【Ground Impact】GI West Japan出場の中村大輔 「ジム生最優先、でも単純に試合が好き」
【写真】パトスタジオのジム生と中村大輔、盟友の西林浩平(C)DAISUKE NAKAMURA
18日(日)、大阪府豊中市の武道館ひびき第1競技場でGroundImpact WEST JAPAN 2017が開催される。JBJJF公認となるこの大会には、昨年、そのJBJJFの殿堂入りをはたした中村大輔がマスター2黒帯ミドル級に出場する。第一線での戦いから身を引いた後も、英国のプロ柔術大会=Polarisに招聘されるなど、国内柔術界のレジェンド的な存在でもある中村が今大会の出場、ジム設立から1年以上が経った今、立ち位置などを含めて聞いてみた。
Text by Takao Matsui
――今年もムンジアルが開催されましたが、湯浅麗歌子選手が黒帯3連覇、ホベルト・サトシ選手が銀、橋本知之選手が銅という結果でした。
「一緒に練習をしている選手がたくさん出場しているので、やはり気になりましたね。湯浅選手の3連覇、橋本選手の銅メダル獲得は、やはりすごいですよ。自分は世界で結果を残せなかったので、すごいなぁと思いながら応援していました」
週2回、トライフォースで山田秀之選手や嶋田裕太選手と選手練をやってきましたし、昨年の12月にトルクメニスタンで第1回アジアチャンピオンシップに出場した時は、湯浅選手や橋本選手とも一緒に練習をさせてもらい、いい刺激を受けました。20代の選手が頑張っているので、頼もしいですね」
――同世代の杉江アマゾン選手も出場していますが、中村選手自身ムンジアル再チャレンジを考えることはありますか。
「やはり世界を目指して戦っていたので、6月になると出てみたいという気持ちになりますね。ジムの方が忙しいので、なかなか自分の時間は限られていますが、落ち着いてきたら、また頑張りたいです。
今回のムンジアルを見ても、30代の選手が優勝していますので、俺らでもまだまだ頑張れるかなとも思いますしね。国内トップレベルの選手と一緒に練習すると、なおさら思います。日本のレベルが下がってきたと言われることはありますが、米国やブラジルを中心とした世界レベルの進化する速度が早いのではないでしょうか」
――西林浩平選手とパトスタジオを設立したのが、昨年の3月。1年以上が経過しましたが、ジム経営は順調ですか。
「自分たちが予想していた人数が集まってくれたので、とりあえずは順調ですね。大会を目指す選手たちだけではなく、主婦、キッズ、幅広い層の方々に入会していただき、東日本マスター選手権は団体で2位に入るなど、かなりジム内が盛り上がってきています」
――ジムから世界を目指す選手がたくさん出てくるといいですね。
「できれば、そういう選手を育てていきたいですが、パトスタジオはみんなが楽しく強くなれる場にしていきたいと思っています。全員が世界を目指せるわけではないですからね」
――そういう場を提供しつつ、ご自身でも大会へ出ていくわけですね。
「西林もそうだと思いますが、背中を見せて刺激を受けてくれればという目的もありますが、単純に試合が好きというのが出場する主な理由です。本当は、たくさん大会に出たいんですけど、ジム生のサポートが最優先ですからね。できる範囲で出場していきます。
今回のGroundImpactも、もともと関西でセミナーを開催することが先に決まっていて、IFプロジェクトの関係者から『出てみませんか』と声をかけていただき、せっかくなので出場してみようと思いました」
――セミナーは、前日と大会後に開催されるようですね。
「大会前日の土曜日(17日)は定員になってしまいましたが、大会後はまだ募集していますので、ぜひ参加してみてください。トップ、ボトムそれぞれのアタックを45分ずつ紹介します」
――関西の柔術家もレジェンドから直接教えてもらえるなんて、貴重な体験ですね。
「いやいや、レジェンドなんて……」
――でも昨年はJBJJFの殿堂入りをはたしましたし。
「あれは嬉しかったですね。好きなことを長くやっていれば、良いこともあるんだなと思いました」
――大会後にセミナーがあるということは、負けられないですね。マスター2黒帯ミドル級には、柔専館の伊東元喜選手と吹田柔術の原晃選手が出場します。
「2人とも初対戦なんです。本来、マスターだとライト級、アダルトではフェザー級で試合をしていますし、基本は関東圏が中心ですからね。伊東選手は積極的に試合をしている印象で、原選手は男気の強い選手というイメージがあります。どんな試合になるのかは分かりませんが、いつもと変わらずに一本を狙っていきます」