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【Shooto2025#08】倉本一真戦へ。デビュー以来6連続KO中の宮口龍鳳「投げられたらスイッチが入る」

【写真】撮影は大会ポスターの横で。宮口の後ろには同日開催のDEEP大阪大会のポスターが――ここで意外な交流が判明した(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都港区のニューピアホールで行われる修斗の昼夜二部興行。夜の部=Shooto2025#08では、宮口龍鳳倉本一真と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

宮口はフルコンタクト空手をベースとした打撃を武器に、プロデビュー以来6連続KO勝ち中。そんな新鋭の前に立ちはだかるのは、5年4カ月振りの修斗参戦となる、現KNOCK OUT-UNLIMITED王者の倉本だ。来年のRoad to UFCを目指しているという宮口は、この強敵を下し、さらに修斗のベルトに近づくことはできるか。インタビューでは意外な人間関係と倉本のレスリング対策が明かされた。


左ハイは毎試合狙っています。ミルコ・クロコップが好きで

――5月には野尻定由選手に1R KO勝ちを収めた宮口選手です。試合前のインタビューで語っていたとおり、まさに「殴られてからからスイッチが入る」内容となりました。

「アハハハ、跳びヒザに左フックを合わされちゃいました。でもフラッシュダウンでダメージもなく、あの一発で吹っ切ることができましたね。前回の試合は僕の動きが堅かったです。地元が近いからメチャクチャ応援に来てくれて、自分も緊張していました」

――序盤は相打ちも多かったです。

「皆が見ているので、とにかくKOしようと当て急ぎすぎましたね(苦笑)」

――それよりも、フラッシュダウンの直前に野尻選手のダブルレッグを切り返した時、宮口選手の気持ちも落ち着いたように見えました。

野尻戦はTD防御から落ち着いたという宮口。果たして倉本戦は?(C)TORAO NATION STATE

「そうですね。テイクダウンを切ったら気持ちが楽になります。でも気持ちが楽になってしまったためにヒザを出して、距離をミスッってしまったんですよ。ちょっと遠くから狙いすぎてしまいました」

――見る側とすれば面白い試合展開だったでしょう。逆にファイター側、セコンド陣はフラッシュダウンでも焦っていませんでしたか。

「僕は試合中もセコンドの声が聞こえるので、『大丈夫か!?』って声は聞こえました。自分自身は大丈夫で、特に焦ってはいなかったです」

――スタンドに戻ってからは三日月蹴り、ヒジ、そしてヒザで攻め立てました。得意の三日月でペースを変えることができたのでしょうか。

「それが前回は三日月の感触が良くなくて、あまり深くは入っていないんですよ。むしろヒザとヒジのほうが結構入っていて。あれで倒れないのは、野尻選手って凄くタフだなって思います」

――なるほど。フィニッシュは右ストレートでしたが、自身の中ではどう仕留めようと考えていましたか。

「試合前のアップでは、自分から『左ハイを打たせてください』と言っていました。結果、フィニッシュは左ハイから右ストレート。あの左ハイは狙っていて。最後の最後で左ハイが入ってから、右で倒しました。

左ハイは毎試合狙っています。ミルコ・クロコップが好きで――左ハイで倒すのってカッコいいじゃないですか。だから練習でも左ハイ単発ではなく、何か他の技から左ハイに繋げることは意識しています」

RTUを目指すなら、強い相手と戦ってKO勝ちを狙う

――ただ、左ハイを放った時に組まれてしまうリスクもありますよね。

「左ハイ、前足の蹴りより相四つで奥足、右ハイは難しいかもしれないです。左ハイは打ってすぐ戻すことができますね。それは空手でやってきて、当ててすぐ戻す速さにも自信はあります」

――その左ハイを起点としてKO勝ち。結果、プロデビュー以来、6連続KO勝利です。

「KO勝ちは狙っていました。でも3Rまで行くかと思っていました。野尻さんはスタミナもあるし、結構ドロドロの試合になるかもしれない、と。

6連続KO勝ちというのも、プロデビュー当時は自分も予想できていませんでした。アマチュアでは漬けられたりして、しっかり負けていましたからね。だからプロに上がっても、野尻さんのようなタイプに対して良いイメージは持っていなかったです。だけど練習して、頑張って今はここまで来ました。……とはいえ、自分でもビックリはしています(笑)」

――アハハハ。前回のインタビューでは来年のRTUを狙いたいと言っていましたが、野尻戦の次についてはどのように考えていましたか。

「野尻戦のあとに大阪大会(5月25日)があったじゃないですか。自分もセコンドで行っていて。そこでサステインの方に『次は誰と試合がしたい?』と訊かれたので、自分は『国際戦がやりたいです』とお願いしました。そうしたら倉本さんという話が来て――ビックリしましたよ。『あぁ、あのジャーマンを食らうのか……』って(笑)」

――国際戦のほうが良かった?

「いやいや、倉本さんと試合できて嬉しいです。やっぱり注目度も高いんですよ。倉本さんはRIZINにも出ているし、それほどMMAに詳しくない人でも『知っている!』と言うぐらいで。しかもプロフィールにチャンピオンと書いてあるから『えっ、チャンピオンとやるんや』って驚かれますね。何より強い相手なので」

――倉本選手の修斗参戦は5年4カ月振りなので、現在はランキングに入っていない。ここで宮口選手が勝利してもランキングに影響はないかもしれません。そう考えると、宮口選手にとってメリットばかりではない試合です。

「そんなメリット、デメリットとかは考えていないですね。もちろんタイトルマッチはやらせてもらいたいです。同じ日にバンタム級の世界タイトルマッチがあって、やっぱり意識はしますよ。

と同時にRTUを目指すなら、強い相手と戦ってKO勝ちを狙う。そこで倉本さんっていう強い相手が来た。これはやるしかないです」

角野晃平の紹介でグレコ出身の前薗渓君と練習させてもらっています

――力強い言葉です。倉本選手と戦ううえで、レスリング対策は?

「今はグレコ出身の前薗渓君と一緒に練習させてもらっています。角野の紹介で前薗君がコブラ会まで来てくれて。グレコ出身で同じ階級の選手って少ないですからね。前薗君がいてくれて助かりました」

――角野、というと……。

「DEEPのチャンピオンになった角野晃平です。彼とは同い年で、プライベートも仲が良いんですよ。先日も延命そら君も一緒に、高野山で滝行したりとか」

安心してください。透けてはいません(C)RYUHO MIYAGUCHI

――えっ!? そうだったのですね。

「角野がコブラ会のプロ練習に来ていて、最初は年上だと思っていたんですよ。でも話をしたら、まさかの同い年だったので仲良くなりました。前薗君は角野の大学の後輩で、今回の試合に向けて紹介してもらったんです」

――その角野選手が先にDEEPのベルトを巻いています。

「う~ん……同階級だったら意識するかもしれないです。でも上の階級やし、ただただ『凄いな』ってリスペクトを持っていますね。21日はそれぞれ東京と大阪で試合する。ここが自分たちの勝負どころやと思っています」

――前薗選手との練習を経て、レスリングに関する手応えはどうですか。

「今のところはレスリングにも自信はついてきました。グレコの選手って、指一本引っかけたところから持って行くじゃないですか。クラッチが切れたと思ったところから強い。試合前に前薗君との練習で、その点を知ることができたのは良かったですね。

ただ、やっぱり倉本さんのレスリングは別格やと思っています。あの投げを食らう覚悟で、自分もKOを狙います。ちゃんと受け身は取らないといけないけど――投げられたら、逆に自分のスイッチが入りますよ」

■視聴方法(予定)
9月21日(日)
Shooto2025#08 午後5時30分~~ ABEMA格闘チャンネル
Shooto2025#07 午後12時30分~~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2025#08 決定カード

<修斗世界バンタム級王座統一戦/5分5R>
[王者]齋藤奨司(日本)
[暫定王者]永井奏多(日本)

<環太平洋フェザー級選手権試合/5分3R>
上原平(日本)
たてお(日本)

<バンタム級/5分3R>
宮口龍鳳(日本)
倉本一真(日本)

<バンタム級/5分3R>
杉野光星(日本)
ザヒド・アフメドフ(インドネシア)

<ストロー級インフィニティリーグ/5分2R>
旭那拳(日本)
友利琉偉(日本)

<ストロー級インフィニティリーグ/5分2R>
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)
田口恵大(日本)

<2025年度バンタム級新人王決定T二回戦/5分2R>
飯野雄斗(日本)
齋藤優(日本)

<ストロー級/5分2R>
大城匡史(日本)
漆田直輝(日本)

■Shooto2025#07 決定カード

<修斗世界ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]田上こゆる(日本)
[挑戦者]山上幹臣(日本)

<ミドル級/5分3R>
岩﨑大河(日本)
ジャン・ボムソク(韓国)

<女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
青野ひかる(日本)

<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
高本千代(日本)
片山智絵(日本)

<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
村上彩(日本)
嶋屋澪(日本)

<フェザー級/5分2R>
轟轟(日本)
ヨシ・イノウエ(日本)

<バンタム級/5分2R>
関根累(日本)
勝呂駿(日本)

<2025年度ウェルター級新人王決定T1回戦/5分2R>
六郷海南人(日本)
デソウザ・マルセル(ブラジル)

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