お蔵入り厳禁【WJJC2019】引退宣言から突然のムンジアル復帰、ブルーノ・マルファシーニ「柔術はホーム」
【写真】ごくごく自然な対応で質問に答えてくれたマルファシーニ (C)MMAPLANET
現在発売中のFight &Life Vol.74ではムンジアル・ライト級を6度制したルーカス・レプリのインタビューが掲載されている。
そのレプリとアリアンシの同門ブルーノ・マルファシーニは、10度目のムンジアル・ルースター級を制した2018年大会で帯をマットに置き、MMAに専念することを宣言した。
実際、ムンジアルの3カ月後にはキャリア3戦目となるMMAマッチをBrave CF16で戦い一本勝ちを収めている。そのマルファシーニが今年もムンジアルにシレっと出場し、準々決勝でカイオ・テハを破り、準決勝では8-10で優勝したマイキー・ムスメシに敗れた。
MMAPLANETでは突然の柔術復帰と、MMA転向に関してムンジアル表彰式直後のブルーノを直撃していた。
お蔵入り厳禁──本来は彼の4戦目となるMMAマッチが決まった際に掲載しようと思っていたインタビューだが、シビレを切らしこのタイミングでアップとなった。
──11度目のルースター級制覇ならず。ムンジアルでの銅メダルは2008年以来11年振りです。
「今日は僕にとってはベスト・デーではなかった。でもアリアンシが世界一のアカデミーになれたことはとても嬉しいよ。もともと、世界選手権からは昨年で身を引き今年は出場するつもりがなかった。だけど、MMAですぐに試合ができそうになくて、ちょっと人生計画が狂ってしまったね。本来は3月にBrave CFで試合が組まれる予定だったけど流れて、次は5月だと聞いていたけど、それも実現しそうになかった。
だから、とにかく柔術でも構わないから試合に出たいと思ったんだよ。もう柔術ではやるべきことは全てやってきた。そして、負けることもある。それでも今日のデキには満足しているよ」
──引退宣言をしてから戦うと、これまでと比較して何か気持ちの入り方が違うようなことはありましたか。
「ムンジアルに出ようと決めたのは5月なんだ。MMAに専念するために、当然のように練習もMMAばかり続けていた。今回、何か間違っていたとすれば、これまでのように柔術のフォーカスしていないのにカムバックしようと思ったことだろうね。
その結果、僕はタイトルを失ったように見えるしね。ただし、もう僕とってムンジアルのタイトルは全てじゃないんだ。1人でなく、チームと協力してここまでやって来た。友人や家族とこの場に挑むことができた。そしてチーム・タイトルが取れた。もう、これはプライスレスだよ」
────それでカイオ・テハに勝ててしまうことが驚きです。そして、決勝では12秒で勝ったマイキーとはレフェリー判定にもつれ込む接戦でした。ただしマイキーに敗れたあと、握手を拒否したことは本当に驚きました。
「マイキーと私は長い間、練習をしてきた仲だ。それが今日、戦うことになってしまいおかしな気持ちだった。あのKIDは良い試合をして、私を破った。試合直後は感情的になってしまって……あの件は謝りたい。もう2度とあんなことはしない。この試合まで色々なことがあり、精神的に影響が出てしまった。
去年はMMAと柔術の練習をしていたけど、今年は完全にMMAにシフトしていたのでアジャストする必要があった。でも、柔術は……ギを着て戦うことは僕にとってホームだ。だから、これからもスーパーファイトなんかでは戦っていたいと思う」
──来年もピラミッドに戻ってくることは?
「正直、今回のトーナメント枠はタフだったから、チャレンジし甲斐があったよ。ただし本来、僕はここにいるべき人間じゃなかった。来年のことは、今は考えられない。何も口にすることはできないよ」
──では今後、MMAではどのようなキャリアアップを図ろうと思っていますか。
「ブレイブCF次第だよ。さっきも言ったように3月の試合はなくなった。5月もない。8月か9月には試合をしたいと思う。専属契約だからね。ブレイブが僕に示してくれた条件には非常に満足している。だから一緒にやっていくよ」
──柔術でこれ以上ないほど成功を収めたブルーノが、MMAで戦うことにどのような意義を感じているのでしょうか。
「ただ大きな挑戦がしたかった。それだけさ。柔術ではやるべきことはない。柔術を続けることは……まぁ退屈と表現しても良いだろう。でも、ある程度の条件の下で戦い続けたかった。だからMMAに挑戦することを決断したんだ。
リスクが高いことは分かっている。30歳を過ぎて、初めてフルタイムでMMAのトレーニングをするのも大変だよ。でも、楽しいんだよ(笑)」
──そのMMAでの目標は?
「フライ級で最強になることを目指す。ただし、今は大きなことを考えようとは思っていない。このチャレンジを続けることで、多くのことを感じたい。だからケージで戦うんだ」
──柔術はホームだと先ほど言われましたが、ブルーノにとってMMAは何なのでしょうか。
「MMAが僕にとって何かは、まだ分からない。始めたばかりだし。でもMMAの練習をすることで、凄くエキサイティングな日々を送ることができているのは確かなんだ」