に戻り、試合に出られる時点で体調はパーフェクト。ケガ前より良くなっている。だから、チューンナップは必要なかった。時間が必要だったのも、スタミナやフィジカルを元に戻す必要があっただけで。僕のテクニックが、どこかに行ってしまうなんてことはないからね。試合に出るなら、タイトルに向けて自分のポジションが明らかになる戦いがしたかった。だから、こんなにタフな相手と試合をするんだよ(笑)」

――昨年11月に手塚選手はツイスターで負傷しながら、青木真也選手からTKO勝ちを収めています。ケイドはあの勝利をどのように評価していますか。

「あの試合は会場で見ていたよ。タイのコーナーマンで日本に行っていたから。実は試合後にテツカと少し話したんだ。ただファイトではなくて、魚釣りのことが中心だったけど」

――ハハハハ。

「彼は本当にナイスガイだったよ。だから、彼とは戦うより話すほうが良かった。でも、これもビジネスだからね。思い切り戦って、試合が終わればまたあの時のようにテツカと話をしたいと思っている。

シンヤは、このMMAで最も柔術を生かせるファイターの1人だ。そのシンヤの柔術から逃れ、パワーショットを打てる展開に持ち込んだ。あのツイスターをどうやって耐えることができたのか、僕は正確に伝えることができない。相当な痛みがあったはずなのに、彼はタップをしなかった。

ハイレベルな黒帯の攻撃をテツカは、落ち着いて耐えてエスケープしたということだよね。彼は単なるストライカーではなくて、寝技でその力を見せていた。そんなテツカだからこそ、僕はしっかりと極めて勝ちたい」

――あそこまで入った技が凌がれると、ケイドでもメンタル的に厳しくなるものでしょうか。

「僕はそうはならない。シンヤはそれまでも、試合が上手くいかないと心が折れることがあった。MMAはタフスポーツだよ。簡単じゃない。どのファイターにも心が折れるポイントがあると思う。でも僕もタイも、気持ちは折れない。勝負を諦めることもない。まぁ、完全に気を失ってしまうとしょうがないけどね(笑)。そうでない限り、自分の気持ちが折れるとは思わない」

テツカは僕にパンチを打ち込みたい。そこが僕にとっても、コンフォートゾーン(安全地帯)になる

――ケイドはまだMMAの経験は少ないですが、グラップリングの完成度の高さは群を抜いています。だからこそ一たび組んでしまえば、タップを奪える自信は相当に強くないですか。

「ファイトは何が起こるか分からないし、何でも起こすことができる。テツカはとにかく爆発力がある。そして、なんていうのか……体が頑丈で、詰まっている。まるでタンクみたいだ。ああいうタイプのファイターは、サブミットすることが困難になることがある。そして全力で、全て振り払うことが可能になる――こともあるから。立ち技に戻ることを第一に考えているファイターは特にね。あの爆発力を、真正面から受けないように戦う必要がある。

テツカのフックは本当に破壊力があるし、ボディにも強烈な拳を打ち込んでくる。かと思うと、ハイキックもある。だからダッキングはあまり使えないよね。でも、彼のミスをしっかりと衝く。そのための戦略があって、実行するだけ。でも、それをここで口にすることはできない(笑)。

ペースを守って戦い、攻撃の糸口を見つける。そういうファイトになるだろう。テツカは僕にパンチを打ち込みたい。そこが僕にとっても、コンフォートゾーン(安全地帯)になるんだ」

――この試合に勝てば、タイトルに近づく。そういう想いはありますか。

「その言葉を聞くだけでエキサイトする。タイトル挑戦が現実になるのは、それほど遠い未来じゃない。今回が4度目のMMAだけど、数字だけ見ると多くの経験はない。でも、ここでテツカに勝って。次はさらに上にいる相手を指名する。あと数人、トップ戦線のファイターに勝てばベルトに挑戦できる。タイがエイドリアンに勝った。ならケイドはクリスチャンに勝つ。ルオトロ兄弟が、リー兄弟を破るって面白い。そんな話をタイとしている。とにかく、今後どういう風になっていくのか。まずは、テツカからしっかりと一本勝ちすることだよ」

――ケイド、今日もありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「コンニチワ。アリガトゴザイマス。いつも同じことを言っているよね(笑)。今回、僕は日本人ファイターと戦うけど、それで日本の皆の心から僕が離れる心配なんてしていない。少しでも早く、皆の前で試合がしたいと思っている」

■視聴方法(予定)
5月15日(金)
午後8時30分~ U-NEXT


■ONE FF154:The Inner Circle対戦カード

<ONEヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)
[挑戦者] アナトリー・マレキン(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
手塚裕之(日本)

<ムエタイ バンタム級/3分3R>
スーパーレック・キアトモー9(タイ)
アブドゥラ・ダヤカエフ(ロシア)

<ムエタイ 女子アトム級/3分3R>
ミア・トレヴォロウ(英国)
KOKOZ(日本)

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