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【MGL-1FC22】同胞オドスレンとバンタム級王座決定戦。シンバートル「可能な限り強い相手と」

【写真】22歳で、この貫禄。いやぁ……青春の門の筑豊炭田のシーンで描かれた人たちのようだ…… (C)BATNASAN/SHANDAS MMA

14日(土・現地時間)にモンゴルはウランバートルASAアリーナで、MGL-1 FC22が開催されシンバートル・バットエルデネが、シャグダル・オドスレンとGL-1 FCバンタム級王座決定戦に臨む。
Text by Manabu Takashima

昨年10月のBreakthrough Combat旗揚げ戦では、キャリア2戦目ながら吉野光を破るというアップセットを起こした。続いて今年の1月に吉田開威とGladiator暫定バンタム級王座に挑むも、計量失敗で一本勝ちもベルトを巻くことはできなかった。

勝利して沈痛な表情を浮かべ、イベント終了後の記念撮影も当初は固辞するなど計量失敗を深く受け止めていたシンバートルが、母国で同胞とタイトルマッチに挑む。今の心境とこれからについて尋ねた。


――シンバートル、今週末にMGL-1FCバンタム級王座を賭けてシャグダル・オドスレンと戦います。今の気持ちを教えてください。

「MGL-1のベルトを賭けて戦うことにワクワクしています。タイトルを取るために、ハードトレーニングを積んできました」

――1月のGLADIATORでは体重を落とせず暫定王座を取ることはできませんでしたが、パフォーマンスは圧巻でした。

「全ては自分の責任です。自分のミスで、タイトルマッチを用意してくれた人々に迷惑をかけてしまいました。もう2度あんな失敗をしないと心に誓いました。もちろん、今回の試合もそうですし、未来永劫に計量の失敗はしないようにします」

――そのグラジのバンタム級戦線ですが昨日、南友之輔選手がパク・ソンジョン選手を破り新王者になりました(取材は9日に行われた)。そのタイトル戦、シンバートル選手にもオファーがあったと思いますが、MGL-1FCを優先したのは?

「Gladiatorから再びタイトル戦の話をもらったことは、本当に嬉しかったです。そして戦いたかったです。ただ今回はMGL-1FCのタイトル戦を優先しました。それはMGL-1FCではずっとバンタム級王座が制定されていなかったからです。モンゴルには10年近く、自分の階級の王者がいなかった。そこに今回のタイトル戦の話がありました。凄く光栄なことです。

チーム・トンガー(シャンダスMMA)代表としてMGL-1FCのバンタム級チャンピオンになることで、自分がモンゴルでナンバーワンのバンタム級ファイターであることを証明したいです。それに海外で試合をするときに母国で一番のファイターという称号は大きな武器になるので、今回はGladiatorでなくMGL-1FCのベルトを狙うことにしました。もちろん、MGL-1FCでタイトルを取ると次はGladiatorのベルトを狙います」

――MGL-1FCはモンゴルMMAの歴史でも非常に大切なイベントですが、その大会のメインイベントで戦うことに関してはどのような想いでいますか。

「本当にワクワクしています。凄く大切な試合であることは理解しているので、それだけ責任もあります」

――我々は日本での2試合でシンバートルの強さは理解できています。その一方で対戦相手のオドスレンのことは分からないです。どのような選手なのでしょうか。

「ONE TEAM所属で、経験が豊かなファイターです。年齢も自分より上で。そんな感じでしょうか」

※MGL-1FCマッチメイカーにシャグダル・オドスレンについて尋ねると、「警察学校で格闘術を指導していて、ウラジオストックにあるロシアのローカルプロモーションIPFC(International Professional Fighting Championship)のバンタム級チャンピオン。レコードは5勝0敗。パンチはスピードがあり、テイクダウンディフェンスに長けている。スムーズなストライカー」という返答があった。

――今回の試合に向けて1月から、どの点が最も成長したと思いますか。

「全てです。MMAに必要な局面、全てで成長できています。それを試合で証明します」

――この試合後、これからに関してはどのような青写真を描いていますか。

「MMAを始めた時から、目標は一つだけでした。世界のトップで戦う。つまりUFCで戦うことです。そしてUFCチャンピオンになる。その目標は一切変わっていないです。そのために勝利を重ねる必要があります。まずは来年のRoad to UFCで戦いたいと思っています」

――では6戦以上の実戦経験が必要になり、今回のタイトル戦で5戦目。最低でももう1試合は戦う必要がありますね。

「さきほども言いましたがMGL-1FCのベルトを取り、次はGladiatorのベルトを狙います。その機会が得られるなら、喜んで試合をします」

――新チャンピオンの南選手もUFCでチャンピオンになるために強い選手と戦いたいと公言しています。

「それは嬉しいです。タフな試合を彼としたいと思います」

――それだけリスクの高い試合になるかと思いますが……。

「タフな相手と戦わないと意味がないです。チャンピオンにただなるだけでなく、強い選手と戦ってベルトを巻くことに意味があると思っています。自分のゴールに近づくには、ただレコードを伸ばすだけでなく、内容が伴った試合が必要です。そのために可能な限り強い相手と戦っていたいです。そういう試合だからこそ自分の強さ、そして巧さを証明できることになるので」

――標高1350メートルの地での試合は、タフさが増しそうです。

「海抜1300メートルの戦いは、空気も薄く大変です。ただ、そういう環境で自分は生まれ育ちました。それなので東京や大阪で見せることができたのと同じようなパフォーマンスをウランバートルでも見せることができるはずです。

今回の試合はMGL-1FCのYouTubeで日本のファンも視聴できるので、ぜひとも自分の試合を視て欲しいと思っています」


■視聴方法(予定)
6月14日(土)
午後7時00分~MGL-1FCオフィシャルYouTubeチャンネル

■ MGL-1FC対戦カード

<MGL-1 FCバンタム級王座決定戦/5分3R>
シンバートル・バットエルデネ(モンゴル)
シャグダル・オドスレン(モンゴル)

<フェザー級/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
カイオ・バチスタ・ダ・コンセイサオン(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
フレルバートル・トゥルバヤル(モンゴル)
エマニュエル・イスエクペ(ナイジェリア)

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ホルドバートル(モンゴル)
カイザール・ジャウガシャール(カザフスタン)

<フェザー級/5分3R>
エルデネバートル・ガンゾリグ(モンゴル)
パク・サンヒョン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ソドノムドルジ・プレブドルジ(モンゴル)
イエルジャン・アリアスカル(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
エンフトルガ・ガンボルド(モンゴル)
チハヤフル・ヅッキーニョス(日本)

<フライ級/5分3R>
ツェンドスレン・バトイレードゥイ(モンゴル)
バトスフ・モゥン

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