【RIZIN LANDMARK12】初黒星は経て、摩嶋一整戦。木村柊也「いかに強くなるかを一番のゴールとして」
【写真】敗北を糧に、如何に木村が進歩したか。注目の一戦だ (C)MMAPLANET
11月3日(月・祝)に神戸市中央区のジーライオンアリーナ神戸で開催されるRIZIN LANDMARK12にて、木村柊也が摩嶋一整と対戦する。
Text by Takumi Nakamura
6月のRIZIN札幌大会ではヴガール・ケラモフに判定負けを喫したものの、激闘を繰り広げた木村。MMAファイターとして大きな可能性を見せる一方、ケラモフの突進力と組みを徹底する戦い方への対処など修正すべき点を感じた試合でもあった。
今回対戦する摩嶋は、タイプは違えケラモフと同じテイクダウン&グラウンドを軸にしたスタイルの相手で、木村の組みへの対応力が試される試合でもある。木村は摩嶋戦のテーマを自分の成長を見せて勝つことと語った。
摩嶋選手には触らせないつもりです
――6月RIZIN札幌大会でのヴガール・ケラモフ戦を終えて、RIZIN神戸大会での再起戦が決まりました。
「負けてすぐ試合をしても反省点を修正できないので、少し間隔を開けてから試合をしたいと思っていました。ケラモフ戦から5カ月ぶりの試合で、自分の中ではちょうどいいタイミングだなと思っています」
――ケラモフ戦の反省を踏まえて、どのような部分を強化してきたのですか。
「簡単に言えば組んだ後の対処と離れた後の攻め方ですね。そこをケラモフ戦で学んだので、そういった部分を準備してきました」
――僕も木村選手とケラモフの試合を見させてもらい、木村選手の組み技の対応力を感じた半面、同じことを何度も繰り返すケラモフの強さも感じました。木村選手自身は、何を考えながら戦っていたのでしょうか。
「ケラモフは打撃には一切付き合わずに真っ直ぐ突進してきて、ああなるとこっちも組むしかないというか。完全にテイクダウン狙いは切れないんで、多少組ませてから切るという作業をしないといけなかったので、そこはものすごく大変でしたね」
――一つ一つのテイクダウンには対処できているのに、ケラモフが組み続けてくるので、結果的に木村選手が守勢に回らざるをえなかったですよね。
「はい。しかも前回の試合は自分が攻め急いだこともあって、体力的にきつくて切ることで精一杯になっていたんですよね。本来なら切った後に打撃を返したかったんですけど、そこができなかったという反省点もありました」
――それは単純なスタミナだけでなく、試合運びにも影響しますよね。反省点もある一方、通用したと感じるものはありましたか。
「自分の組みの強さを試合で見せることができたと思っているし、打撃の部分でも相手が警戒しているからこそ、あそこまで強引に組んでくるんだなというのも分かりました」
――普段から練習で組んでいるBRAVEのメンバーもレスリング力はピカイチですからね。
「はい。練習で結構やられているんで、試合でケラモフに組まれたらどうなんだろうというにもあったんですよ。でも普段の練習でレスリングが強い人と組んでいるので、実際にケラモフと組んでも『こんなもんか』という部分もありました。前回の試合で色々と感じることがあったので、それを練習に活かして自分の動きが変化していることを感じます」
――例えば今までは特に攻撃していなかった場面でも攻めるチャンスが見えてきましたか。
「ああやって強引に組んでくる選手に対しての戦い方だったり、そこに成長を感じるようになったんで。より自分の攻撃が当たるような気がします」
――今大会では摩嶋選手と対戦することになりました。木村選手の中では戦う相手としてイメージしていましたか。
「そこまで意識はしていなかったですね。いつかやることもあるのかなぐらいの感じで、まさかケラモフの次に摩嶋選手とやることになるとは思っていませんでした。ただケラモフに負けたからこそ、一旦日本人相手で良かったのかなというのはあります」
――摩嶋選手とケラモフは違うタイプですが、強引に組んで寝かせるという意味では共通点もあります。摩嶋選手のテイクダウンや寝技はどう見ていますか。
「ケラモフはパワーと勢いで極めに来る感じで、逆に摩嶋選手は冷静に組んでじわじわ極めに来るタイプなので、そこが怖い部分ではあるかなと思います」
――ざっくり言うとレスリング的な部分だけでなく寝技・グラウンドの対処も求められそうですね。
「そこは意識してやっていますが、僕をテイクダウンしようとしたらケラモフみたいに打撃を恐れずに突っ込んでくるしかないと思うので、中途半端に組もうとしても自分には触れないと思います。もちろんレスリングや寝技の対策はしますが、摩嶋選手には触らせないつもりです」
ここをしっかり勝つことで次の景色が見えてくると
――前回のケラモフ戦を受けて木村選手に期待しているファンの人たちも多いと思います。今回はどのような姿を見せたいですか。
「自分でも前回からの成長が問われる試合だと思っているし、その中で打撃もそうですし、寝技に持っていかれた時に自分がどう対応するのか。自分の成長を皆さんに知ってもらういい機会だと思っています。勝つことは前提で成長した自分を見せられればいいなと思っています」
――結果は当然のことながら、どれだけを強くなったかを見せるための試合ですね。
「そうですね。本当にそこがテーマではあります」
――RIZINフェザー級ではラジャブアリ・シェイドゥラエフが圧倒的な王者として君臨し、他にも強豪揃いの階級です。改めてそこに向かっていく心境を聞かせてもらえますか。
「いつかは自分がトップの立場に立たないといけないというのはあるんですけど、今の自分の状況ではまだまだですし、ここをしっかり勝つことで次の景色が見えてくると思います」
――RIZINに参戦したことで今まで接点がなかった選手たちと戦うことは木村選手のモチベーションにもなっていますか。
「そうですね。RIZINでは3戦連続グラップラーと試合が組まれて、普通自分みたいなストライカーはグラップラーとあまりやりたくないと思うんですけど、自分を強くするという意味ではグラップラーと3試合連続で戦えることはプラスでしかないと思っています」
――とはいえフェザー級も強豪ストライカーが多いんで、木村選手がそういう選手とやり合ったらどうなるんだろうとも思うのですが、木村選手自身は強豪ストライカーと打撃でバチバチにやりあってみたいという気持ちはないですか。
「やってみたい気持ちもありますけど、そういう人たちとやる前にグラップラーとやっておくと、実際ストライカー同士の試合になった時に逆に自分がテイクダウンや寝技の展開に持っていけるんじゃないかなと思うんですよね。周りが求めるものや期待するものがあるかもしれませんが、自分はMMAファイターとしていかに強くなるかを一番のゴールとして見据えています」
――そういった意味でも摩嶋戦の結果で次のチャンスにつながるかどうかが変わってくると思います。それも含めてどんな試合で勝ちたいですか。
「もちろん自分は1RKOを狙っていますし、その短い時間の中でも成長を見せることができればなと思っています。木村柊也が強くなって帰ってきた姿をお見せします」
■視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!



















