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【HEAT41】来たぁ!! 春日井は開けてはならぬパンドラの箱=無敗のロシアンと対戦!!

Kasugai【写真】このタイミングでロシアン!! パンドラの箱をあける春日井──らしい選択だ(C) MMAPLANET

12月23日(土・祝)に名古屋市港区の愛知県武道館で開催するHEAT41における春日井たけしの対戦相手が17日(金)にオフィシャルホームページ、SNSで発表された。当初、TUFシーズン24出演のフィーダーショーのフライ級チャンピオンとの対戦を望んでいた春日井だが、ロシアン・ファイター=アザマット・カレフォフと対戦することとなった。


7月に元ROAD FCフライ級王者チョ・ナムジンを一本で下した春日井が、ホームであるHEATで迎え撃つ相手は、プロMMA戦績6勝0敗のロシア人。今や母国ロシアや欧州に留まらず、世界最高峰のUFCからアジアのONE、そしてロードFCまで、出場機会のあったプロモーションを席巻、台風の目となっているロシアのMMAファイターたち。

そんなMMA帝国ロシアでカレフォフは無敗を誇り、UFCレベルのファイターが揃うACBの人材育成大会=ヤングイーグルズで勝ち星を挙げている──いってみれば、このタイミングでMMA界のパンドラの箱の蓋をわざわざ相手に選んだことになる。

しかもカレフォフはバンタム級のファイターで、一階級上のバリバリのフィジカルを持つことが予想される。アマチュア時代にはロシアンMMAカップという大舞台でこそ、敗北を喫したことがあるが、当時も今も春日井が経験したことのない特異なテイクダウンをカレフォフは有している。

それはノーギサンボというべき、河津掛け系のテイクダウンだ。柔道では反則技となった河津掛けだが、サンボでは大内刈りの状態で掛けた足を大きく振り上げて、自らの体を捩じることで、その遠心力で後方に投げる豪快な技として発達してきた。

MMAでこの種の投げの使い手はまだまだ少なく、DREAMやONEで活躍してきたユサップ・サーデュラエフぐらいしか印象に残っていない。カレフォフが厄介な点は普通にダブルレッグを使えば、胸を合わせたクリンチ状態から、河津掛けに行くことなく大内刈りでもテイクダウンを奪うことができる点にある。当然、春日井もクリンチの状態では、これまでの経験からもまずは大内刈りを警戒するだろう。そこで踏ん張ろうとした相手をカレフォフは河津掛けで豪快に投げてトップを取ることができる。

上になれば鉄槌やパウンドを多用するカレフォフは、サンビストながら過去にサブミッションで勝ったことはない。打撃はオーソでフック中心のパンチ、そして左足でも蹴ることができるが、技術的には粗い。それでもパワーに溢れ、前に出てくる圧力は春日井も国内MMAで、ほとんど経験したことのないレベルにあることが予想される。

勝ち進むしかない状況で、ホームでありながらカレフォフと戦うという茨の道を選択した春日井。そして、我が子を千尋の谷に突き落とすような獅子のごとくマッチメイクをするHEAT──らしいリスクの高い、いや高すぎるカレフォフ招聘といえるだろう。

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