【UFC ESPN72】スミス戦へ、風間敏臣―02―「響いてくれる人はいると思う。自分はやり遂げるだけです」
【写真】風間曰く、倉本一真のように強い練習相手に「食らいついていく」。とても大切なことだ(C)MMAPLANET
9日(土・現地時間)、ネヴァダ州エンタープライズのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN72「Dolidze vs Hernandez」でアライジャ・スミスと対戦する風間敏臣インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima
1年振りのUFC参戦に向け、大きく練習環境が変わった風間に新しい練習環境と、スタイル的に嫌なスミス戦に関して引き続き話を訊いた。
<風間敏臣インタビューPart.01はコチラから>
大貴さんの熱さが凄く良い影響を与えてくれて、刺激を受けます
――打撃の方はシーザージム以外で、良太郎さんとの練習が加わっていますね。
「ハイ。ミットを週に2回か3回、パーソナルでお願いしています。(中田)大貴さんが『1回でも良いから、経験してみて。俺のパーソナルの時間、半分時間を取ってもらうから』って言ってくれて。それがきっかけでした。
そもそもミットをそれほど持ってもらったことがなくて。良太郎さんのミットは最初の時から、当てる感覚とか体感できて……続けようと思いました。
シーザージムのスパーで打撃戦に慣れ対応力をつけて、良太郎さんとはミットで打撃を創っていく。自分は余り他の試合を見ないタイプなので、本当にあらゆる試合に目を通してインプットしている良太郎さんの知識量は凄いです。良太郎さんが例えで出してくる選手や試合には、まるでついていけないのですが(笑)」
――アハハハハ。
「まだ半年弱ですが、足の使い方や距離感。僕は打撃の攻防が分かっていなかったと改めて教えてもらえました。本当に当てる感覚という部分を一番感じています。良太郎さんの考えを一から教えてもらって、打撃戦の組み立て方とか。あとは自分の疑問に対して、全て答えを持っています。それがデカいです」
――良太郎さんの指導は明大前のバトルボックスですか。
「僕は池袋のブルードッグジムです」
――つまり移動は山手線内と(笑)。
「アハハハハ、今はそんな感じです」
――この間の練習環境の変化で、1年前の風間選手とどこか一番変わったでしょうか。
「テンポ。テンポが変わったと思います。スタンドでも、グラウンドでも組んでいる時も。細かい位置……クラッチの位置、足の位置、ガードの位置が変わっていると思います。ただ打撃は半年弱、ここも2カ月ほど。全部が全部出せるとは思っていないですけど、次の試合では少しでも良くなった自分を出せればと思っています」
――ではベガス遠征のメンバーは?
「大貴さんと良太郎さん、それと前回と同じように兄に来てもらおうと思っています」
――そこに引退した中田さんが、一緒なのですね。
「あの人、熱いんですよ。その熱さが凄く良い影響を与えてくれて、刺激を受けます」
――英語も堪能ですしね。
「そこは関係ないです。英語が話せなくても、自分は大貴さんにお願いします。ホントに一生懸命にやってくれる。その想いがあるので、信用しきっています。これもHEARTSで出来た縁ですし、別にアレするわけじゃないけどHEARTSに感謝しています」
打撃ができないと思われている風間敏臣がUFCで連勝したら、めっちゃ良くないですか
――そして迎える相手はアライジャ・スミス。単刀直入に強い選手だと思います。レスリング&ボックス、スタイルマッチアップとして嫌な相手かと。
「まぁ、UFCで戦う相手は皆強いです。弱いヤツなんていない。そんな感じなんで、打撃に関しては『強ぇなぁ。怖いなぁ』というのはあると思います。リーチが長いので瞬間、瞬間でも見合っちゃうのは本当になくしたい。そこで見合っちゃうと相手のペースになるし。全部が勝てると言いたいけど正直、現状は打撃では劣ります。その見合っている部分をなくしていければ、勝機も増えてくると思います」
――組みを切って打撃を入れる。風間選手が疲れると、トップを取ってパウンド。スミスの攻撃も、そういうことになるのではないかと。
「それでも僕がすべきことは制圧で。バック、サイドバックで制圧してダメージを与えたうえで極める。というようなところを目指しています。間違いなくフィニッシュは狙っていきます。そこが僕の強みなので」
――前回のような逆転劇ではなくて。
「逆転は嫌です(笑)。全然、良くない。柔術の時も結構、逆転勝ちがあったけど楽に勝ちたいです。もちろんUFCで楽に勝てるなんてない。でも、楽に勝ってみたいです(笑)」
――そんななか今日、倉本一真選手とのグラップリングは立ちレスの展開が長かったです。
「別に申し合わせはなくて、自然とあの形になっただけです。倉本さんはレスリングもグラップリングもできるので、自分がアタックしていく。特に試合を想定した動きではないですが、レスリングは絶対に倉本選手の方が上なので。それでも食らいついていく。そこが試合に生きてくるじゃないかと思います」
――ここでUFCファイターとして、何をしないといけないと思っていますか。
「ファイターとして、知名度もない自分が……UFCでまずは2連勝、ここから契約更新。それをしっかりと勝ちとって……そうなると自分も幸せだし、応援してくれる人たちにも熱い想いを共有できると思うので、それを狙っていきます。
でも打撃ができないと思われている風間敏臣がUFCで連勝したら、めっちゃ良くないですか? 響いてくれる人はいると思います。それを自分はやり遂げるだけです」
■視聴方法(予定)
8月10日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT