この星の格闘技を追いかける

【Shooto2025#10】宮口龍鳳戦へ、石原“夜叉坊”暉仁「この子はこの道でホンマにやってんねんなって」

【写真】マァジィで、なんばグランド花月に出てきそうな雰囲気の夜叉坊(C)MMAPLANET

22日(土)に大阪市住之江区のGORILLA HALL OSAKAで開催されるShooto2025#10 in OSAKAで、石原夜叉坊改め石原“夜叉坊”暉仁宮口龍鳳と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年末から日本に拠点を置き、修斗で試合を続けてきた夜叉坊。当初はビザの更新のための一時帰国だったが、思わぬトラブル(?)が発生して国内に残る形になった。今回は2023年9月以来、約2年3カ月振りのバンタム級戦でプロ無敗の宮口との対戦となったが、夜叉坊はオファーを受ける前から宮口から感じるものがあったという。

この試合に勝って「僕が思い描いているイメージが実現すれば相当面白い」と語る夜叉坊。その野望を世に明かすためにも、宮口戦の勝利が絶対条件になる。

またリングネームに本名の暉仁(てると)を加えて、石原“夜叉坊”暉仁に改名した理由も訊いた。


まぁ笑えないんですけどね

──昨年末に修斗大阪大会で轟轟選手にKO勝ちし、それからは国内に拠点を置いて活動しているとお伺いしました。どういった理由で海外ではなく、日本で活動することになったのですか。

「何も考えてないっちゃ考えてないですけど、元々(川原)波輝くんの試合に合わせて渡米して、そのまま合宿して、米国から日本に試合をしに来ようかなと思っていたんですよ。そもそも日本に帰ってきた理由がビザの更新で、更新の手続きがなかなか面倒くさかったんですけど、あとは面接したら終わりというところまでいったんですね。ただ面接の予約がホンマに面倒くさくてなかなか進まなかったんです。

それで波輝くんの試合のタイミングでTeam Alpha male Japanのマネージメントで動いている方に予約の手続きをやってもらって、面接の日取りも決まって、あとは面接に行くだけだったんですよ。それで面接当日を迎えて目が覚めたら面接の開始時間やって(笑)」

――ええ!!

「まぁ笑えないんですけどね。で、とりあえず面接の場所まで行くには行ったんですけど、やっぱり会場には入れてもらえんくて、『これ、ヤッベー』と思っていたら、ちょうど波輝くんから連絡が来て。でも面接に寝坊したなんて言われへんわと思って、とりあえず大使館の横に車を止めて3時間くらい寝ました(笑)」

──もちろん寝ても状況は変わらないですよね……?

「はい。ただどうもがいても無駄やから、1回休憩しようと思って眠りにつきましたね(笑)。とりあえず面接の予約の取り直しになったんで、次の試合のいい報告をお土産にもう1回連絡しようと思っています」

──トランプ政権下でビザ発給が厳格化され、留学生が減っているというニュースも出ていますが、そういったものも影響しているのでしょうか。

「いや、どうなんですかね。自分で面接の時間を決めてインターネットで予約するだけやったんですけど、なかなかできなくて。それで1年ぐらいほったらかしにしていて、波輝くんの試合がきっかけで動き出した感じなので。次は面接に遅刻しないようにします(笑)」

──そういったトラブル?がありつつ、昨年から修斗で試合を続けることになりました。それは何か理由があったのですか。

「最初は自分の地元や家族の前でまた戦いたいってところから始まって、修斗でも試合をしたかったので、こうやって修斗で試合が出来て嬉しく思ってます」

──昨年12月の轟轟戦は1RKO勝利、今年5月の青井太一戦では1RKO負けという結果でした。この2試合を振り返ってもらえますか。

「結局普段の生活とか日常生活の表れやと思うんですよ、戦いって。だからそれが試合に現れたのかなと思います。初めてあんなにぶっ飛ばされたんですけど、あんなこともあんねんなと思って、気を引き締めてやってきました」

――今回は約2年ぶりのバンタム級の試合となります。夜叉坊選手としてはバンタム級が一番動きやすい感覚ですか。

「特に気にしたことはないんすけど、僕は通常体重が66キロくらいなんですよ。別にそれで(階級を)落とすという表現になると、落としてるわけでもないねんけどな…ってことなんですけど、もともとフェザー級は減量がなかったです。だからなんやろう? ちゃんと(バンタム級で)やってみようっていう。ずっと試行錯誤っすよね。色々自分の中の調子を探しながら、あるいは試しながらやっている感じっす。あとはもしバンタムでやるとなったら頭の中に彼(宮口龍鳳)のことは浮かんでいたんですよ。もともと彼、誰とやる予定でしたっけ?」

──9月大会で倉本一真選手と対戦予定で、倉本選手の負傷欠場で試合がキャンセルになっています。

「そう、そう。あの試合が中止になった時点で、次は僕に(オファーが)来るなというのはなんとなく分かってたんで。僕が去年轟くんと試合した時、あの試合はフェザー級やったんですけど、いつか彼とはやるやろうなという縁を感じていまいたね」

――今までそのような縁のようなものを感じる相手はいましたか。

「安藤達也かな。Road to UFCでやるとは思ってなかったですけど、いつかやるやろうなとは思ってたし、イケてんな、いい男やなと思って見ていました」

シンプルに僕が勝ったストーリーの方が面白くなるし

──宮口選手のどこにそれを感じたのでしょうか。

「言葉にするのは難しいんですけど、彼の目からそういうものを感じました。この子はこの道でホンマにやってんねんなって、そういうキラキラ感はありましたよね。最初は階級関係なくなんかあるかもなと思っていたら(戦う)場を与えてもらったんで、そこまで繋がったというか。自分の中では腑に落ちてるっスね」

――宮口選手は6戦6勝6KOというパーフェクトレコードの選手です。対戦相手として彼にはどのような印象を持っていますか。

「ファイターとしての印象は突破力あるんじゃないかなと思うので、そこだけは気をつけてます」

──夜叉坊選手としては何を魅せて、どのような形で勝利を掴みたいですか。

「シンプルに僕が勝ったストーリーの方が面白くなるし、僕が思い描いているイメージが実現すれば相当面白いと思うんで、自分でもワクワクしています。あとは自分を信じてやるだけです」

──どのようなストーリーを想像されているのですか。

「知りたがりですね~(笑)。今言っちゃうとネタバレじゃないですか。ライブで見に来ている人らがどんな想像をしてくるか。みんなそれぞれワクワクがあると思うんで、楽しみにしておいてください」

──また今回からリングネームが石原“夜叉坊”暉仁になっていますが、どういった理由でこのリングネームにしたのですか。

「リングネームを変えたというか、自分が死んだ時に歴史に名前が残ることを考えた時に暉仁が入っている方が自分だと分かるなと思って。ただ“夜叉坊”を置いていくのもかわいそうだし、自分自身も嫌なんで、それやったら“夜叉坊”も暉仁もどちらも連れていって、石原“夜叉坊”暉仁にしました」

――なるほど。そういった意味が込められていたのですね。

「あとは海外に行くと、結局TERUTO“YASHABOU”ISHIHARAになるから、石原夜叉坊はちょっと違和感というか、なんでやねんって思うところもあったんですよね。そのカルチャーやシーンにおいては自分のリングネームがあるけど、その外に出たら(リングネームじゃなくて)自分の名前が残ると思うし、それやったら日本に帰ってきても自分の名前が残る暉仁を入れようと思いました。どこまで行ってもみんな僕のことを夜叉坊って呼ぶし、逆に暉仁って呼んでもらっても気にしないです。夜叉坊も暉仁もどっちも僕なんで」

──それでは石原“夜叉坊”暉仁選手と宮口選手の試合、改めて楽しみにしています。

「ありがとうございました!ヤーマン!」

■視聴方法(予定)
11月22日(土)
午後0時55分~ ツイキャスPPV

■Shooto2025#10 in OSAKA対戦カード

<バンタム級/5分3R>
石原夜叉坊(日本)
宮口龍鳳(日本)

<フェザー級/5分3R>
山本健斗デリカット(日本)
ヒカル(日本)

<58キロ契約/5分3R>
中村優作(日本)
打威致(日本)

<フライ級/5分3R>
梅筋毒一郎(日本)
杉本静弥(日本)

<キック 67.5キロT決勝戦/3分3R>

<キック 67.5キロT1回戦/3分3R>
惺也(日本)
狂介(日本)

<キック 67.5キロT1回戦/3分3R>
森本現暉(日本)
有馬伶弍(日本)

<キック 55キロ契約/3分3R>
正木翔夢(日本)
大成(日本)

<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
嶋屋澪(日本)
片山智絵(日本)

<フェザー級/5分2R>
グ・ジユン(日本)
稲葉祥真(日本)

<2025年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
龍城(日本)
浅井大海(日本)

<2025年度新人王Tバンタム級準決勝/5分2R>
中島陸(日本)
齋藤大樹(日本)

<フライ級/5分2R>
三浦颯太(日本)
柴山海音(日本)

PR
PR

関連記事

Movie