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【DEEP129】仕切り直しの高橋遼伍戦、相本宗輝「打撃はコンパクトとインパクトが大事」

【写真】8勝0敗、6KO。判定勝利は2回戦で、3Rは未経験だ (C)MMAPLANET

14日(日)に東京都港区のニューピアホールで行われるDEEP129で、相本宗輝高橋遼伍と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

計量オーバーからの再起戦となった9月の木下カラテ戦では、わずか14秒でのKO勝利を収めて完全復活を印象付けた相本。今大会ではフェザー級GPの準優勝者で、自身の計量オーバーで対戦が流れていた高橋との対戦が決まった。

同日に同階級で青井人と水野新太のタイトル戦が組まれていることを考えると、相本にとって最高のマッチメイクが組まれたと言っていいだろう。2025年のラストファイトを勝利で締めくくり、2026年の更なる飛躍へ。相本にとってターニングポイントになるであろう高橋戦に向けて話を訊いた。


ミットを持ってくれる仲間が蹴りのミットを持てないんで、基本的にパンチしか練習しないんですよ(笑)

理学療法士のお姉さんのマッサージを受けながらのインタビューに

――今日はよろしくお願いいたします。

今、相本選手はマッサージを受けている最中なのですか。

「はい。うちの姉ちゃんが理学療法士の免許を持っていて、いつも試合前にマッサージをしてくれるんですよ。実家なんでカビゴンのクッションのままですいません(笑)」

――いえいえ、むしろ貴重なシチュエーションです(笑)。ではインタビューを始めさせてください。9月の木下カラテ戦はわずか14秒でのKO勝利でしたが、ああいった試合展開はイメージしていたのですか。

「一切そこはイメージしてなかったですね。ただ木下選手の方が最初から仕掛けてくることは予想していて、周りとは『最初から勝負して来そうだよね』みたいな感じで喋っていました」

――相本選手が短期決着を狙っていたというよりも、木下選手がどんどん来るだろうという想定だったのですね。

「そうですね。だからこっちはいつも通り距離を取って、無駄に考えすぎず戦いました」

――ほぼファーストコンタクトの左フック→右フックがクリーンヒットして、そこから右を追撃してフィニッシュとなりましたが、あのパンチは体が反応していたのですか。

「多分相手は僕がサウスポーで来ると思っていたと思うんですけど、あえて最初はオーソドックスから入ったんです。それで右ストレートを打って、そのままサウスポーにスイッチして左フック・右フックを効かせて、追いの右フックで倒した感じですね」

――試合映像など見返して、自分でも渾身の一発だったと思いましたか。

「そうですね。自分でもあんな14秒で終わるとは予想もしなかったです」

――例えばこの試合のためにパンチを強化していたわけではないですよね。

「自分はミットを持ってくれる仲間が蹴りのミットを持てないんで、基本的にパンチしか練習しないんですよ(笑)」

――なるほど。必然的にパンチを練習する時間が長くなるわけですね。練習そのものは自分で研究しながらやっている形ですか。

「ミットを持ってくれる子も普段は消防士として働いていて、その子と2人で独学でやっている感じですね。2人で『この打ち方よくない?』とか『あの選手のパンチを真似してみよう』と会話しながら練習しています」

――ものすごくコンパクトなパンチのコンビネーションでしたが、誰かのKOシーンやパンチを参考にしたのですか。

「特にはないんですけど、やっぱり打撃はコンパクトとインパクトが大事だと思うんで、そこと手数の多さは常に意識して練習しています」

――結果は秒殺KO勝利でしたが、もっと接戦になることも考えて準備していましたか。

「そうですね。今まではパッと終わる試合が多かったんですけど、自分は結構お互いの気持ちを出したドロドロな試合をしたいタイプなんですよ。今回は木下選手が相手で打撃で削り合う試合になるだろうなと思っていたら、あんな感じで終わったんで。自分の方が上だったっすね」

――3月のフェザー級GP一回戦=高橋遼伍戦での計量オーバーがあってからの再起戦でしたが、勝った瞬間は特別な感情がこみ上げて来ましたか。

「高橋戦は減量中に倒れて試合がなくなって…逆にそこから周りが全力でサポートしてくれるようになったんです。それで自分の意識も変わって、チーム全員で色々と考えて考えて、みんなが協力してくれた試合だったと思います」

――試合直後のRIZINへの出場アピールは叶いませんでしたが、年内にはもう一試合戦いたいと思っていたのですか。

「9月15日に僕と木下選手が戦って、11月3日にRIZIN神戸大会があって、ノーダメージで勝ったのでアピールさせてもらったんですが、もうあの時点では追加カードも決まっていて、神戸大会には間に合わないということだったんです。また今急いでRIZINに出てよく分からない選手とやるより、しっかり準備をしてRIZINに出て行った方がいいんじゃない?という話になりました」

水野くんが判定で高橋選手に勝っているので、ここはしっかり自分がKOして勝つ

――その中でGP準優勝の高橋選手と仕切り直しの対戦が決まりました。同じ日に青井人×水野新太のタイトルマッチが組まれていることを考えると、現時点のDEEPで組まれる最高の相手だと思います。

「もともと今年最初の試合で高橋選手と試合が決まっていたにも関わらず、自分の計量ミスで試合が流れてしまっていて、年の最後に改めて高橋選手と戦うことになってモチベーションは高いです。やっぱり高橋選手には思い入れもあるし、前回のことがあったにも関わらず今回またこうして試合を組んでもらって、今回はいつも以上にリスペクトを持って、全力で楽しんで戦います」

――ちなみに高橋選手のトーナメントでの試合を見て、どのような感想を持ちましたか。

「そこは特に……ですかね。自分、あんまり他人の試合を見ないので」

――高橋選手は実績・キャリアともに十分で、ここで高橋選手にどう勝つかで次のチャンスにつながってくると思います。

「自分と同じ無敗の水野くんが判定で高橋選手に勝っているので、ここはしっかり自分がKOして勝つ。勝ち方的にはそういうところを意識しています」

――そうなれば自ずとタイトル挑戦も見えてくると思います。来年はDEEPのベルトを取ることを意識していますか。

「今の自分の位置的にはDEEPでベルトを取ってRIZINに行くのが一番いいと思っています」

――もしタイトルマッチをやるなら同時期にデビューした水野選手と戦いたい?

「僕としては勝った方に挑戦できればいいと思っていますが、水野くんが勝ってくれて、僕と水野くんが無敗同士でタイトルマッチをやるのが一番盛り上がると思います」

――毎回試合でサプライズを起こす相本選手だけに、ファンの期待度も高いです。

「やっぱり自分はストライカーなので、今回も打撃でガンガン前に出て手数を緩めず、ゴングが鳴った瞬間から最後まで倒しにいこうと思います」

――高橋選手はフェザー級GP準決勝の五明宏人戦では五明選手に持ち味を出させない試合運びも見せました。相本選手はどう高橋選手を攻略しようと思っていますか。

「自分は上手く戦うことも出来るし、喧嘩も出来るので、試合までにバッチリ準備を整えて、いつも通り、自分を信じて戦うだけだと思います。向かい合った時に隙を見つけて、勝負しに行きます」

――ここから試合までに自分の感覚を研ぎ澄ませていくわけですね。

「そうですね。ちょうど今日で追い込みも終わったので、あとは一週間しっかり体を休めて体重調整して、最高の準備をしてケージに上がります。みなさんも楽しみにしていてください!」

■DEEP129 視聴方法(予定)
12月14日(日)
午後4時35分~U-NEXT、サムライTV、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ

■DEEP129 対戦カード

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 青井人(日本)
[挑戦者] 水野新太(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
相本宗輝(日本)

<フェザー級/5分3R>
武田光司(日本)
奥山貴大(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一(日本)
河村泰博(日本)

<バンタム級/5分3R>
雅駿介(日本)
平松翔(日本)

<メガトン級/5分3R>
水野竜也(日本)
稲田将(日本)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
橋本ユウタ(日本)

<フェザー級/5分2R>
高橋正親(日本)
杉野亜蓮(日本)

<フライ級/5分2R>
横内三旺(日本)
石原射(日本)

<ライト級/5分2R>
荒井銀二(日本)
平石光一(日本)

<アマチュア フライ級/3分2R>
琥(日本)
斎藤冬翔(日本)

<アマチュア メガトン級/3分2R>
TAKUMA(日本)
ハチミツ大魔王(日本)リロ

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