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【Pancrase302】14カ月振りの実戦、中原由貴「明日、全部出し切れないことが一番の後悔」

Yoshiki Nakahara【写真】浮き沈みのあった1年。自己証明をできる場はケージの中しかない(C) MMAPLANET

9日(日)に江東区スタジオコーストで開催されるPancrase302で中原由貴が1年2カ月振りに実戦の場に立つ。

昨年10月に田中半蔵を下した中原は、海外志向を強め──またフェザー級KOP正規王者ナザレノ・マルガリエのPFL転身もあり、デカゴンから遠ざかっていた。

この間、人知れず──オファー&キャンセルを繰り返してきた中原はパンクラスで再び戦うことになってなお、当初の対戦相手だった中島太一は負傷欠場に。結果、中村晃司と戦うことが決まった。

苦難の日々を送った中原は計量後、非常に落ち着いた口調で『今の自分を出したい』と明日への意気込みを語った。


──1年2カ月振りの試合に向け、計量が終わったばかりの中原選手です。今の気持ちは?

「この減量の辛さを経験し、いよいよだなって実感しています。去年、田中半蔵選手と戦った後からナザレノ・マレガリエ(フェザー級KOP)と戦うつもりで体も大きくし80キロを超えるまで作り込みました。パワーもついたし、そこから体重を落としてきました」

──その減量も1年2カ月振りでした。

「いえ、実は5月にポーランドで試合がある予定で4月の終わりからフランスのパリに滞在し、その準備もしていたので、減量は70キロ近くまで経験はしてはいたんです」

──ポーランドで試合を?

「ハイ。Fight Exclusive Nightという大会で5月25日にダニエル・トーレスというブラジリアンと戦う予定でした。なんか噛ませ犬のような感じでオファーを貰ったのですが、だからこそ勝てばUFCの目にも留まるんじゃないかと思って。それが、その選手が同じに日にあったKSWに出ることになって……」

──凄い話ですね。

「フランスのマネージメント会社から試合を用意してもらっていたので、『絶対に試合を見つけて来るから』と言われ、そのままパリで練習していたんです。

次にまたポーランドのThunderstrike Fight Leagueという大会で、セバスチャン・コトフィッツァという11勝2敗の売り出し中の選手と戦わないかと言われて。なんかソイツはジャクソン・ウィンクMMAで練習もしているとかっていう選手で、6月15日に戦うことが決まったんです。

それなのに急に『ボクシング・ルールの試合をやる』とか言い出して。いやいや、俺はやるって言っているのに……なんでボクシングなんだと」

──いや、もうメチャクチャですね。

「コイツを喰ったら、俺が行けるって思っていたのに……。まぁパリで良い練習ができたと気持ちを切り替えて帰国しようかと思ったら、『あと2週間、滞在を延期できないか』とマネージメントから言われました。英国のCage Warriorで怪我人が出て、ベルギーの7勝1敗のサミール・アラコザイという選手と戦わないとか……それも結局、流れてしまって。

実は最初のポーランドの試合が決まってフランスへ行こうかという時にONEから話も貰ったんです。朴光哲選手がケガをして、ハファエル・ヌネスと2週間後に戦えないかと。でも、もうポーランドで試合をすることが決まっていたので、筋としてそのオファーを受けることはできなかった。そういうこともあり、もう半年前から試合はいける状態になっていたんです」

──ONEに取材に行った時に。ヨシキ・ナカハラは強いのかと尋ねられたことがあります。フランスから戻り、またパンクラスで戦うことを選択しました。

「ハイ。パンクラスと話をしてもらおうと思っていた矢先、8月の終わりごろですね……ONEから松嶋(こよみ)選手が戦うことになったマラット・ガフロフとやらないかという話もあり、それも『やる』と即答していたんです。これだけ、試合をするつもりでいて……どれも決まらなかった」

──それは大変な1年でした。でも、他の誰もが経験できるわけでないかと思います。そんななかパンクラスで中島太一選手と戦うことになりましたが、中島選手もケガで欠場になりました。

「もう泣きそうになりました……。ホントにこの1年、俺は持っていなかったなって(苦笑)」

──その中島選手はEvolve MMAのトライアウトに出ると知った時は、どのように感じましたか。

「中島の気持ちは尊重します。試合に勝っても、未来が開けるわけじゃない。それが皆の現状です。だから……ケガをしてもトライアウトを受ける。自分が同じ状況で、同じ判断をするかは分からないですが、彼が他の大会に出て違う相手と戦うなら話は違ってきますが……練習を見てもらうトライアウトなら、それは中島選手の判断ですから。そこは……僕がどうこう言えることじゃない。

Nakahara vs Nakamura僕もそうやってトライアウトに行く人に負けないだけ格闘技に賭けているので。それに中村(晃司)選手が1カ月前でも試合を受けてくれましたし、本当に感謝しています。

それに中島選手と戦う時から思っていたのは、これだけ間が空いてしまったので、相手云々でなく自分の試合をすることでした。今はスクランブルでオファーもあるし、それで相手云々なんて言っていると戦えない。そういう部分で、この1年、自分を見つめ直してきた部分を明日、出したいです。

明日、試合に勝っても再起不能のケガをする可能性だってある。明日、全部出し切れないことが一番の後悔になるので……中原ってこういうファイターなんだと分かってもらえるよう、自分を見せたいです」

──1年2カ月前とここは違うと言える部分を教えてください。

「打撃もそうだし、組み技も少し自信がつきました。組みで勝てるかといえば、そこまでじゃないけど使えるようになった。ここが増えたことで、打撃のバリエーションも増えました。それに打撃だけ見てもらっても、変わったと思ってもらえるよう戦います(笑)」

■ Pancrase302計量結果

<ウェルター級/5分3R>
手塚裕之: 77.35キロ
村山暁洋: 77.5キロ

<フライ級/5分3R>
上田将竜: 56.95キロ
小川徹: 57.0キロ

<女子フライ級/5分3R>
鈴木万李弥: 56.75キロ
シッジ・ホッシャ: 56.8キロ

<フェザー級/5分3R>
中原由貴: 66.2キロ
中村晃司: 66.0キロ

<女子フライ級/5分3R>
ライカ: 56.9キロ
エジナ・トラキナス: 56.1キロ

<バンタム級/5分3R>
福島秀和: 61.1キロ
林太陽: 61.5キロ

<フライ級5分3R>
中村龍之: 56.95キロ
鈴木千裕:59.95キロ

<ストロー級5分3R>
高島俊哉: 52.5キロ
野田遼介: 52.4キロ

<フライ級/3分3R>
井上学: 56.85キロ
杉山廣平: 56.6キロ

<ストロー級/3分3R>
前山哲平: 52.45キロ
宮澤雄大: 52.6キロ

<フェザー級/3分3R>
川那子祐輔: 65.95キロ
DARANI DATE: 65.65キロ

<フェザー級/3分3R>
杉山和史: 65.85キロ
冨田翔市: 65.95キロ

<ストロー級/3分3R>
リトル: 52.3キロ
オ・ヒョプチャン: 52.35キロ

<キック60キロ/3分3R>
鈴木宙樹: 59.75キロ
宇野高弘: 58.95キロ

<フライ級/3分3R>
猿飛流: 56.85キロ
渡辺竜也: 56.9キロ

<フライ級/3分3R>
赤崎清志朗: 57.0キロ
池田一歩: 56.65キロ

<バンタム級/3分3R>
後藤丈治: 61.3キロ
米山千隼: 61.55キロ

<バンタム級/3分3R>
大谷啓元: 61.0キロ
高瀬一平: 61.3キロ

<バンタム級/3分3R>
工藤修久: 61.55キロ
田代悠生: 60.9キロ

<フェザー級/3分3R>
渡辺謙明: 65.7キロ
鬼山斑猫: 65.9キロ

<フェザー級/3分3R>
櫻井裕康: 66.1キロ
上野惇平: 64.85キロ

<キック53キロ契約/3分3R>
JIRO: 53.0キロ
サイモン・シェ: 52.7キロ

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