【Bellator254】ピョートル・ヤンと1勝1敗、元最恐ロシア・バンタム級四強=マゴメド・マゴメドフが初陣
【写真】あの頃の強さを維持できているなら、ベラトール・バンタム級も世界のベルトはロシア人の持ち物になる可能性は決して低くない (C) ACA
10日(木・現地時間)にコネチカット州アンカスビルのFightsphere=モヒガンサン・アリーナで2020年のベラトール最終イベント=Bellator254「Macfarlane vs Velasquez」が開催される。
メインはイベント名にあるようにBellator世界女子フライ級王者イリマレイ・マクファーレンが、ジュリアナ・ヴェラスケスの挑戦を受ける一戦が用意されている。キャリア11連勝のチャンピオンにとって5度目の王座防衛戦で、ヴェラスケスはキャリア10勝0敗──ベラトールでも5連勝で挑戦権を獲得した。
米国におけるベラトールの1年の掉尾を飾るイベントは、過去2年はハワイTwo daysという流れであったが、パンデミック以降の北米での大会開催は全てがファイト・スフィアでハワイ大会も見送られた。それでも、1年の締めに登場するのはハワイ出身のワールドチャンピオンであるマクファーレンということになる。
そんな2020年最終イベントにロシアからマゴマド・マゴメドフがベラトール初戦をマテウス・マトスを相手に迎える。元ACBバンタム級チャンピオンのマゴメドフは2016年3月に現UFC世界バンタム級王者ピョートル・ヤンと同級王座決定戦を行いベルトを獲得。2017年4月にヤンにリベンジを許した試合が、キャリア唯一の敗北だ。
つまり世界最強の男と1勝1敗、さらにはオレッグ・ボリソフにはギロチンで一本勝ちしており──ヤン、ボリソフ、ルスタン・カリモフらとACB地獄のバンタム級四強時代を形成していた。
その後ACA王者となったカリモフと並び、長きに渡りUFCとの契約が濃厚と思われていたが、マゴメドフはベラトールに舵を切ったことになる。オーソ機軸のスイッチヒッター、強烈な右オーバーハンド、切れのある右ミドル、レスリングも攻防共に強く、そこにダーティボクシングを融合させている。加えてタップを奪えるアームイン・ギロチンと、ロシアの猛者らしく穴がないマゴメドフだが、丸1年ぶりのファイトと初めて米国で戦うという2点は気掛かりだ。
特にロシア四強時代2年で6試合をこなしているが、それからの3年では3試合しか戦っていない。コンディション的に、どこまで仕上げられているのか。かつてのキレをマゴメドフが持ち続けているなら、バンタム級政権を握ったばかりのフアン・アルチュレタに対して、強烈な政敵が現れることになる。