【TTFC11】世界と伍するJ-MMAブランド確立へ。石井逸人&阿部光太が南太平洋軍団とがっぷり四つ
【写真】いかんも強そうなオーストララジアン勢。特にマヨッキ(右上)は、やりそうだ(C)MMAPLANET & TTM
7日(木)、Tribe Tokyo MMAより9月14日(日)に東京都練馬区の練馬coconeriホールで開催されるTTF CHALLENGE11の追加カードが発表されている。
Text by Takumi Nakamura
TRIBE TOKYO MMA強化大会、つまり日本のMMAの底上げに通じるTTFCは、11回目を迎え既にエフェヴィガ雄志とニュージーランドのキーラン・ジョブリンのライト級戦を始め4試合が発表されていた。
今回はここに国際戦2試合を含む、6試合が決まり全10試合が実施されることとなった。
国際戦出場はTRIBEの石井逸人と阿部光太の両者でそれぞれニュージーランドのカイル・マヨッキ、豪州のシオネ・ヴァイコソとの対戦となる。
石井は5月のBreakthrough Combat04における上田佑起戦で、急所に蹴りを受けて試合続行不可能=NCになって以来、4カ月振りの試合で1年9カ月振りの国内での勝利を目指す。
対するマヨッキはイズラエル・アデサニャ、カイ・カラフランス、ダン・フッカーらが所属するニュージーランドの名門シティ・キックボクシング所属の新鋭だ。プロ戦績は4勝0敗だが、アマチュアでも6勝2敗の戦績がある。
精度の高いジャブを持つマヨッキは、近い距離でもしっかりと位置取りができる打撃の持ち主だ。レスリングと柔術は、よりスムーズに見える。石井が前戦で気になった――相手の動きを見ないで距離をつめるようなことがあると、一気にダメージを受ける可能性があるだろう。
特にリリースにあるようにマヨッキは、本来はフェザー級ファイターだ。今回は64キロ契約ということで、バンタム級よりもフェザー級よりのキャッチ戦となっている。当然、そのフィジカルは要注意が必要だ。
石井もBRAWLでフェザー級のベルトを取っているが、しっかりとMMAを積んでいるキウイの新鋭がフィジカルで優位に立つことは間違いない。全く侮れない相手だ。
阿部はNEXUS、Gladiator、HEATとプロデビュー以来4連勝だったが、昨年12月にDEEP大阪大会で現DEEPウェルター級チャンピオン角野晃平にKOされキャリア初黒星を喫した。以来、9カ月を置いて再起戦に臨む。
その阿部と戦うシオネ・ヴォイコソは、これがプロデビュー戦。所属する豪州カムデンカウンシルにあるグレイシー柔術スミートン・グランジでは、ロバート・ウィティカーのトレーニングパートナーとのこと。
アマチュアで5勝2敗、3つのTKO勝ちを誇りEndouro FSではウェルター級チャンピオンになっている。昨今のUFC、コンテンダーシリーズ、Road to UFCを見ればニュージーランドと豪州=オーストララジアン勢の力の確かさは明白だ。トップが強い国で、同じような環境で汗を流す新鋭に力がないはずがない。
実際、今大会のメインを戦うエフェヴィガ雄志は、豪州のドン・マーファンにRoad to UFCで敗れている。韓国は当然として、モンゴルやフィリピン勢、中央アジアのファイターを招聘して国際戦を組むプロモーションは一応にして、世界を意識したファイターが目立っている。
そのなかで南太平洋勢に着目したTTFC、その真意はプレスリリースにある「UFC世界王者を輩出するCity kickboxing同様に世界最高峰の水準でトレーニングを行う選手達をTRIBE TOKYO MMAが迎え撃つ形となった」という言葉に表れている。
世界と伍するための戦いがJ-MMAブランドになり、J-MMAプライドに昇華されるのか。TTFC、Lemino修斗、新興プロモーションにも注目の―9月の―-MMA月間だ。