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【RFC39】ムン・ジェフンに初黒星、朝倉海「ただただ悔しい。この負けは取り返す」

Kai Asakura【写真】悔しさを滲ませていたものの、前向きな姿勢を貫いたインタビュー中の朝倉だった(C)KAORI SUGAWARA

10日(土・現地時間)、韓国ソウルのチャンチュン体育館で開催されたROAD FC39ムン・ジェフンと対戦し、キャリア初の黒星をKO負けという形で喫した朝倉海。

アウトサイダーでは60キロ以下級で負けなし、ロードFC参戦後は2試合連続1Rフィニッシュとフライ級タイトル挑戦も見えていたなかで、ムン・ジェフンの左から右ストレートを被弾し続け、最後は左フックで敗れた。

初めて敗北を経験した朝倉を大会翌日、帰国前にインタビューした。


──一夜明け、気持ちはいかがでしょうか。

「とにかくショックです。悔しくて寝られなかったです。毎試合、負けたら終わりだと思って挑んでいたんで、もう本当に絶望というか、頭が真っ白になりました。でも、落ち込んでいてもしょうがないと、一晩考えて思いました。これを糧にここから頑張りたいと思います」

──試合全体を振り返り、今はどのように感じていますか。

「全然動けてなかったです。重かったというか、とにかく自分の動きが硬かった。相手のムン・ジェフン選手のリズムが分かり辛かったというのもあったし、思っていたよりもリーチが長くて、この距離だったら当たらないっていうのを結構もらったりして、自分のリズムを狂わされちゃったっていうのもあります。想定外のところがありました」

──ムン・ジェフンも打撃に特化した動きを見せていました。

「相手のペースに飲まれちゃったような感じがします。修正したかったですけど、最後までできなかった。とにかく頭が回んなくて、最初から自分を出し切れなかったです」

01──試合の入りでは右が見えていたのが、ムン・ジェフンが左ジャブから右ストレートという攻撃に切り替えるとその右を被弾するようになりました。

「今までの試合でほとんどパンチを貰ったことがなかったんですけど、なんていうか……、ダメージで分からなくなっていた部分もありましたし、焦りもありました。

カウンターも狙っていたんですけど、ジャブにしてもストレートにしても見え辛いし、とにかく分かり辛かったです。角度とか、リーチの長さとか。モーションもほぼなかったですし。最初に貰っちゃったせいで目が見え辛くなっていたのも多分あると思います。

02てしまったのが要因だと思うんですが、今回1Rは取られてしまっていたので、その時点で倒さなければいけないという思いが強くなって……。2Rは自分から倒しに行こうと思って詰めていきました。

でも、それが相手の思うツボだったみたいです。しっかり自分の距離を作って冷静に戦うということを今回学びました。一番大事なことでした」

──今まで戦ってきた選手とムン・ジェフン選手は朝倉選手にとって何か違っていたのでしょうか。

「やっぱりこれだけ打撃のできる強い選手と戦ったのが初めてでした。今までパンチも本当に被弾したことがなかったですし、試合後に顔に傷がついたのも初めてなんで、ただただ悔しいです。やり返さないと気が済まないです。

今回の試合は本当に勉強になった部分が多くて正直、直せるところだらけだし、気持ちは全然折れてないです。ここから這い上がって、もう絶対に負けないようにしたいと思います」

──ロードFCに出場することで、日本国内でも朝倉選手への注目度が高まってきていました。

「負けたら意味がないです。俺はアウトサイダーの選手だけど、世界でも通用するという実力を証明したくて今まで勝ち続けてきました。チャンピオンで他団体に出ているんで、負けるとその評価も落ちちゃうし、そこは責任を感じています。

またロードFCに上がって強い選手を倒して……汚名返上じゃないですけど、この負けは取り返します。ここからもっと強くなるんで、みんなにそこを期待して見て欲しいです」

──MMAファイターとして、初めて躓きました。

「打撃には自信があったんですけど、その得意な部分でも今回やられちゃったんで、全てにおいてもう一段階上に行けるように練習しないと……。正直、1日2時間くらいしか練習をできてないんで、他の選手より練習時間も少ないと思うんですけど、MMAにかける時間をしっかり増やして本気で強くなろうと思います」

──ちなみに2時間の限られた時間の練習内容はどのようなことをしているのでしょうか。

「今、普通に月から金まで仕事をしていて、その仕事が終わるのが夜の6時ぐらいで。仕事が終わると、近くに階段があるので、そこで階段ダッシュをして、そこからジムに行きます。軽くミットを打ったり、スパーリングをして2時間ですね。限られた練習時間の中で今、その練習量をこなしています。なので練習の内容も考え直して、1からしっかり作り直したいです」

──兄の未来選手とセコンドの(総合格闘技禅道会豊橋支部長)宮野(勝吉)さんと、改めて組み直していく?

「そうですね。僕の場合、朝倉兄弟で売り出しているんで、僕が負けちゃうとお兄ちゃんの評価も下がってしまう部分があります。そこはちょっと申し訳なく思っています。お兄ちゃんの方が強いんで、俺も追いつけるよう頑張りたいと思います。今回ちょっとダサい姿を見せちゃったんですけど、しっかり鍛え直して、また強くなって勝つところを見せるんで、これからも応援してもらえると嬉しいです」

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