【DWCS S09Ep06】ムンジアル黒帯世界王者、打撃でKO続けるモハメッド・アリー!!! ROAD FC王者も出場
【写真】道着を引っ張らないパスが、オクラゴンで見られるか(C)SATOSHI NARITA
16日(火・現地時間)、ネヴァダ州エンタープライズのUFC APEXでDWCS S09 Ep06が開催される。2025年シーズンも後半戦に突入し、初めて東アジアからROAD FCミドル級王者ファン・インスルが出場する。
Text by Manabu Takashima
Road to UFCが実施中というころもあり、アジア勢の出場はウェルター級以上という状況のなか、31歳の韓国人チャンピオンの登場だ。韓国でも決して選手層が厚くない同級で、ファン・インスル勝っても負けも初回KOという試合を続け、5勝1敗でRoad FCミドル級王座に挑み、2RKO勝ちでベルトを巻く。しかし、その後は全く挑戦者が現れず1年半後にキックボクシングでお茶を濁すしか実戦機会がなかった。
さらに1年10カ月を経てZFNでDouble GFCウェルター級王者でRoad to UFCワンマッチ3年連続出場したキム・ハンソルを81キロ契約マッチでスプリットで下し、今年の3月にはRoad FC暫定ミドル級王者イム・ドンフアンを破り王座を統一していた。
プロキャリア8年で8試合、国際戦は初めてというファン・インス。
TUF32ベテランのCage Warriorsファイター=パディ・マコーリーを相手にどのようなファイトを見せるか。韓国勢、そして日本勢にとっても一つの指標となるファイトだ。
そんなアジアからの挑戦者以上に注目なのが、コメインに出場するモハメッド・アリーだ。2018年ムンジアル黒帯スーパーヘビー級世界王者のアリー。決勝戦が今は亡きレアンドロ・ロの負傷で勝利したことで物言いをつけられがちだが、準決勝ではニコラス・メレガリを5-0で完全に下していることを忘れてはならない。
柔道家のような投げ、レスラーのようなテイクダウン&スクランブル能力を持つアリーは、まるでライト級のようなスピードを持つ重量級柔術家だ。メレガリ戦で見せたトレアナパスの強さは圧巻、ベウナウド・ファリアのオーバーアンダーパスに匹敵する完成度の高さと評価を受けていた。
そのアリー、10年前にノーギワールズで優勝しており、グラップリングも強い。加えて道着がなくなると、気の強さと戦闘意欲がさらに高まる傾向にある。シングルレッグを仕掛けられると、まるでアントニオ猪木の延髄斬りのように相手を頭部に蹴りに行ってエスケープしたり、ローキックといってもおかしくない足払いを繰り出す。
MMA戦績は4勝0敗で3つのフィニッシュ勝利――だが、一本勝ちはなく3つのKO勝ちを記録している。恐ろしいことにアリーはワールドトップクラスのグラップリングの技術を使わず、打撃で勝利を手にしてきた。対戦相手は決してクォリティオポネントとは言えないが、それでもヒザを効かせて動きを止めておいてパンチからハイキックを決める流れは、良い意味で柔術世界王者には見えない。
対戦相手のイヴォ・バラニエフスキーは5勝0敗。
3つの初回KOと2つの1R腕十字で一本勝ちを誇る。もちろんインパクトを残すのは打撃戦だが、ここはアリーのMMAファイターとしての総合力が見てみたい一戦だ。
9月17日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS
■DWCS S09 Ep06対戦カード
<バンタム級/5分3R>
エチェル・ソサ(スペイン)
マクソン・リー(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
イヴォ・バラニエフスキー(ポーランド)
モハメッド・アリー(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
トミー・ギャント(米国)
アダム・リヴィングストン(米国)
<ミドル級/5分3R>
ファン・インス(韓国)
パディ・マコーリー(アイルランド)
<バンタム級/5分3R>
コディ・コヴェンチェク(カナダ)
ラファエル・ユーチェブー(英国)























