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【TTFC11】計量終了 ダン・フッカーのフィジカルコーチ=遠藤誠氏にNZのMMAの今を訊いた in 計量会場

【写真】左端が遠藤氏、ジョブリン、マヨッキ、ボーガン・アンダーソンCKBコーチ。右端はかつてCKBで練習しEternal MMA出場経験もある松山瑞穂 (C)BROGAN ANDERSON

明日14日(日)、東京都練馬区のココネリ・ホールで開催されるTribe Tokyo Fight Challenge 11の計量が同区TRIBE TOKYO MMAで行われた。
Text by Manabu Takashima

ニュージーランドの名門シティ・キックボクシングからキーラン・ジョブリンとカイル・マヨッキ、豪州からシオネ・ヴェイコソが来日している今大会。そんな豪州&ニュージーランド=オーストララジアンMMAファイター――ジョブリンと7年、ダン・フッカーとは10年以上、アーロン・タウは5年に渡ってフィジカルコーチを務めている遠藤誠氏の姿が計量会場で見られた。

オークランド在住、現在は日本とニュージーランドを行き来しているストレングス&コンディショニング・コーチであり、MMAフィットネス・アナリストの遠藤氏にシティ・キックボクシングを始めとするニュージーランドのMMA事情を計量会場で伺った。

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遠藤誠
「ニュージーランドのMMAファイター達のゴールは、UFC一択です。シティ・キックボクシングの所属選手たちも、そうです。コンテンダーシリーズだけでなく、Road to UFCにも出場できるようになったので、ジムの選手たちも活気づいていますね。試合に出る選手も多く、今は特にUFCの豪州バース大会が控えていますし。

8月にはRoad to UFCでアーロン・タウとローレンス・ルイ、コンテンダーシリーズでキャム・ロウストンが勝ち。TTFCで2選手が戦うということで皆、元気よくやっています。

トップでなかった2番手、3番手にあった選手たちが上に上ってきている状況で、凄く雰囲気も良いです。そのなかでキーランは特別ですね。ACAやONE Warrior Seriesに出場していたのに30歳を過ぎても現役を続け、HEX FSのチャンピオンになった。そういう選手はほとんどいないです。

特にニュージーランドは本当にUFC一色です。メディア的にもラグビーのオールブラックスの人気選手とイスラエル・アデサニャのようなUFCファイターが肩を並べて談笑する。それが画になるという風な認識ですね。Road to UFCで勝ち残っている選手も一般紙に載るようになっています。ラグビーがあって、UFCがある。MMAや格闘技ということでなくUFCですね。UFCしかないから、強い選手が残っているという見方ができると思います。

正直、ニュージーランドの若い選手はRIZINに目をやるということはほぼないと思います。ただ豪州は違います。PPVの実況が豪州人のマイケル・シャベロで、解説もダミアン・ブラウン。ニュージーランドより、RIZINが選手の視界に入っているかと思います。

PFLオセアニアに関しては、興味を持つ選手もいます。ただ豪州やシドニーでは動き出しているようですが、ニュージーランドではまだ大きな動きは見られないですね。一方で豪州とニュージーランドの行き来は頻繁です。実際に今回来日しているカイルは豪州の選手ですが、シティ・キックボクシングが行ったリアリティTVショーのようなトライアウトで合格して、ニュージーランドで練習をするようになりました。

アーロン・タウもダン・フッカーが行った、その手の企画でシティ・キックボクシングに所属するようになった選手です。

ニュージーランドのShuriken FSで結果を残し、豪州のEternal MMAやHEX FSで勝ち残ってUFCを目指すのが王道といいましょうか。ただニュージーランドと豪州は隣国ではあっても2000キロ以上離れています。飛行機代や宿泊費も用意されてニュージーランドの選手は遠征をしています。Shurikenに出ている選手たちが目指す場所は、やはりUFCですね。

豪州やニュージーランドはラグビーが人気スポーツで競技人口も多いです。そのなかで小さな選手は越えられない壁があります。移民の国でもあるので、小柄なアジア系のプレイヤーは、ラグビーを続けることができないです。ただし、ラグビーという激しいぶつかり合いのスポーツで鍛えてきた選手が、その身体能力を生かそうとMMAに転じることも多くなってきました。

ニュージーランドでは軽犯罪、痴話喧嘩からの暴力沙汰は凄く多いです。何かれば体で解決する。それは小学校や中学校でも同じですね。血の気が多い。まさにアーロン・タウはそういうところから出てきた選手です。

それと英語圏なので、UFCがあれば構わない。何も自分たちの国に大きな対抗団体を創ろうという風にはならないです。そのなかでダン・フッカーなんかは、自分の格闘技観を持っている珍しい選手ですね。武道を基幹としたファイトの世界を創っていこうとしています。

日本でも活躍していたジェイソン信長(ジェイソン・サティー※日本に住んでいた1990年代後半から2000年代中盤にかけK-1やキックボクシングで活躍した)は、まさに今日が開催日なのですがArsenal-Xという大会を開いています。

1Rがボクシング、2RはK-1、3Rがムエタイというルールと、1Rがキック、2RがMMA、3Rがムエタイという2つのルールの大会です。アデサニャやカーロス・アルバーグが育ったKING of The RINGというK-1ルールのイベントから、ハイブリッド・ファイト・シリーズと名乗るArsenal-Xを始め、それこそアーロン・タウはそのルールでチャンピオンでした。

UFC一色のなかで、ジェイソン信長はこの大会を開きTV中継もあります。若い子たちのMMAへの興味は本当に高くなっているので、ニュージーランドのMMA選手は強くなっていくと思います」


■視聴方法(予定)
9月14日(日)
午後3時40分~ツイキャスLIVE

■TTFC計量結果

<ライト級/5分3R>
エフェヴィガ雄志:70.25キロ
キーラン・ジョブリン:70.60キロ

<64キロ契約/5分3R>
石井逸人:64.35キロ
カイル・マヨッキ:64.2キロ

<バンタム級/5分2R+Ex>
阿部光太:77.50キロ
シオネ・ヴェイコソ:77.3キロ

<バンタム級/5分2R+Ex>
上田直毅:61.55キロ
宮川日向:61.55キロ

<バンタム級/5分2R+Ex>
榎本明:61.5キロ
小山敬司:61.45キロ

<バンタム級/5分2R+Ex>
藤田ムネノリ:61.6キロ
千種純平:61.3キロ

<フェザー級/5分2R+Ex>
シャ・ランディ:65.95キロ
石田裕星:65.15キロ

<フライ級/5分2R+Ex>
和田教良:56.9キロ
柿沼和敬:56.85キロ

<フェザー級/5分2R+Ex>
河坂修斗:66.05キロ
武本行平:65.5キロ

<フェザー級/5分2R+Ex>
テヘラン・カトウ:65.9キロ
谷知哉:65.3キロ

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