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【RIZIN LANDMARK11】札幌でSASUKEと激突、ビクター・コレスニック「僕は知名度の割には危険だ」

【写真】RIZINの3勝を含めて現在8連勝中の強豪が戻ってきた(C)MMAPLANET

14日(土)に札幌市南区の真駒内セキスイハイムアイスアリーナにてRIZIN LANDMARK11が開催され、ビクター・コレスニックがSASUKEと対戦する。
Text by Manabu Takashima

昨年4月以来、14カ月振りの来日となるコレスニック。昨年11月に武田光司戦を体調不良でキャンセルしたが、手術が必要な状況で術後は2カ月もベッドでの生活が続いていたという。

それでも回復後は、春先の復帰に向けてタイ&ロシアで調整を続けてきた。「僕は知名度の割には危険だ」と自らのポジションを理解しているコレスニックだけに、自らがSASUKE戦で何をすべきかも分かっていた。


――ビクター、約1カ月後に札幌でSASUKE選手と昨年4月以来のファイトを行います(※取材は5月17日に行われた)。再び日本で戦うことにどのような気持ちでいますか。

「去年の11月に手術をして、3カ月間トレーニングすらできない状態だった。ただ、自分はプロとして多くの経験も積んでいるし、その影響はそれほど大きくはない。この間も多くの日本のファンから、SNSに連絡が来ていた。『いつ、カムバックするのですか』と尋ねられ、『すぐに』としか返答できなかったけど、ついに今回の試合が正式発表された。試合当日が待ちきれない」

──手術をしたと言われた件ですが、去年の11月に予定されていた武田光司選手との試合を感染症で欠場という発表がありました、これはブドウ球菌感染症だったのでしょうか。

「それが感染症ではなくて、腰椎というのか背骨の下の方が骨欠損だったんだ。1000人に1人にだけ見られるという凄く珍しい症例で。試合前から体調はあまり良くなくて、それでも試合に向けて準備を進めていた。試合まで1カ月になった時に、ドクターから減量をするとより症状は酷くなると言われてしまったんだ」

──ハイ……。

「試合直前に欠場するようなことがあれば、RIZINにも対戦相手にも大きな迷惑をかけることになる。だから、すぐにマネージャーに相談した。そして欠場を決め、タイからロシアに飛んですぐに緊急手術を行ったんだ。あのまま試合をしていると、決定的なダメージを受けていたはずだ。さっきも言ったように手術をしてから、3カ月間トレーニングはもちろん、体を動かすこともできなかったけどね。

2カ月間、ベッドに横になりっぱなしで。5階に住んでいるんだけど、アパートの外に出ることもできなかった。手術から75日後、ジムに初めて行って上半身だけワークアウトを始めたんだよ」

──3カ月トレーニングができなかったわけですが、その後のフィジカル面の回復にも時間が掛ったのではないでしょうか。

「そこは問題ない。3月か4月に試合をしたいと思って、回復後はすぐにタイに行って6週間のキャンプを行った。その時点で、体調は100パーセント回復していたよ。そこから試合が6月になり、ロシアに戻って5週間のファイトキャンプを実施した。今はまたタイにやってきて、最後の1カ月の調整を行う。素晴らしい練習ができていて、順調に仕上がっている」

──3月には試合をしたかったということですが、6月に試合がずれ込んだのは?

「理由は分からない。ファンやマネージャーからしか、情報は入ってこないから。ただファンからは日本人選手は、僕と試合をしたがらないというメッセージがあった。それはマネージャーの説明と同じだったよ」

──……。

「ちょっと、理解ができないことなんだけど……。僕は知名度が高くないし、メディアに大きく扱われることがない。その割には危険な相手だからだろう。皆、僕と戦うリスクをおかしたくない。だから僕はタケダと戦いたいと思っていた。彼は一度、僕との試合を受けていたから。とはいっても、もう6月に試合ができると決まった。素晴らしいことだよ。とにかく、全力で戦うだけだ」

──押忍。ビクターのロングレイオフの間、RIZINフェザー級王者は鈴木千裕選手からクレベル・コイケ選手、そしてラジャブアリ・シェイドゥラエフと変わりました。タイトル戦線の変化をどのように捉えていますか。

「それだけチャンピオンが変わるということは、RIZINフェザー級がどれだけ活発なのかという証明になる。これだけハイレベルなファイターが揃っていて、世界でもベストの階級の一つといえるだろう。タイトル戦線が活発なことにエキサイトしているけど、今はとにかくSASUKE戦に集中している。この試合で勝利してから、次のステップのことは話すようにするよ」

──ところでRIZINフェザー級戦線で戦うシェイドゥラエフ、カルシャガ・ダウトベック、イルホム・ノジモフらもタイガームエタイやプーケットで練習をしています。彼らとはどのような関係なのでしょうか。

「タイガームエタイは大きなジムで、それだけ強豪選手が多い。なかでもノジモフとはずっと長い間一緒に練習してきた仲なんだよ。同じ大会で試合をするときは、互いにサポートしあって準備をした。マネージャーも同じだ。僕はノジモフとは試合をしたくはない。長い付き合いの友人だから。

カルシャガは階級を下げると聞いている。ベルトが欲しているから、そう決めたんだと思う。彼とは顔を合わすこともあるけど、スパーリングをしたことはない。そうことは多いよ。チヒロだって、僕が彼のチームメイトであるリョウ・タカギと試合をする前にタイガームエタイにやってきていた。場所をシェアすることぐらい、何も問題ない。RIZINフェザー級は、それだけファイターが揃っているのだから」

──では対戦相手のSASUKE選手の印象を教えてください。

「彼のRoad to UFCでの試合をチェックした。SASUKEにとって今回がRIZINデビュー戦になる。確かに修斗のチャンピオンだけど、RIZINはレベルが違う。団体の規模も違うしね。僕との試合の後、SASUKEはこの試合のことが忘れられなくなるか、忘れようと懸命になるのか。そのどちらかになるだろう(笑)。

──SASUKE選手にインタビューを行ったところ、「コレスニックが相手だから戦うことにした。タフな相手と試合がしたかったから」と言っていました。

「国際戦を戦いたかったのか。RIZINはタフで、僕もタフだ。SASUKEの願いが叶うわけだな。それは良かった」

──そんなSASUKE戦、どのような試合がしたいと思っていますか。

「フィニッシュする。いや、ただフィニッシュするのではなくて皆の印象の残るような素晴らしい勝ち方をしたい。ファンはドラマチックな試合を求めている。その期待に応えつつ、SASUKEが血みどろになるような激しい試合をしたいと思う」

■視聴方法(予定)
6月14日(土)
午後12時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■RIZIN LANDMARK11 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
木村柊也(日本)

<ライト級/5分3R>
堀江圭功(日本)
西川大和(日本)

<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
SASUKE(日本)

<RIZINワールドGPヘビー級T一回戦/5分3R>
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
プリンス・アウンアラー(フランス)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
CORO(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
鹿志村仁之介(日本)

<52.5キロ契約/5分3R>
ソルト(日本)
万智(日本)

<バンタム級/5分3R>
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)
安藤達也(日本)

<フェザー級/5分3R>
イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン)
新居すぐる(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シナ・カリミアン(イラン)
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
山本空良(日本)
鈴木博昭(日本)

<フェザー級/5分3R>
遠藤来生(日本)
ザーシバーディン(中国)

<キック 61キロ契約/3分3R>
上野奏貴(日本)
山川賢誠(日本)

<キック 64キロ契約/3分3R>
上野空大(日本)
ファーパヤップ・GRABS(タイ)

<キック 55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
鵜澤悠也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
成田佑希(日本)
能登崇(日本)

<フライ級/5分2R>
鈴木嵐士(日本)
早坂優瑠(日本)

<バンタム級/5分2R>
小林大希(日本)
森永ユキト(日本)

<キック 52.5キロ契約/3分3R>
西島恭平(日本)
林修斗(日本)

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