この星の格闘技を追いかける

【Shooto2026#03】前日計量後のラストマッチ宣言、3冠王・住村竜市朗「やりたいことは全て達成しました」

【写真】計量後のため頬も細く、かつ髪を下すと「イケおじ」なチャンピオン(C)YOICHI YAMAMOTO

17日(日)、東京都港区のニューピアホールにて開催されるプロフェッショナル修斗公式戦の昼夜大会=Shooto2026#03。夜の部のメインでは世界ウェルター級王者の住村竜市朗がデソウザ・マルセルと対戦するが、なんと前日計量後に住村の口から引退宣言が飛び出した。

かねてから「DEEP、パンクラスの次に修斗のベルトを獲ったら引退する」と公言していた住村。ただし明確な引退時期の公表はなく、今回のマルセル戦が決まった際も引退試合としては発表されていなかった。もちろん住村は試合前にSNSなどでも触れていない。

そんななか、16日(土)に都内で行われた前日計量をクリアした住村が「明日で戦うのは最後になる。16年間続けてきた格闘技の全てをマルセル選手にぶつける」と発言した。なぜこのタイミングで引退なのか。その真意と現在の気持ちを、計量からリカバリー後の住村に尋ねた。


目立つん嫌いやから(笑)。サステインさんには『次の試合で最後にします。でも引退式とか何もしないでください』とお願いしていました

――計量後のリカバリー時間にインタビューを受けていただき、ありがとうございます。住村選手が明日の試合を最後に、現役を引退すると聞きまして……。

「あぁ、ひっそりと引退しようと思っていたんですけど(笑)」

――いやいや、現役王者が「ひっそり」と引退するとは。

「目立つん嫌いやから(笑)。10カウントゴングとか、花を渡されたりするのは苦手なんですよ」

――えっ、今回の試合後に何も行われないのですか。

「何もないですよ。サステインさんには『次の試合で最後にします。でも引退式とか何もしないでください』とお願いしていました」

――……目立ちたくない、というのは昔からですか。それとも、どこかのタイミングで意識が変わったのでしょうか。

「変わりましたね。RIZINで負けた時あたりかな……大きな舞台、ここ一番で勝たないといけない試合を落とす。そういう星に生まれたんだなと思った瞬間、目立つのは諦めました」

――その諦めは、自身の中で納得いくものだったのでしょうか。

「納得いきましたね。納得できたからこそ3つのベルトを巻けたと思っていますし、何の後悔もないです」

――以前から「DEEP、パンクラスの次に修斗のベルトを獲ったら引退する」と公言していました。その修斗のベルト奪取に至るまでは紆余曲折だったかと思います。まずは暫定王者となりましたが、やはり暫定王者のままでは引退できなかったですか。

「もちろん、そうです」

――では正規王者エルナニが急きょベルトを返上したため、自身が正規王者に昇格したことについては?

「(エルナニ)はもともと試合をする気がなかったんじゃないですかね? どうなんでしょう……ずいぶんと試合をしていなかったですし。ベストなのは正規チャンピオンと戦わせてもらえることでしたけど、仕方ないです。正規王者がベルトを返上すると、暫定王者が昇格するのもルールであり契約でもあって。自分としては正規王座を目標としていましたし、そのベルトを巻くことができて思い残すことはないですね」

――その後、正規王者となってすぐに引退するわけではなく、今回の試合を迎える。それは正規王者として1試合したかったということでしょうか。

「はい。森井戦の時はすでに正規王者ではありましたけど、あれはエルナニが返上して急きょ決まったノンタイトル戦でしたし、『もう1試合やりたい』という気持ちはありました。海外からのオファーは何個か頂くなか、そこまでのモチベーションもなくて。それならお世話になった団体で、これから日本MMAを担う選手たちと戦いたいと思ったんです。だけど自分は試合を断られることが多いので。どこからどう見ても、俺は画面上では弱いやろと思うけど」

――う~ん……住村選手のスタイルについて、決して「画面上では弱く見える」とは思わないです。

「アハハハ。たぶん僕の強さって、触れてみないと分からないと思うんですよ。画面上では、なかなか伝わらないかもしれない」

――むしろ相手にしてみれば厳しいスタイルというか。ただ削られるだけではない。かといって一発だけで終わらせるだけでなく、削られ続けた末に仕留める時もある、と。

「まぁ今のスタイルに変えたから、この年齢まで続けられているという面はあるんですよ。ド突き合いも良いとは思うけど、僕はこのスタイルに辿り着くことができて良かったです。

正直、40歳を超えて今から強くなることはないと思います。あとは落ちていく一方で。落ちていくことに、どう抗うか。怪我も怖いし、強度の高い練習はなかなか難しくはなってきますよね。そんなかで今回も、しっかり追い込むことはできたと思いますね」

今まで、対戦相手のことを格下だなんて一度も思ったことはないです。試合は何があるか分からないし、年齢も関係ない。16年間、自分がやってきた格闘技を全て相手にぶつけます。

――先日は盟友である皇治選手の応援のため、RIZIN神戸大会の会場に来ていました。皇治選手が上がっている舞台を見て「自分も……」とはならないのですね。

「やりたい相手がいないですから。RIZINのウェルター級にベルトがあれば、もしかしたら目指そうと思ったかもしれないです」

――RIZINのベルトを巻いて四冠王に、と。

「それができれば面白かったですよね。でも現実的に、ベルトはない。日本のウェルター級は層が薄いなかで、海外の選手を呼んでタイトルを創ってくれるのかどうか。今ウェルター級のトップ選手を呼ぶのは難しいでしょうし……、そういう現実はあります」

――もう一つ、聖地である後楽園ホールでラストマッチを戦いたいとは思わなかったですか。

「全く何とも考えていなかったです。もともとオファーを受けても次で引退するとは発表していないし、今日の計量の時に初めて言ったぐらいで。自分の現役生活に何の後悔もなくて、どこで引退試合をやりたいとかもなく、場所は全く関係なかったですね。言えば、やりたいことは全て達成しました。ニューピアだから、後楽園だから、さいたまスーパーアリーナだからどうというのはないです」

――なるほど。引退に際し、周囲から惜しむ声は挙がっていませんか。

「寂しくなると言ってくださる人はいます。ありがたいですよね。ボロボロになって辞めるよりは、そう言ってもらえる時に引退するほうが一番良いのかなって思いました」

――引退後はどのように格闘技界と関わっていくのですか。

「……関わらないです。一般人になりますね。あっ、でも筋トレはしますよ」

――そういうことではなく(笑)。

「アハハハ。スポンサーとしてずっとサポートしてくださっていた解体業の会社に入ります。何て言うんでしょうね……たぶんジム経営とかは無理なんですよ。まず今は格闘技のジムも多いですから。自分はお金も稼ぎたいし新しいこと、無限大の可能性があるものに挑戦したいんです。解体業で自分の会社を立ち上げることもあるでしょうし、他のことにも挑戦することもあるかもしれない。格闘技とは違うものに挑戦したい、というのが本音です」

――全てにおいて潔い引き際ですね。明日の引退試合、そして引退後のキャリアを楽しみにしています。そのラストマッチでは、どのような試合をしたいですか。

「マルセル選手は、娘(※長女のセアリはアマチュアMMAに出場している)と1歳しか変わらないんですよ。相手からすれば、自分なんてもうお父さんですよね(笑)。でも僕は今まで、対戦相手のことを格下だなんて一度も思ったことはないです。試合は何があるか分からないし、年齢も関係ない。16年間、自分がやってきた格闘技を全て相手にぶつけます。

相手は若いからイケイケドンドンやと思うし、ここで僕を倒してグッと上がるという気持ちを持っているでしょう。自分も気持ちで負けない。まだ若いヤツには負けへんぞ、と昭和のオジサンパワーを見せます。勝って自分のキャリアを締めくくります」

――ちなみに修斗のベルトは現在保持している一方で、DEEPとパンクラスのベルトはレプリカなど持っているのでしょうか。

「持っています。実は明日、全部持って入場しますよ。これは僕以外、他の誰にもできないことでしょ。最後にそこだけは自慢したろうと思っています(笑)」

■視聴方法(予定)
5月17日(日)
午後12時45分~ツイキャスPPV

■Shooto2026#03第2部 対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
デソウザ・マルセル(ブラジル)

<バンタム級インフィニティリーグ/5分2R>
人見礼王(日本)
関根累(日本)

<フェザー級/5分2R>
島村裕(日本)
ジャワ(ウズベキスタン)

<女子ストロー級/5分2R>
高田暖妃(日本)
吉成はるか(日本)

<ストロー級/5分2R>
漆田直輝(日本)
木村旬志(日本)

<2026年度フライ級新人王T1回戦/5分2R>
小鉄(日本)
石原大空(日本)

<73キロ契約/5分2R>
山下康一郎(日本)
小沼魁成(日本)

<ビギナー修斗フェザー級/2分2R>
佐藤利彦(日本)
大原柊太(日本)

<ビギナー修斗ストロー級/2分2R>
越智晃良(日本)
小林正汰(日本)

■Shooto2026#03第1部 対戦カード

<バンタム級/5分3R>
藤井伸樹(日本)
スソン(日本)

<フェザー級/5分3R>
青井太一(日本)
ヒカル(日本)

<フェザー級/5分3R>
上原平(日本)
齋藤翼(日本)

<フライ級/5分3R>
大竹陽(日本)
鈴木尊(日本)

<グラップリング51キロ契約/8分1R>
前澤智(日本)
奥田愛加(日本)

<2026年度フライ級新人王T1回戦/5分2R>
大竹塁(日本)
宇佐美泰生(日本)

<2026年度フェザー級新人王T1回戦/5分2R>
小川龍斗(日本)
塩沼諒太(日本)

<トライアウト・フェザー級/3分2R>
今井大暢(日本)
雑賀晴士(日本)

<ビギナー修斗バンタム級/2分2R>
小柳竜星(日本)
大川夏生(日本)

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