【UFN121】壮絶な殴り合いを制したのは、5ポンド・オーバーのカマチョだった
<160 ポンド契約/5分3R>
フランク・カマチョ(北マリアナ諸島)
Def.2-1:30-27.29-28.28-29
ダミアン・ブラウン(豪州)
体重超過のカマチョが左ジャブを伸ばし、ブラウンが右を返す。踏み込んでパンチを打ち合う両者、カマチョの左フックがブラウンを捉える。ローからシングルを仕掛けたブラウンだが、カマチョは右を差して組み勝つとバックを伺う。胸を合わせたブラウンは今度は左腕を差されバックを許しそうになるも、こらえてダブルレッグへ。
ワキ差しテイクダウンを狙い、尻餅をつかせたブラウン。スクランブルから肩パンチを連続で打ったカマチョがこの試合で初めてテイクダウンから背中をブラウンにつかせる。ブラウンはすぐにシングルから立ち上がりボディロックから小外掛けでテイクダウンを奪う。
起き上がり際にバックを許したカマチョは両足をフックされRNCを仕掛けられる。2度、タイトに絞められたカマチョはチョークを凌いで胸を合わせたところで初回が終わった。
2R、ブラウンが左から右を振るって前へ。カマチョが左ジャブをダブルで返すも、既にスタミナ切れを起こしバタつき気味だ。右を当てたブラウンは右ロー、右へ回る。カマチョはワンツーを返し、右を続ける。パンチを出すと殴られるようになったブラウンはシングルを切られ、右ストレートとボディフックを受けて動きが落ちる。
カマチョは右ストレート、右アッパー、ブラウンが右オーバーハンド&右フックを返す。カマチョは左ジャブ、右ストレートを当てる。組んで削りたいブラウンも、疲れが出てきたか待つ場面が多くなる。残り90秒で組みに行ったブラウンは離れてから右を入れる。直後に右を返したカマチョは、足を止めてのパンチの交換に笑顔を見せた直後にタイムとなった。
最終回は、握手&ハグからスタート。左ボディストレートから、エルボーを入れたカマチョ。ブラウンはワンツー、右ストレートを2つ入れる。前に出て右を当てたカマチョ、続く右を被弾したブラウンの体がのけ反る。カマチョが左ボディフック、ブラウンはサイドキックを当てる。前に出てきたブラウンに右ストレート&左フックを打ち込んだカマチョは、この展開では打ち負けない。
パンチの届く距離でのボクシングマッチを優位に進めるカマチョは、ショートのボディフック。ブラウンは左ストレートから、ステップインして右を当てる。シングルを切られ、パンチをまとめられたブラウンがケージにもたれる場面も。ここから前に出て組んだブラウン、切ったカマチョはアッパーを打たれて右を返す。残り15秒、ノーガードの殴り合いを演じた両者は、試合終了と同時に互いに手を取り合って両手を高々と掲げた。
結果はスプリットに分れ、カマチョに凱歌があがった。その瞬間、手を合わせたカマチョは「オーストラリアン、本当二素晴らしい。ウォリアーとオクタゴンとシェアできて嬉しい。彼は2Rと3Rにテイクダウンを狙わなかった。あのジェントルマンのおかげで、僕は勝てた。作戦、こういう試合がしたかった(笑)」と話し、ブラウンは「アマチュアじゃない、プロとして戦った。言い訳はしない。ボーナスが貰えることを願っている」と語った。
壮絶な殴り合いは体重超過を帳消しにできるのか。両者をオクタゴンで称え続けたダン・ハーディーの締めの言葉「次はカマチョが155ポンドで落とした状態で見たい」という一言が、MMAの真理ではないだろうか。