【LFA222】右足の甲負傷のビュラクが、ディフェンシブアタックでピレスを下し新LFAバンタム級王者に
<LFAバンタム級選手権試合/5分5R>
アルテム・ビュラク(カザフスタン)
Def.3-0:49-46.48-47.48-47
ヴィニシウス・ピレス(ブラジル)
右カーフを蹴ったチャンピオン=ピレス。挑戦者ビュラクも右カーフを蹴り返す。ピレスはダブルレッグから組んでケージにビュラクを押し込むと、ボディロックテイクダウンへ。ケージを掴む反則で耐えたビュラクだが、ピレスは慌てることなく小外掛けでテイクダウンを決める。ビュラクはバタフライガードから立ち上がるが、ピレスはボディロックから引き続きテイクダウンを狙う。
レベルチェンジしダブルレッグのピレスは、ビュラクも反応しボディロックに戻る。懸命にウィザーでバックを許さないビュラクは、両差しからの崩しにも耐える。さらにダブルレッグにヒジを落とし、ピレスに寝技に持ち込まさない。ビュラクは顔面にヒザを狙う。ピレスは大内刈りを防がれ、そのままボディロックでケージに詰めた形で初回が終えた。
徹底したケージへの押し込みで削られたのはピレスか、ビュラクか。2Rが始まると、ビュラクはスイッチし前足の右でハイを繰り出す。ピレスは組んで、ここもケージに押し込む。ブーイングを受けたピレスは、ダブルアンダーフックに取り大内刈りもバランスを失い下になる。クローズドガードのピレスは、頭をつけてワキを閉めるビュラクにハイガードを防がれる。
ビュラクは立ち上がり、続いたピレスに左ミドルを蹴る。ピレスも一瞬のスイッチからオーソに戻し右ロー。ビュラクのニータップを防いだピレスは右を受けて、バランスを崩す。さらに右ジャブを当てたビュラクがスピニングバックフィストから、ショートの連打をガードの上から繰り出す。組みから引き込んだピレスの足関節を抜け、スタンドに戻ったビュラクに対し、ピレスは残り1分でダブルレッグからクリンチへ。ここもビュラクは小外に体重を浴びせると、ピレスが引き込むように下になる。エルボーを落として立ち上がったビュラクが、この回を取った。
3R、左の三日月を2度見せたビュラク。ピレスが組んだ際、頭が当たり試合が中断する。すぐに再開され、ピレスが前蹴り。ビュラクが左ミドルハイを繰り出す。ヒザのフェイクで距離を詰めたピレスが、ここも両ワキを差してケージにビュラクを押し込む。ダブルレッグから回ってテイクダウンを決めたチャンピオンだが、ビュラクはウィザーで立ち上がる。
ダブルレッグで持ちあげたピレスは、スラムし切れなかったがバックを伺う。前方に崩し、ワンフックのピレスは着地して正対されるも、ビュラクが尻餅をつく場面が増える。ピレスは再びダブルレッグで担ぎ上げ、今度はスラムを決めてトップを奪取する。右のパンチを落とし、担ぎパスからニーインベリーで殴ったピレス。ビュラクがスクランブルを仕掛けたところで時間となった。
チャンピオンシップラウンド=4R、ジャブのピレスにビュラクが左ミドルを蹴る。ビュラクのヒザ蹴りが急所をかすめ間を取り直したピレスが、ダブルレッグへ。組み力で対応が厳しくなってきたか、ビュラクが細かいパンチを見せるようになる。それでもニータップをケージを利して耐えたビュラクだが、ボディロックとダブルレッグで押し込まれる時間が続く。やがてビュラクが回って離れると、スピニングバックキック――も当たりは浅い。ピレスはジャブから右カーフ、右クロスをジャブに合わせる。
ビュラクは組みの圧には、ケージを背負うことを選択している。ピレスが離れると、ビュラクはパンチで追いかけて組むと逆にテイクダウンを決める。エルボーを打ち込み、一度立ち上がったビュラクが再びパウンドを狙う。クローズドガードのピレスは、下になったままラウンド終了を迎えた。
最終回、劣勢の王者はジャブ&カーフ。ワンツーで前に出たところでビュラクが組んで、ケージにピレスを押し込む。すぐに体を入れ替えたピレスの小外を切り返したビュラクがトップに。ボディロックを外さなかったピレスは、そのまま立ち上がる。ピレスはダブルレッグに切り替えるが、切ったビュラクが逆にケージに押し込むと、スピニングバックエルボーを狙う。
ここで離れた両者、ビュラクが大きな右を振るう。時間がなくなったピレスがワンツーも、またもクリンチへ。ダブルレッグをスプロールし、エルボーを繰り出すビュラク。右を差し替え体を入れかえたビュラクのディフェンシブアタックが、ピレスを上回る。残り30秒、打撃の間になるとビュラクはシングルレッグから、右を打ち込みダウンを奪う。
パウンド連打にクローズドのピレスは、最後もパンチを落とされタイムアップに。勝利を確信し、コーナーマンに抱きかかえられた。結果は当然、ビュラクの手が挙げられアルテム・ビュラクの腰にLFAバンタム級のベルトが巻かれた。「右足の甲が折れた。でも、あったかい続けた。長い間、試合していなかったけどずっとこの瞬間をイメージしていた。LFAに感謝している。いつだってフィニッシュを狙っている。でも今日は……。UFCで戦いたい。その機会が欲しい。ラスベガスに住んでいるから、12月にUFCで戦いたい。僕はスポンサーもお金もなく、米国にやってきた」とビュラムは話し、コーナーマン2人に抱え上げられケージを下りた。


















