【TTFC11】Road to UFCからの再起、ジョブリン戦へ。エフェヴィガ雄志「一言でいうと頑張る練習を」
【写真】ここは落とせない。そういう恐怖心が出てくる試合もまた、エフェを強くする(C)TAKUMI NAKAMURA
14日(日)に東京都練馬区の練馬coconeriホールで開催されるTTF CHALLENGE11のメインイベントでエフェヴィガ雄志がキーラン・ジョブリンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
5月のRoad to UFCライト級トーナメント1回戦でドン・マーファンに敗れて初戦敗退に終わったエフェ。今回は2年連続となるTTFCのメインイベントでジョブリンを迎え撃つ。
ジョブリンはスクランブルでの粘り強さに勝機を見出すタイプで、マーファンのテイクダウン&トップキープに苦しめられたエフェにとっては2戦連続で同タイプの選手と戦うことになる。来年のRTU、あるいは海外イベントでキャリアを積んでUFCを目指す。どちらの道を進むことになるにせよ、この試合を乗り越えなければ次にはつながらない。エフェにとっては試練の一番だ。
自分の強いところを出す、自分の得意な場所で勝負することも意識してきました
――RTU後のインタビューで「次戦は9月のTTFCを予定している」と話していましたが、予定通りにTTFCで豪州のキーラン・ジョブリンと対戦が決まりました。最初に対戦相手の名前を聞いた時の心境を教えていただけますか。
「元々知っている相手ではなかったんですけど、以前僕もHEX(Fight Series)で試合をするかもしれないという話があったんですよ。ジョブリンはHEXで試合している選手で、もし自分がHEXに出ていたら戦っていたかもしれないので、面白い巡り合わせだなと思いました」
――試合映像を見てジョブリンにはどのような印象を持ちましたか。
「基本的にはグラップラー、最近の試合ではより組みに特化して積極的に組んでくる選手なのかなと思いますね。所属がシティキックボクシングで、イスラエル・アデサニャや有名な選手が多いジムなんですけど、スタイル的には打撃よりも組みを武器にしている選手だと思います。ただ打撃はフェイントをたくさん使いながら距離をコントロールする感じで、そこはシティキックボクシングの選手っぽい感じかなと思います」
――私も幾つかジョブリンの試合を見たのですが、綺麗に一発でテイクダウンするというよりも、スクランブルで何度もしつこく動いて最終的にいいポジションを狙ってくるタイプだと思いました。
「自分もそう思いますね。打撃も瞬発力があるわけじゃなくて、同じリズムでずっと戦い続けられる感じだし、3Rでも5Rでもキツイ試合ができる選手という印象ですね。特に自分は直近の試合で組みでやられているので、相手は間違いなくめちゃくちゃ組んでくるだろうと考えています」
――組みでペースを握られてしまったRTUのドン・マーファン戦の修正点が試される相手とも言えます。そこはどう意識して準備されていますか。
「一番は前回のRTUでダメだったところ、組みの課題とか、組みと打撃の繋ぎ目、打撃から組み、組みから打撃…そういう細かいところを意識して練習してきました。あとはちゃんと自分の強いところを出す、自分の得意な場所で勝負することも意識してきました」
――試合に負けると悪かった部分を修正することに目がいきがちですが、自分の良さを出すことにも目を向けているのですか。
「そうですね。負けて色々と考えましたが、自分の得意なところ、これまでやってきたことを活かせなかったら、それこそ今まで何をやってきたんだという話になっちゃうと思うので、自分の強みをしっかり出すことは変わらないというか、むしろそこへの意識は強くなったかもしれないですね」
――そのうえで先ほどもあった打撃と組みの繋ぎの部分などをより意識しているのですか。
「なんか『あれやろう』、『これやろう』と考えすぎて動けなくなるのが一番良くないと思うんですよ。ある程度やることは繋ぎの部分でシンプルにしておいて、当然動いている中でミスすることもあると思うんですけど、ミスをしたからと言ってそこで止まるのではなく、そこからさらに動き続けられるような練習、超簡単に一言で言えば“頑張る”練習をしてきました。変に丁寧にやろうとしすぎずに動きを止めない、仮にミスしたとしてもそれを取り返すぐらい動く。そういう単純なことを意識して練習しています」
――スキルを磨くという意味では細かく丁寧にやることも必要だと思いますが、一発勝負の試合になると100パーセント完璧に動けない場合もあるので、そうなると動きを止めずにリカバリーすることも求められますよね。
「そこは前回の試合ですごく感じましたね。余計に前回の試合では動きを止めてダメだったんで、そこも反省点ではあります」
――またRTUの振り返りインタビューでは「これまで自分がやってきた相手は自分の打撃で怯んでくれた。でもマーファンにはそれがなかった」という言葉もありました。ジョブリンも同じオーストララジアン系のファイターということでエフェヴィガ選手がどこまで打撃を効かせられるかという部分も試されると思います。
「そこも半分はメンタル的なところがあるんじゃないかと思います。自分の押し付けたいものを相手に押し付けるみたいな。前回の試合はお互いそれを押し付けあって、最終的に相手にそれを押し付けられちゃった感があるんで。今回はちゃんと自分の『俺のこれを食らえ!』というのをはっきり見せたいですね」
――こうしてお話を聞いていても細かいスキルアップはもちろん、試合に臨むメンタル面や向き合い方なども作り直しているところですか。
「作り直していると言えば作り直しているのかもしれませんが、前回初めて試合で負けて、負けた後の感じが自分でも想像できないところがあったんです。今回は丁寧に作り上げているつもりではあるんですけど、本番でどうなるかは今の時点では分からない。その怖さ半分と楽しみ半分みたいな感じですね」
――あとはどれだけいい準備をできるか。試合当日にジョブリンと対峙した時のエフェヴィガ選手自身がどう動くかですね。
「そうですね。ただ試合会場も去年のTTFCでエマニュエル・サンチェスをKOして、すごくいいパフォーマンスができたところなので、そういうホームで試合できるという心強さは大分あります」
――今回は渡米せずにTRIBE TOKYO MMAで練習を続けているのですか。
「上海(RTU)から帰ってきてからはずっとTRIBEで練習しています。やっぱりTRIBEの方が勝手は分かっているし、いい意味で練習で自分を削りすぎないんですよね。どうしてもキルクリフでは絶対に生き残ってやろうと思って、練習で出し切っちゃう感じがあるんで。良い悪いの話ではなく、練習で自分を削りすぎないところがあります。あとは当然日本語の方がコミュニケーションは取りやすいですし、長南(亮)さん含め色んな方が練習を見てくれているので、そこもやりやすいです」
自分がチャレンジする試合となると海外になるのかなと思います
――ジョブリンはRTUで敗れたマーファンと似たタイプで、同じオーストララジアンの選手という意味ではエフェヴィガ選手にとっては意味のある再起戦になったと思います。
「本当にいいマッチアップをしてくださったという感想が一番に出てきますね。前回の負けを払拭するにはうってつけの相手を用意してもらったと思います」
――エフェヴィガ選手としては来年のRTUにチャレンジする、もしくは海外で実績を積んでUFCを目指す。そこがこれからの目標になってきますか。
「そうですね。来年もRTUでライト級のトーナメントがあるかどうかという問題はありますが、自分としては来年もRTUにチャレンジしてリベンジしたいです。そのためにもここを落としたら話にならないと思うんで、しっかり勝ってリベンジの舞台を整えたいという想いです。もし来年の春頃にRTUがあるなら、もう1~2試合は挟めると思うので、そこでも自分のレベルが上がるような試合をしたいし、自分がチャレンジする試合となると海外になるのかなと思います。自分が海外に出ていくか、日本でも今回のような国際戦を組んでもらえたらうれしいですね」
――それでは最後に今回の復帰戦を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。
「自分も心の中で俺はここ(RTU)から絶対上がっていくんだと思っていたし、周りの方からもそう言っていただいたんですけど、今思うと慢心もあったかなと思います。初めて負けてから色々と見つめ直して、この復帰戦まで積み上げてきたんで、その成長にも目を向けてもらって、自分の試合を見てほしいと思います」
■視聴方法(予定)
9月14日(日)
午後3時40分~ツイキャスLIVE