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【Shooto2021#05】SASUKEとフェザー級王座決定戦、工藤諒司─01─「修斗のベルトを巻いてONE」

【写真】欠点を克服するだけでなく、逆の戦い方ができるようになってきたという工藤 (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5のメインイベントで、空位の修斗世界フェザー級王座を、SASUKEと工藤諒司が争う。

工藤は2019年10月から、ONE Championshipの人材育成大会といえるONE Warrior Seriesに参戦し、2勝を収めた。しかし、コロナ禍もあってウォリアーズ・シリーズは中断に。

Road to ONE02でKO勝ちしたものの、工藤のONE本戦出場への道は絶たれた形となっている。この間に工藤の中で大きな変化があった──ウォリアーズ・シリーズから修斗公式戦への復帰まで、そんな工藤の変化について訊いた。


──SASUKE選手との世界フェザー級王座決定戦に挑む、工藤諒司選手です。これが2021年初の試合となりますが、2020年はコロナ禍の中、4試合を経験しました。

「コロナ禍のなかで4試合というのは、多いですよね。それまでと変わらないペースで試合ができて、恵まれていると思います。ありがたいです」

──しかも、現在3連続KO中です。

「特にKOを狙って試合をしているわけではないのですが、試合の流れの中でそうなっています。試合のスタイルは変わってはいないので」

──ご自身の中で、何か変わったところはないのでしょうか。

「う~ん……最近の試合では、チャンスになったら一気に攻めていけるようになった、という点でしょうか。それも試合の流れを見ながら、と言いますか」

──前戦では、一度破れている山本健斗デリカット選手をKOしています。1試合目の敗戦と比べて、何か違ったところはありますか。

「はい。前回負けた時から今までの間に、自分は変わったと思います。2018年の初戦では、打撃で自分の力に流されてしまっていたんです」

──自分の力に流されてしまった、とは?

「パンチを出した時に、体が流れてしまっていました。その隙を突かれるんです」

──なるほど。初戦では、打ち終わりにパンチを当てられていました。

「自分が攻めて行ったところにパンチをもらってフラッシュダウン……それが2度あって判定負けしてしまったんですよね。それから、まず打撃の面を変えていかなきゃいけないと思いました。ジム代表の長南(亮)さんや、トレーナーの堀江(登志幸)さんの指導で、少しずつ変わってきたと思います」

──最近は、相手のパンチを被弾することが少なくなったように思います。

「今は普段の練習でも、いかに相手のパンチをもらわずに自分の打撃を当てるか、ということを意識しています。MMAだと一発で終わることもありますから」

──山本選手との再戦では、まさにその形になりました。

「そうですね。その前の野瀬戦(2020年9月、野瀬翔平に1R KO勝ち)でも、KOを狙っていたわけじゃないけど、自然とパンチが当たりました」

──それまで自分自身が打ち終わりを狙われていたのに、野瀬戦では反対に相手の打ち終わりにパンチを当てて、効かせてからラッシュして倒しています。

「あれは体が勝手に動いたといいますか、あの動きが自然に出るようになったんです。そこは大きく変わったと思います」

──その変化は、どの試合から感じられましたか。

「ONEウォリアーズ・シリーズの初戦だった、ジェリー・オルシムとの試合ですね(2019年10月、判定勝ち)」」

──そうだったのですか。オルシム戦と、続くイ・ミンヒョク戦では倒しきれず判定決着でした。

「実は、オルシム戦は試合の2週間前に怪我をしてしまって、まともな練習ができなかったんです。ぶっつけ本番のような状態で、スタミナ面も心配だったので、慎重になりました。あの練習量に対して、あの試合内容は満足しています。次のイ・ミンヒョク選手は……本当に打たれ強かったですね」

──イ・ミンヒョク戦では序盤の工藤選手のラッシュでレフェリーが試合をストップするかと思いましたが、そこから相手が盛り返してきたのは驚きました。

「すごく良い経験になりました。イ・ミンヒョク戦は海外で試合をさせてもらって、ONEの計量や検査なども体験することができましたから」

──なるほど。ウォリアーズ・シリーズで2勝し、Road to ONEでは野瀬選手にKO勝利を収めたことで、ONEの本戦出場を意識していたのではないでしょうか。

「もちろんONEを意識していました。そろそろ……というところで、コロナ禍もあり、ウォリアーズ・シリーズが再開されなかったんですよね」

──当時の試合後のインタビューで、セコンドの長南さんも「再開は現地次第」と言われていました。結局、再開されずにONEにたどり着くことができなかったことは、どのように捉えていますか。

「悔しかったですね。良いところまで行ったのに……って。でも仕方ないことですし、また修斗に戻って戦うことができるようになったので、修斗のベルトを狙おうと気持ちを切り替えることができました」

──すぐに気持ちを切り替えることができたのでしょうか。

「はい。もともと自分は修斗で戦ってきました。修斗には歴史と伝統がありますし、そのベルトを獲得したら、箔がつきます。修斗のベルトを巻いてからONEに行ったほうが良いと考えたら、すぐに気持ちが切り替わりました」

──工藤選手は、いわゆる「修斗愛」が強いのですね。

「もちろんです。皆さんに、もっと修斗のことを知ってもらいたいです。格闘技ファンだけではなく、格闘技を見始めたばかりの方にも。日本では、RIZINよりも修斗が上だと思っているので」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

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