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【WJJ Expo】Day01 ジョアオ・ミヤオ、進化する柔術で魅了

Miyao vs  Telles

【写真】Day1:スーパーファイト3試合目。ジョアオ・ミヤオはテーレス・レイチを相手に、柔術の進化を魅せ。ヘンゾ・グレイシーの絶賛した。

9~10日(土~金・現地時間)、カリフォルニア州ロングビーチにあるロングビーチ・コンベンションセンターにて、ヘンゾ・グレイシーが代表を務めるワールド柔術エキスポ(世界柔術博覧会)が開催された。Day 1の9日は、ヘンゾ・グレイシーが直々に選考に加わったという茶帯グランプリに加え、5試合もの豪華スーパーファイトが行われた。まずは、茶帯GPと、スーパーファイト2試合を振り返りたい。
Photo by Susumu Nagao

Phillipe Nover vs Efrain Escudero<ノーギ・サブミッションオンリー/20分1R>
フィリップ・ノヴァー
Draw
エフレイン・エスクデロ

2008年にTUF8フィナーレ決勝で戦ったが、今ではUFCをリリースされ別の場所でキャリアを積む2人の戦い。5年前にはレスリングで優位に立ったエスクデロが勝利したが、今回主導権を握ったのはアレッシャンドリ・ソッカの黒帯、ノヴァーの方。見事なアームドラッグからバックを奪うなど試合を優位に進めたが、エスクデロの方も堅固な守りを見せて20分が経過。ポイントが付かないルールのため、試合は引き分けに終わった。

Thiago Silva vs Tim Spriggs<茶帯グランプリ決勝戦/道着・10分>
ティム・スプリッグス 
Def. アドバンテージ 5-1
チアゴ・サ 
 

総勢16人が参加し、AB二つのグループに分かれてのリーグ戦を経て準決勝、決勝を争うこととなった茶帯グランプリ。優勝候補筆頭と目されていたロイド・アーヴィン道場所属のスプリッグスは、リーグ予選最大の山場と見られたロンドン五輪米国柔道代表トラヴィス・スティーブンスとの一戦で、開始早々引き込んでベリンボロを決めたのが効いて辛勝。グループBを1位で突破してみせた。スプリッグスは、準決勝でもマニュエル・ディアズからパスを奪って勝利。決勝では、グループAを1位突破したチアゴ・サと対戦した。

ここでも上を取って攻める戦いを貫いたスプリッグスが、アドヴァンテージ・ポイントを稼いでの判定勝利。レスリングの強さを活かしたトップゲームに定評があり、それ故にあまり面白い試合をしないという評判もあるスプリッグス。しかしこの日は、(自分より立ち技で勝ると思われる)スティーブンスを引き込んでベリンボロを決めるなど、普段は見せない武器を持っていることも証明しての優勝だった。キーナン・コーネリアス、ミヤオ兄弟等が黒帯昇格した現在、茶帯における世界最高峰の戦いは、しばらくこのスプリッグスを中心に回ることになるだろう。

Joao Miyao vs  Eduardo Telles<道着・IBJJFルール/10分1R>
ジョアオ・ミヤオ 
Def. アドヴァンテージ2-0
エドゥアウド・テレス 

ミヤオと対戦予定だったブラガの欠場によって急遽決まったこの試合。ミヤオは先日のADCCで4位入賞、テレスは先日のノーギ・ワールズで37才にして悲願の初優勝を果たし、共に話題を集めたのは記憶に新しいところ。バック取りを中心とした新世代技術の旗手ミヤオと、相手に背中を向けた「亀ガード」から戦う異能柔術家テレスの試合ということで、注目の一戦となった。先日ミヤオとスパーリングをしたという解説のヘンゾが、ミヤオが小さな体に見合わずいかに力強いか、そしていかに驚くべき技術を持っているかを熱弁、絶賛するなかで試合が開始。

20キロ以上は体格差があろうかという2人。ミヤオはいつものように即座に座り込むと、そこから足を絡ませてベリンボロを狙う。テレスも絡んでいない方のミヤオの足を掴み、回転させないことで対応。やがてテレスの裾を引き下ろして足に絡めて握ることで強固なデラヒーバ・フックを作ったミヤオは、ついに回転しきってテレスの背後へ。しかし、そこはタートルガードの権化テレスだ。ミヤオにバック・グラブを作らせることなく、前傾姿勢を取ってあっさりと前方に落としてみせた。背中で微妙な相手の体重移動を察知する男、テレスがらしさを発揮した場面ではあったが、これでミヤオがアドバンテージを獲得した。

ミヤオは再び下からテレスの裾を使って足を絡めて回転すると、今度は50/50の体勢へ。ただし、体格に勝るテレスは、立ったまま両手で絡んでいるミヤオのスネを押し下げ、足を抜いてみせる。逆にテレスはアキレスを仕掛けるが、ミヤオは足を抜く。下から足を絡ませての回転にこだわるミヤオが再びバックに回りかけると、テレスはローリングしてミヤオを吹っ飛ばし、両者は離れた。これでミヤオにアドバンテージが追加された。

ミヤオは依然として座り込んだままテレスに迫る。テレスはいったん両手を下げてから、いきなりミヤオのスネを掴みにゆくという奇襲を見せるが通じない。直後にまたも、ミヤオが仕掛けてくるベリンボロへの対応を余儀なくされる。結局テレスはそのままミヤオのベリンボロ・ゲームに付き合わされ、状況を打開できないまま時間切れ。アドバンテージ2差でミヤオの勝利となった。

決してミヤオにバック・グラブを許さなかったあたり、さすがテレスという場面も見られたこの試合。が、それにも増して、自分より4、5階級は上の世界的黒帯を終始自分の領域に引きずり込み、反撃を許さなかったミヤオ恐るべし、という印象が強く残った。

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