【Just Curious 2025~2026】可能性は無限大。KNOCK OUT UNLIMITEDが黎明期から、成長期へ
【写真】タン・フォンのようなファイターが出てくることは本当に楽しみ。だからこそ、日本人選手が強くならないといけない(C)MMAPLANET
2025年を終え2026年を迎えたタイミングで、MMAPLANET執筆陣が昨年の格闘技シーンにおいて、妙に気になった出来事が今年にどうつながっていくのか――を想い巡らせコラム調で気軽にお伝えしたいと思います。題して「Just Curious 2025~2026」、第二弾は高島学がKNOCK OUTがキックボクシング=BLACK、ムエタイ=REDに続き、普及に努める全局面ストライキング=UNLIMITEDについて書き綴ります。
Text by Manabu Takashima
2023年12月に三上ヘンリー大智×パトリック・ケイソン戦で初お目見えしたUNLMITED。2024年に続き、2025年も試行錯誤の段階でありながら、大いになる可能性を見せることとなった。タイトルの制定、常葉アリーナにおけるワンデートーナメントに代表される人材育成、国際戦の通例化。なによりバックボーンの違う選手が――サッカーボールキック&三点ヒザ有りの――立ち技打撃とMMAの折衷ルールに挑むことで、キックでもMMAでもない攻防が見られた。
無制限の打撃戦は、MMAの制限。その妙が味わえる戦いは、試合が組まれるごとに新たな発見があった。
キック&ムエタイ選手が、即席の対応でUNLMITEDに挑むと、テイクダウン防御ができないという技術的な穴は残っている。それでもパートタイムでなく、このルールでベルトを目指す意思を持つ選手なら、立ち技ファイター同士のUNLMITEDも経験値を積むという意味でどんどん組んでいってほしい。いうとキックボクサー同士、ムエタイ同士、キックボクサー×ムエタイという顔合わせでも距離、首相撲、グラウンド打撃とUNLIMITED特有の攻防が見られるはずだ。
その次の段階、あるいは並行して彼らの長所を伸ばす戦いや短所を補う戦いを打撃系、もしくは組み技系のMMAファイター、得意不得意のある中堅選手と戦う。常葉アリーナは当然として、沖縄及び大阪大会ではご当地在住の上を目指すMMAファイターとの絡みも実現できるだろう。
現状、UNLIMITEDルールで一番強いのは、MMAファイターであることは間違いない。とはいえMMA目線でファイターといっても打撃系、組み技系、ウェルラウンダーに分別される。当然、ウェルラウンダーが一番適している。現時点でチンギス・アラゾフやスーパーボン、スーパーレッグがUNLIMITEDルールに挑んでも世界最強にはなれないだろう。しかし、イリャ・トプリア、ピョートル・ヤン、イスラム・マカチェフらが今、この場でUNLIMITEDルールで戦っても世界最強クラスであることは間違いない。
それだけUNLIMITEDに適しているMMAファイターだが、総合点でUFCレベルにある日本人選手は数えるほどしかいない。つまりはUNLIMITEDが良い経験の場となるファイターが、日本国内には多いということだ。テイクダウンを切って打撃で戦うMMAファイター、打撃を見せてテイクダウン勝負のMMAファイター。いずれのタイプも、立ち技系の選手と同じように短所を補い、長所を伸ばす経験をUNLMITEDルールを積むことができる。
ウェルラウンディッドMMAファイターにとっても、ブレイクも速く、息をつく間が許されない3分3Rの戦いはMMAとは違うスタミナが必要になってくる。それゆえに5戦、6戦と試合経験を積むことで彼らのUNLIMITEDも変化や進化が見られるはずだ。
そんなUNLIMITEDが2026年にKNOCK OUTにとって三本目の矢になるには、日本人選手の強化が欠かせない。カルロス・モタ、タン・フォン、スパイク・カーライルに57.5キロ、60キロ、77キロで勝つ。特効薬は同階級のトップMMAファイターを導入することだ。と同時に、特効薬は特効薬。この間にも育成が絶対に必要となる。
それでなくてもUNLIMITEDは既にブラジルや北米、韓国で注目度が上がっている。「KNOCK OUTのUNLIMITEDルールで戦いたい」という声が、この耳にも伝わってくる。打撃系MMAファイターは、UNLIMITEDだけでなくBLACKやREDにも色気を持つ。
加えて世界中に存在する打と組を合わせたルールで戦う格闘家達……例えば各国の徒手格闘系、ハンド・トゥ・ハンド・コンバットのファイターなどは、寝技で時間制限のあるルールに既に慣れており、UNLIMITEDへの適応は速いだろう。もちろん海外だけでなく、そういう戦いをする大きな流派の国際的な組織が日本にも存在している。
グローバルな視点で未知の強豪、MMAで実績を残すファイター達が出場することで競技として強さを高める縦軸が強化され、有名キックボクサーやムエタイファイターの参戦で知名度をあげる横軸が広がる。結果的に注目度が上がり、選手の育成にも勢いがつく。そんな相乗効果が期待できる大会が12月30日に行われた。
無限の可能性を持つUNLIMITEDは黎明期から、2026年に成長期を迎えることとなる。
他方、MMA転向を図るキックボクサーにとって、ワンクッションとなるという意味合いもあったUNLIMITED。キックもMMAもプロ経験がなく、UNLIMITEDだけで試合経験を積んだファイターがMMAに転向をした際、どの位置でMMAデビューを迎えることができるのか。2026年ということではなく、この先を考えて非常に興味深い。














