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【TTFC11】4勝0敗の新鋭マヨッキと対戦、石井逸人「長南さんの前でカニバサミを決めたい」

【写真】一見パンクなままのTTM古参、石井逸人(C)MMAPLANET

14日(日)に東京都練馬区の練馬coconeriホールで開催されるTTF CHALLENGE11で石井逸人がカイル・マヨッキと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年10月にグァムのBRAWLでフェザー級のベルトを巻いたものの、今年5月のBreakthrough Combat04の上田佑起戦では急所に蹴りを受けて試合続行不可能=ノーコンテストに終わっていた石井。意外にも今回が初参戦となるTTFCで再起のケージに立つ。

対するマヨッキはイスラエル・アデサニャ、カイ・カラフランス、ダン・フッカーらが所属するニュージーランドの名門シティキックボクシング所属の新鋭。石井は今回の一戦を「長南さんから『この相手に勝てないようじゃ世界で戦うのは厳しいぞ』と突きつけられたマッチメイクだと思う」と位置づけている。


試合映像を見ると強いヤツだったのでワクワクしましたね

――5月のBreakthrough Combat04での上田祐起戦では上田選手のローブローによりノーコンテスト裁定に終わっていました。夏~秋頃には試合をしたいという希望があったのですか。

「あの試合のあとに長南(亮)さんからTTFCの話をもらって、タイミング的にここになった感じです」

――上田戦はローブロー以外にも足関節の攻防の際にグラウンド状態での顔面への蹴りをもらう場面もありました。試合直後はどんな心境でしたか。

「試合直後はとにかく気持ち悪くてどうしようもなかったんですけど、落ち着いて考えたら相手の反則負けじゃないの?とは思いましたね。グラウンド状態の顔面への蹴りで相手にイエローカードが出て、その後にローブローだったんで、普通にレッドカード(失格)で俺の勝ちだと思ったりはするんですけど…もう終わったことなんで仕方ないです」

――長南代表もあの試合が不完全燃焼に終わったところを見ていて、すぐにTTFCのオファーを出したのかもしれないですね。

「僕も試合で勝たない限りはモヤモヤした気持ちが晴れないし、オファーをもらってすぐに『出ます』と返事をしました」

――今回はニュージーランドのカイル・マヨッキと対戦することになりました。

「最初は別の相手で提示されて、結構いい相手だったんですけど話がまとまらなくて、最終的にマヨッキになったんですよ。決して名前がある選手ではないし、オファーを受ける前から知っていたわけではないですけど、試合映像を見ると強いヤツだったのでワクワクしましたね」

――対戦相手としての印象はいかがですか。

「すごく荒々しくて海外の若い無敗のイケイケの選手だなという印象ですね。プロ戦績は4戦ですけど、アマチュアの経験もあって柔術の試合にも出ているみたいなので、知名度やキャリア以上に実力があって戦いに慣れている選手だと思います。あとはフライ級でデビューした自分と、ライト級でデビューしたマヨッキが64キロ契約で交わるのがなんかちょっと熱いなと思います」

――僕も試合映像を見たのですが、打撃の思い切りの良さが目立つ一方でグラウンドコントロールがタイトな印象もありました。

「バックコントロールは上手だと思います。タイプ的に自分と強みが同じというか、同じ土俵でやっている感じがするので噛み合う相手ですよね。ただ技術的にマヨッキが俺より上かと言われたら、そこまで上ではないと思っています」

――今回はどのようなテーマを持って試合に臨みたいと思っていますか。

「自分はずっとTTFCに出たいと長南さんに言っていて、出たい理由も色々あるんですけど、今回のテーマ的に長南さんの大会で、長南さんの前でフライングシザーヒールフックを極めたいというのがあるんですよね」

――長南代表が2004年の大晦日にアンデウソン・シウバに極めたカニバサミからのヒールフックですね。

「TRIBE TOKYO MMA(TRIBE)の現役選手の中であれができるのは多分俺だけだと思うので、そこを狙っていきたいですね」

――長南代表のイベントで長南代表の技で勝ちたいという想いがあるのですか。

「そうですね。なかなかタイミングが合わなくてTTFCに出るのは今回が初めてなんですけど、練馬の人たちに自分の試合を見せたい、長南さんの前でカニバサミを決めたいという気持ちがずっとあったんですよ。今まで試合中にカニバサミいけるなってタイミングも何回かあったんすけど、そこは自分のメンタルが追いつかなくて、失敗したらどうしよう?と思ってやれなかったんですよね。でも今回は自信を持ってトライできるかなと思います」

――それはスキル的な部分、メンタル的な部分、どちらが大きいのでしょうか。

「スキル的なところもそうですけど、心技体でいうところの心の部分ですよね。メンタルのところで今はそういった技もいけると思います」

今回の試合は長南さんから『この相手に勝てないようじゃ世界で戦うのは厳しいぞ』と突きつけられたマッチメイク

――石井選手はTRIBEに移籍してきた選手ですが、現在の所属選手のなかでは古参になりますよね。

「自分は(佐藤)天さんが米国に行く直前にTRIBEに来た感じで、ジムで言ったら後藤丈治が同期なんですよ。先輩たちはみんな引退してしまって、後輩たちも増えてきて古参の方になってきましたね」

――TRIBEがスタートした当初は重い階級の選手が多かったと思うのですが、今は軽量級の選手も増えていますよね。

「そうですね。今は軽量級がメインではあるんですけど、後輩にエフェヴィガ雄志、後藤亮、阿部光太…大きい選手もいるので、色んな階級の選手たちが集まって切磋琢磨しているジムだと思います」

――ジムの自主興行という部分では他の試合とは違う特別な思いもありますか。

「ありますね。あと今回の試合は長南さんから『この相手に勝てないようじゃ世界で戦うのは厳しいぞ』と突きつけられたマッチメイクだと思うんですよ。直接長南さんにそう言われたわけではないですが、自分では勝手にそういう試合だと解釈していて。だからそれを見返すじゃないですけど、ここでいい勝ち方をして『石井、なかなかやるじゃん!』と周りを認めさせてやりたいですね」

――今回のマヨッキ戦でしっかり結果を出して、今後は海外の選手たちと戦っていくことが目標ですか。

「はい。マヨッキのような海外の無敗のイケイケの若者が相手でもちゃんと完封して勝てるんだよというところを見せたら、この先の展開や可能性も広がっていくと思います。ただ自分は先のことを見ちゃうとダメなタイプなので、目の前の瞬間瞬間を楽しもうと思います」

――それでは最後にファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「前回の試合があんな形で不発に終わっちゃったんで、今回は爆発したいですね。TRIBEにRIZIN勢が加入してきたり、若松(佑弥)とか後藤丈治が活躍しているなかで、まだTRIBEにはやべえやつがいるんだぞというところを見せようと思います」

■視聴方法(予定)
9月14日(日)
午後3時55分~ツイキャスLIVE

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