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【WJJC2019】ライトフェザー級に出場する鍵山士門 「積み重ねてきたものを信じたい」

Kagiyama【写真】日々の積み重ねで世界に挑戦する鍵山(C)SATOSIH NARITA

30日(木・現地時間)から6月2日(日・同)にかけてIBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権=ムンジアルが、カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドが開催される。

黒帯ライトフェザー級に鍵山士門が出場する。3月のパン選手権2回戦でジョアオ・ミヤオと初顔合わせとなり、一本負けを喫した鍵山士門。今大会でも1回戦を勝ち進むことができれば、再びジョアオとの対戦が控えている。所属ジムが変わった鍵山はどのような想いで世界最高峰の舞台に挑もうとしているのか。新しい所属先となった東京・三鷹のPHYSICAL SPACEを訪ねた。
Text by Satoshi Narita


──まず、はじめに基本的なことを伺いたいのですが、ムンジアルのエントリーはデラヒーバジャパンとなっていますが、今も所属はデラヒーバなのでしょうか。

「この春からPHYSICAL SPACEになりました。ただ、今回は変更の申請が間に合わず、浜島(邦明)先生にお願いをして、デラヒーバジャパンで出させていただいています」

──では、現在はここ(三鷹)をメインに指導を?

「そうですね。(デラヒーバジャパン・)クエストでも指導を続けていますが、今は三鷹と荻窪がほとんどです。大塚(博明)さんとはそれこそ、僕が23、24歳くらいの頃からずっと練習させてもらっていて、ここ(PHYSICAL SPACE)の指導自体も3年くらい前からやらせていただいているんです」

──試合に向けた調整は?

「僕は試合前にメチャメチャ追い込むタイプではないんです。同じ練習をコンスタントに続けていく感じで、1週間で言えば、月曜はパーソナルトレーニング、火曜と木曜はトライフォースのコンペティションクラスに参加させていただいて、金曜と土曜が“P練”を三鷹と荻窪でやっています」。

──道場の頭文字を取った選手練ですね。どのような選手が参加をしているのですか。

「高本(裕和)さんや嶋田(裕太)、毛利部(慎佑)さん、卯都木(豪)さん……デカい人が多いですね(笑)」

──階級が同じなのは嶋田選手くらいですね。

「茶帯の後藤(亮)君や、ゲストで黒帯の方が来てくれることもあります。土曜はK-PLACEでグラップリングを教えています。一緒に練習しながらアドバイスをする感じで、ぶっ続けでスパーしますから、土曜日は死にそうになりますけど(笑)。

で、水曜と木曜は午前中に大塚さんとマンツーマンで打ち込みをしているので、練習していないのは日曜だけですね。指導は朝と夜に入っていますが」

──では、ムンジアルに向けて新たに取り組んでいることなどはありますか。

「気持ちの問題ですかね。いつも以上に緊張感を持って練習しよう、と。新しいことを始めようとして自分のルーティーンを崩してしまうと、時間がかかってしまうんですよね。もちろん、それも正解としてあるのかもしれないですけど、僕は積み重ねてきたものを信じたいタイプなので。

もしかしたら、それは自分の柔術のスタイルに出ているかもしれません。僕って試合でベリンボロとかやらなくて、ホントにベーシックなテクニックだけで相手をコントロールすることが好きなので、白帯の頃からずっとやってきたことを磨いて、磨いて、と」

──トーナメントのブラケットが発表され、1回戦は2014年に茶帯ライトフェザー級で優勝したラム・アナンダが相手です。優勝当時の年齢は36歳と、遅咲きの選手のようですが。

「そうみたいですね。まあ、弱い選手はいないわけですから、誰と当たってもキツいとは覚悟しています」

──そこで勝利できれば、2回戦でジョアオ・ミヤオです。3月のパンで対戦されていますが、戦った印象は?

「こう言うと語彙力がないですけど、もう、ヤバいですね……。初めて試合が終わって立てなくなりました。息も整わないし、1試合しかしていないのに汗も滝のように出てくるし。

今、思い返してみても、何がヤバかったのかうまく説明ができなくて……。力がすごく強いわけでも、動きがすごく速いわけでもないし、ただ、ずっとイヤなところにいられる──それが実力差なのだと感じています。もし戦えるとしたら、もっと冷静に臨みたいと思っていますが……」

──それだけ厳しい戦いが待っているのに挑戦する。鍵山選手にとってムンジアルはどんな意味があるものなのでしょうか。

「そうですね……これは僕自身の問題なんですけど、例えば習い事をする時に、やっぱり一流の人に教えてもらいたいじゃないですか。だから、『会員さんのため』というとおこがましいかも知れないけれど……。以前、そんなことを会員さんの前で口にしたら、『ボクらはそんなこと思ってないですよ』って言われちゃったんですよね(苦笑)」

──それはそれで寂しいですが……(笑)。

「ただ、強くなり続けないといけないと思っています。実績を残せば説得力が出てくるじゃないですか。もちろん『日本で一番になる』という目標が最初に来ないといけないんですけど、それも目指しながら──です」

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