【UFN277】38歳のUFCデビュー、パンダ=シィォン・ヂィンナン「夢を追い続けたいと思った」
【写真】27日のオープンワークアウトで、ジアニ・スッパの持つミットに渾身の力を込めてパンチを打ち込むヂィンナン (C)MMAPLANET
30日(土・現地時間)、マカオはコタイのギャラクシー・アリーナで開催されるUFN277「Song vs Figueiredo」で、シィォン・ヂィンナンがUFCデビュー戦をアンジェラ・ヒルと戦う。
Text by Manabu Takashima
7年以上に渡りONE世界女子ストロー級王者に君臨し、パンダの愛称で親しまれていたヂィンナンが38歳にして世界最高峰にデビューする。ホームといっても過言でないマカオでのUFC初戦は、プレリミの第3試合。それでもメインファイト出場選手に交じり、オープンワークアウトにも名前を連ねていた――世界頂点を目指す、アジアの女王に話を訊いた。
私はONEで素晴らしい時間を過ごしてきた
――パンダをUFCでインタビューする日が来るとは思ってもいませんでした。
「(※通訳に)ONE時代には何度も取材してもらっていて。特に東京大会でアンジェラ・リーと戦った後でインタビューしてもらったけど、もうあれから6年も経ったのね(笑)。こうして、また会うことが出来て私も嬉しいわ」
――ONE世界女子ストロー級王者に7年以上も君臨していたパンダですが、いつ頃からUFCで戦いたいという風に思うようになっていたのですか。
「いつ頃からという話になると、それはキャリアの最初からになるわ。でもONEからオファーがあり、ONEでキャリアを積むことを決めて。ONEでは素晴らしい時間を過ごすことができたわ。でも、メディアに話せない色々なことあって……。そんな時に決してもう若くないけど、夢を追い続けたいと思ったの。キャリアの初めに目指していたUFCで、トップになりたいって」
――30歳以上の選手の契約が難しいUFCにあって、38歳でサインできたことに関して、素直にどのような気持ちですか。
「UFCと契約するには歳を取り過ぎていることは、誰よりも理解していたので、このチャンスを与えられ本当に嬉しい。この気持ちを表すには、感謝以外の言葉は見つからないわ。だからこそ、パフォーマンスでUFCと応援してくれるファンに恩返しをしたいと思っている」
――去年の3月以来、14カ月ぶりの実戦復帰になります。おそらくはマッチング期間があり、すぐに戦うことはできなかったと思います。正直なところ37歳から38歳にかけて、マッチング期間で試合ができないことに不安はなかったですか。
「さっきも話したけど私はONEで素晴らしい時間を過ごしてきた。だからONEのことを悪くは言いたくない。それでもマッチングの期間中は、少しは焦りを感じていたわ。ただ良い意味で歳を重ね、精神的にも成長できたので若い頃のように闇雲に焦るようなことはなかったわ。そんな風にならずに、マッチング期間を使って自分を磨き、チャンスがあったら必ず手にしようという風に考えていたから」
――EVOLVE MMA後、パンダはどこを拠点にしてきたのですか。
「EVOLVEでもONEと同じように良い時間を過ごしたけど、選手が少なくなって。最後の方はトレーニング・パートナーがいない状態だったの。スタンプ・フェアテックス戦が決まった時(※スタンプのヒザの負傷でキャンセルされた)にも、トレーニング・パートナーがいなくて、新しいチームを探さないといけないって本気で考えるようになった。
そして2年半ほど前に、ジアニ・スッパがバリ島で開いたTHE BLOCKに合流したの。以来、バリに生活拠点も移したわ」
――UFCデビュー戦の地が、中国のファンも多く訪れるマカオ大会になったことをどのように感じていますか。
「凄く嬉しいけど、しっかりと落ち着くことができているわ。それほど緊張もしていないし。逆に周囲の人たちの方がエキサイトしていて、そのなかで私一人がクールでいるみたいな感じで(笑)。試合が始まると、もっとワクワクするような気がするわ。今は凄く集中している感じね」
3試合ないし4試合でUFC世界ストロー級王者になりたいと思っている
――水抜き減量で115ポンド、体調はいかがですか。
「私としては水抜き禁止より、水抜き有りの方が体調が良く感じているわ。ただONEの時も、そこまで深く考えずに減量をしていて……。とにかく今は凄く体調が良くて。もう過去の話だけど、ONEのアトム級でハイドレーション有りの計量の方が、体への影響は大きかったと思う」
――UFC初戦の相手が苗字は違いますが、またアンジェラかと(笑)。
「……。実はアンジェラとは個人的には会ったことはなかったけど、インスタでフォローをしあっているから、コーチは心配しているようで……」
――何を心配しているのですか。
「私は知り合いと戦うと、本気で殴れないって」
――そんなことがあるのですか!! ところでUFC女子ストロー級にはジャン・ウェイリ、そしてイェン・シャオナンという中国人選手がトップ戦線で活躍しています。彼女たちに負けないという気持ちをどれだけ持っていますか。
「彼女たちに負けたくないとか、そんな風に強く思うことはないわ。もう一人前の大人になったから、彼女たちと同じUFCというプラットフォームで戦えることがモチベーションになっているだけで。ウェイリやシャオナンと比較されるより、中国を代表して戦うので……チャンピオンになって、やっぱり中国のファイターは強いと思われたい。そのために頑張るつもりでいるから。一番大切なことは、これからも成長して、強いファイターになることだから」
――目指すはベルトだと思いますが、何試合でタイトルショットに辿り着きたいと考えていますか。
「本来は目の前にある試合に集中するだけなんでしょうけど、やっぱりUFCの皆やファンにも認められたいし、チャンピオンになりたいという気持ちは欠かせないと思う。いつまでに王座に挑戦するというタイムラインは設定していないけど、これから3試合ないし4試合でUFC世界ストロー級王者になりたいと思っている。もう、時間も限られているので、チャンピオンになれるよう思い切り自分をプッシュし続けるわ」
――その一歩としてアンジェラ・ヒル戦、勝利は絶対。さらに大きなインパクトを残す必要があると思います。
「狙うのはKO勝ち、フィニッシュ勝利ね。でもアスリートとして、対戦相手に大きなケガは負わせたくない。そこはいつも考えるところで」
――!! そんな風に思っているのですね。その心理、掘り下げて話を聞かせてほしいのですが、時間になってしまいました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
「日本のファンに対しても、私の気持ちを表すには感謝という言葉しかなくて。日本で試合をした時、ホテルの外で私のことを4時間も待ってギフトを渡してくれたファンがいて。あの時の気持ちは、私は忘れたことはない。日本のファンにも絶対に恩返しがしたいから、今回の試合で最高のパフォーマンスを見てらえるようベストを尽くすだけ。いつも、本当にサポートをありがとう」
■視聴方法(予定)
5月30日(土・日本時間)
午後5時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時30分~U-NEXT
■UFN277計量結果

































