【UFN230】アラテンヘイリ戦へ、グティエレス「止まった状態でエネルギーを養成? 力は身の内で興すモノ」
【写真】キャリアの序盤にチムール・ヴァリエフと1勝1敗、ベンディ・カシミールに勝利。なぜかジミー・フリックにムエタイで勝っているのも興味深い (C)MMAPLANET
14日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC Apexで開催されるUFN230:UFN on ESPN+88「Yusuff vs Barboza」にクリス・グティエレスが出場し、中国のアラテンヘイリと対戦する。
Text by Manabu Takashima
キャリア19勝4敗2分、32歳のクリス・グティエレス。フランキー・エドガーに勝ち、前戦ではペドロ・ムニョスに8連勝を阻まれたとはいえ、第2試合に出場するファイターでは決してない。そんな冷遇にもファイトを楽しむ精神状態が、グティエレスから伝わってきた。
──クリス、土曜日にアラテンヘイリと対戦しますが、今の調子はいかがですか。
「実は今、コンテンダーシリーズでチームメイトの試合を見てきたばかりで(※取材は10日に行われた)。マルケル・メデロスが、UFCと契約できて凄くエキサイトしているんだ」
──素晴らしいヒザ蹴りでのKO勝ちでした。クリスも週末に試合に向けて、弾みがつきましたね。
「イエッサー! チームメイトの勝利にはいつも元気づけられるし、しっかりとファイトウィークをやり切れそうだよ!!」
──ところで昨年11月にフランキー・エドガーの最後の試合相手を務めました。あのような経験は、クリスに何を与えてくれるのでしょうか。
「UFC殿堂のフランキー、一番最近のペドロ・ムニョス戦はトップ10ファイターで、ケージの中での経験値、知識と僕よりずっと多い選手との試合だった。僕もこれまでやってきたことを全てぶつけて、自分がもっと上で戦えることを証明しようと思っていた。勝っても、負けても、そこで見つかった課題をしっかりと克服してきたから、今回の試合で成長したところを見せたいと思う」
──ペドロとの試合はカーフを蹴り、良いパンチも入れていました。ただ左を被弾してダウンしてから、試合の流れが変わりました。
「あの試合でどうやってプレッシャーを止めるのか。違うやり方があることを学んだ。だからこそ、アラテンヘイリというパンチ力があってレスリングも強い相手に、その成果を発揮できるんじゃないかと期待している。オクタゴンを共有する対戦相手のことは、誰だって尊敬しているけど、自分の存在を証明する試合にしたいと思っている」
──日本の空手マスターが、クリスは移動してパワーを創るのでなくて、止まった状態でエネルギーを養成できると指摘していました。そういう選手はUFCでも稀だと。
「いや、全ての力は身の内から興すモノだろう。ただ、その言葉には感謝している。土曜日も、この体の中で養成したパワーで戦うよ」
──ところで今、中国のMMA界の発展はすさまじいです。経済力があり、人口も多く、上海にはUFC PIもあります。クリスは中国人ファイターの成長をどのように感じていますか。
「中国のMMAはもの凄いことになっているよ。だからこそ、中国で戦ってみたいんだ。そして中国の文化に浸ってみたいと思っている。いつの日か実現させたいね」
──そのような背景があって、アラテンヘイリというファイターが存在していますが、クリスはどのように戦いたいと思っていますか。
「僕の過去の対戦相手は、アラテンヘイリが戦ってきた相手よりレベルが高かった。そんな相手にも僕は勝っている。試合の度に成長しているとも思っている。前回の試合──ペドロ・ムニョスとのファイトで、僕は負けたけど……あの敗北は必然。いや、あの試合で僕は負けないといけなかったんだ」
──えっ? どういうことですか。
「7連勝をしていて、僕はきっと自信過剰になっていた。調子に乗っていたんだよ。あの試合で負けたことで、また原点に戻ることができた。自分にはまだまだ学ぶことがあって、前回の試合で見えた穴を埋める練習を懸命にやってきた。この気持ちを思い出させるためには、あの敗北が必要だったと思っている。あの経験を経て、今の僕が何をできるのか皆に披露したい」
──再びトップ10ファイターと戦うために、非常に大切なファイトとなります。ここで披露したいモノとは何でしょうか。
「成長したところを見せたい。キャリア的には少しステップバックになったけど、色々と学ぶことができた。自分を一度バラバラにして、創りなおしてきたんだ。そのうえでファンの皆が楽しめるエキサイティングな試合にしたい。
この試合は僕だけでない、アラテンヘイリにとっても自己証明の場だと分かっている。今日、マルケルが見せたように自分の存在価値をぶつけ合うような試合だ。コンテンダーシリーズのような戦いは僕にも経験がある。それに勝者と敗者の明暗が明白になる経験もしてきた。土曜日もそういう試合になる。そして僕がアラテンヘイリを料理するよ」
──クリス、今日はありがとうございました。最後に日本のMMAファンにメッセージをお願いします。
「僕に話を聞いてくれて、この声を日本のファンに届けてくれることを感謝しているよ。僕は日本と中国のカルチャーに凄く興味を持っているんだ。試合だから、勝つか負けるか分からない。でも僕とアラテンヘイリの試合を心から楽しんでほしい」
■視聴方法(予定)
10月15日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT
■UFN230対戦カード
<フェザー級/5分5R>
ソディック・ユースウ(米国)
エジソン・バルボーサ(ブラジル)
<女子フライ級/5分3R>
ジェニファー・マイア(ブラジル)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
エイドリアン・ヤネツ(米国)
<ミドル級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
アンドレ・ペトロスキー(米国)
<130ポンド契約/5分3R>
エドガー・チャイレス(メキシコ)
ダニエル・ラセルダ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
クリスチャン・ロドリゲス(米国)
キャメロン・サーイマン(南アフリア)
<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
TJ・ブラウン(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
タイナラ・リスボア(ブラジル)
ハヴェナ・オリヴェイラ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
テランス・マッキニー(米国)
ブレンドン・マロッティ(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
イリナ・アレクシーワ(ロシア)
メリッサ・ディクソン(英国)
<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
アラテンヘイリ(中国)
<女子ストロー級/5分3R>
アシュリー・ヨーダ―(米国)
エミリー・ダコーテ(米国)