【WSOF28】不可解判定、スプリット判定負けにヴァリエフ陣営、茫然。モラエス×ヴァリエフ戦消える……
<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.27-30
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
10勝1敗のロシアン=ヴァリエフと、8勝1敗1分のグティエレス。次期バンタム級挑戦者決定戦と目される一戦。オーソの構えで左ハイをまず見せてグティエレスは、スイッチを織り交ぜて戦う。互いに間合いを測り、サークリングを駆使するなかグティエレスの後ろ回し蹴りは届かない。ヴァリエフはワンツーから蹴りをかわされた直後にダブルレッグでテイクダウンへ。グティエレスがギロチンを仕掛け、同体でスタンドに戻る。
ヴァリエフの首投げを潰し、後方から蹴りを狙ったグティエレス。バンタム級ながら重厚感のある攻防が繰り広げられる。ヴァリエフはスピイングバックフィストを空振りするも、続くグティエレスの前進にフックを合わせる。グティエレスは負けじと左ハイを狙い、直後のテイクダウン狙いを防御する。ヴァリエフが重い右ローを蹴り込み、最後のコンタクトを自ら攻撃で終えた。
ヴァリエフが左ハイに続く右ローを当てて2Rがスタート。そのヴァリエフのハイが掠めたが、グディエレスが左目を気に掛ける。グティエレスの右ミドルとヴァリエフの後ろ回し蹴りが交錯。グティエレスの左ヒザをキャッチしたヴァリエフが左手で肩を押し込んで尻餅をつかせる。ケージを背にした立ち上がったグティエレスだが、ここでも低く沈み込んだヴァリエフが巧みにテイクダウンに成功する。
ついに背中をマットにつけたグティエレスにヴァリエフが勢いのあるパウンドを連打。右エルボーを連続で落としたヴァリエフはグティエレスの腕十字狙いを担いでパス、サイドから抑え込む。グティエレスはハーフからフルガードに戻すも、またも左右の勢いのついたエルボーを顔面に被弾する。ヴァリエフは左足を抜き、足を戻されるところでエルボーを入れ、明確にこのラウンドを取った。
最終回、互いに細かいステップを踏み、フェイントを交えて主導権を握ろうとするなか、ヴァリエフがプレッシャーを強める。右オーバーハンド、続く右ハイも空振りしたが前に出るのはヴァリエフだ。グティエレスはヒザを見せるも、接近戦を避けるべく即バックステップ。追いかけたヴァリエフが右ローを2発入れる。右が交錯すると、これに打ち勝ったのはグティエレス。ヴァリエフは勢いを増して、跳び蹴り、左フック、右ローをガムシャラに狙う。
特にローが待っているため、グティエレスは踏み込めない。残り1分を切っても前に出られないグティエレスに対し、ヴァリエフは後ろ回し蹴り。しかし、終了15秒前にグティエレスの右に足を滑らせて尻餅をついてしまう。すぐに立ち上がってテイクダウン狙いで試合を締めくくったヴァリエフだが、何とジャッジの裁定はスプリットでグティエレスに凱歌が挙がった……。茫然自失のヴァリエフ陣営、WSOFはマルロン・モラエスの強敵になりそうなタイトル・コンテンダーをこの不可解な裁定で失った。