【Just Curious 2025~2026】夜叉坊との激闘を制した宮口龍鳳、RTUについて「選ばれる自信と、勝つ自信」
【写真】コブラ会の一般クラスをバックに。大阪から世界へ飛び出すか(C)SHOJIRO KAMEIKE
2025年を終え2026年を迎えたタイミングで、MMAPLANET執筆陣が昨年の格闘技シーンにおいて、気になった出来事が今年にどうつながっていくのか――を想い巡らせるシリーズ「Just Curious 2025~2026」。ここでは大阪MMAに関するコラムで触れた宮口龍鳳選手のインタビューをお届けします。
Text by Shojiro Kameike
プロデビューから6連続KO勝利を収めた宮口にとって、昨年11月の石原夜叉坊戦はひとつの正念場となった。結果はダウン応酬の激闘の末に判定勝ち。かねてよりRoad to UFC 2026年シーズンにバンタム級で出場を希望していた宮口だが、その後RTU出場の行方は――。レミノ修斗でバンタム級サバイバートーナメントの開催も発表されるなか、宮口に訊いた(※取材は1月15日に行われた)。
夜叉坊戦はKOよりも価値のある勝ち方ができたと思っています
――大激闘となった夜叉坊戦の反響はいかがですか。
「反響は……良いですね(笑)。試合映像もすぐYouTubeにアップされて、皆も観てくれて『凄いな』と言ってくれていました」
――それは何よりです。試合前のインタビューでは「夜叉坊選手のほうから組みに来る可能性もある」と言っていました。実際の試合でもスプロールしたあとアナコンダで捕らえたり、潜ってくる相手を潰すという展開は想定どおりだったのですか。
「いや、全然想定していなかったです。ただアナコンダに関しては結構得意な技で、自然に出ました」
――そうだったのですね。これまでの試合で宮口選手がアナコンダを狙うシーンを見たことがなかったので、意外です。
「まずあの展開になることがなかったですからね。自分がずっとがぶり続けるというのはなくて。がぶってからアナコンダを狙う練習は、ずっとやっています。だけど夜叉坊さんはメッチャ体が柔らかかったんですよ。アナコンダの形に入っても、すぐにスルッと抜けていくような感じで、ビックリしました。あれだけ柔らかく逃れる方法を習いたいです」
――確かに。とはいえストライカーである宮口選手にとって、あのアナコンダあればスタンドで、より得意の打撃を出しやすいように感じます。
「はい。だから夜叉坊さんとの試合は、自分にとっても本当に良い経験になりました。ちゃんとグラウンドの展開もあり、初めて3Rを戦うこともできて」
――初回に右ハイを当てて、そのまま勝負を決めに行くのかと思いました。
「あの右ハイは、頭にかすったような感じでしたね。動画を視返しても分かりますし、試合でも蹴ったほうとして綺麗に当たっていないことは分かっていました。自分の蹴りが上のほうに行きすぎていたんですよ(苦笑)」
――自身としては急所を狙っていながら、考えているよりも上のほうを蹴ってしまうのですか。
「そうなんですよ。練習でもよく上のほうを蹴っていて。自分は昔から、メチャクチャ足が上がるんです。それで相手の頭の上をスッと……、アハハハ」
――ということは夜叉坊戦でも最後までクリティカルなヒットはなかった?
「最後の最後、残り10秒で打った右ハイは結構入っていました。でも夜叉坊さん、タフすぎますよ(苦笑)。三日月蹴りも2~3発、しっかり入っていたのに効いていない感じがありましたね。たまにウッとなってはいましたけど」
――1~2Rは宮口選手の打撃で、夜叉坊選手も削られていました。しかし最終回、あの展開で夜叉坊選手が左を当ててダウンを奪うとは……。
「皆『ビックリした!』と言っていましたね。自分は正直、ダウンしたことは覚えていないんです。基本的にアドレナリンのせいか、それだけ集中しているのか試合中のことは覚えていないけど、あの試合で特にダウン以降のことは記憶になくて。試合映像を視ると、ダウンしてからも打ち合っているので良かったです。
まぁ、あれはもう本能じゃないですか(笑)。あの試合は、始まる前からゾーンに入っていて。それが良かったと思います」
――ダウンを喫したあとに打ち合っていなければ、そのまま夜叉坊選手の勢いに飲まれていたかもしれません。
「飲まれていたと思います。夜叉坊さんもダメージがあったからか、ダウンを奪ったあとの追撃も少し遅かったじゃないですか。あそこで夜叉坊さんが元気だったら、そのままパウンドからグラウンドになっていたかもしれないです。危なかったですね」
――記憶があるかどうか分かりませんが、3Rが終わったあとに判定はどうなると思っていましたか。
「それこそ試合中の記憶がなかったけど、減点があったことだけは覚えていて。減点があるから、どうなるんかな……とは考えていました。結果はポイントも開いていてよかったです」
――これまでプロの試合で判定決着になったことがないだけに、不安も大きかったのではないですか。
「アハハハ、そうなんですよね。だから分からなかったんです。ダウンもありましたしね。こういう試合はどうジャッジされるんやろう、って。それで言えば、KOは狙っていましたけど、KOよりも価値のある勝ち方ができたと思っています」
サバイバートーナメントにも興味はありますよ。でも自分は――
――激闘の末に判定勝ち。その先に見据えるRoad to UFCの出場については?
「マネージャーを通じて話はしてもらっています。3月か4月には返事が来るかなぁ、と聞いていて。詳しいことはまだ分からないんですけど。そういえばLemino修斗のバンタム級トーナメントも凄いですね」
――ちょうど話を振っていただき、ありがとうございます(笑)。バンタム級サバイバートーナメントの1回戦、残り1試合が空いています。
「アハハハ、自分じゃないですよ。話も来ていないです。自分はRTUを目指していると言っていたからかもしれないですけどね」
――出場することはないとしても、やはり興味はありますか。
「ありますよ。優勝賞金が200万円というのも、良いなぁって思います。あと1試合、誰が出るのか自分も楽しみで」
――対して自分自身のRTU出場について、選ばれる自信はあるのでしょうか。
「自信はあります。負けていないし、KO勝ちが多いし――あと日本ではアカンところも多いけど、海外だと自分のタトゥーも受けるんじゃないかと(笑)」
――アハハハ。たとえば他の日本人選手と自分を比較してみると……。
「修斗の永井(奏多)君、グラジの南(友之輔)選手は確実に来るんじゃないかと思います。DEEPは中務太陽選手が、まだ5戦しかしていないですもんね。グラチャン王者の伊藤(空也)選手は去年出たばかりやし、パンクラスも田嶋選手がチャンピオンになってすぐやから、どうなるか」
――永井選手は、今年はRTU出場を目指さないようです。
「えぇっ!?」
――MMAPLANETの取材に対し、長南亮TRIBE代表が「2026年は力をつける期間に。サバイバートーナメント優勝者の挑戦も受ける」と語っています。
「マジですか。今の時点であんなに強いのに……」
――永井選手の場合は、20歳という年齢も影響しているでしょう。
「あぁ、そうかもしれないですね。自分は今28歳で、RTUを目指すにはもうギリギリの年齢になっています。選手としてサバイバートーナメントにも興味はありますよ。あれだけの選手が集まっているので。でも自分は年齢のこともあって今、RTUを目指します」
――RTUに出場することになった場合のことを考えてアジア圏、あるいは豪州やニュージーランドの選手はチェックしていますか。
「まだチェックはできていないです。でも2025年の出場メンバーを見ても、豪州、韓国、中国も強いですよね」
――2025年シーズンのトーナメントは2月1日に決勝が行われます。これは「たられば」になりますが、今の自分なら昨年のメンバーの中でも勝ち上がることができたと思いますか。
「はい、行けると思っています。2026年はRTUに出場し、優勝してUFCとの契約を勝ち取りたいです」

















