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【Pancrase356】ストロー級QOPC消滅。KARENが話していたこと「新しい気持ちで見てもらえる」

【写真】王座奪回に向け、ゆるぎない自信を見せていたKAREN(C)TAKUMI NAKAMURA

23日(火・祝)に東京都港区のニューピアホールで昼夜興行として開催されるPancrase356&Pancrase357。昼の部=Pancrase356のメインイベント=ストロー級QOP選手権試合で王者ソルトに挑戦予定だったKAREN。
text by Takumi Nakamura

しかしながら21日(日)にソルトの負傷で、この試合が行われないことが明らかとなった。THE BLACKBELT JAPANのGladiator032にセコンドで訪れていた鶴屋浩代表によると、その前日にタイトルマッチ消滅を知ったKARENの落ち込み様は相当だという。

過去2度ソルトに敗れているKARENだが、真のTHE BLACBELT JAPAN所属ファイターとして以前とは別人の自分をソルトにぶつけるつもりだった。

同時に同い年の万智のエールを受け、2人で新しい時代の幕を開けると燃えていたKAREN。MMAPLANETでは彼女のインタビューを今月5日に行っていた。ソルト戦は流れたが、KARENのこの試合に掛ける気持ちをここで紹介しておきたい。


――昨年9月のエジナ・トラキナス戦以来、約1年ぶりの試合でソルト選手との3度目の対戦=女子ストロー級QOP選手権試合が決まりました。試合間隔が空いたのには何か理由があったのですか。

「私としては試合をしたかったのですが、なかなか相手が決まらずに試合が空いてしまいました」

――KAREN選手は2023年4月の2度目のソルト戦以降は4連勝と好調です。ご自身ではどこが連勝の要因だと自己分析していますか。

「THE BLACKBELT JAPAN(移籍当初の表記はパラエストラ柏)に移籍してすぐの頃と比べると、自分でも柔術や寝技の部分が出来るようになってきたと思います。しっかりテイクダウンして寝技で攻められるようになったことが勝ちにつながっているんじゃないかなと思います」

――新しい練習環境で学んだことを出すまでは時間も必要でしたか。

「そうですね。テイクダウンは試合と練習では感覚が違うじゃないですか。それを試合でやるのは勇気がいるし、そこをしっかり出せるようになってきたのかなと思います」

――意識して覚えた技術を出そうとしている部分もあったのですか。

「理想は練習で覚えた技を自然に出すことなんですけど、意図的に出すところと半々くらいでしたね。練習では(覚えた技が)自然と出るようになってきているので、それをケージの中という環境が変わった中でも出来るかどうかが課題だと思っています」

――ジムを移籍して一番変化した部分は寝技・組み技ですか。

「そうですね。あとはジムに色んなタイプの選手がいるので、毎回新鮮な気持ちで練習できていますね。そこはある意味試合と似ているかもしれないです」

――THE BLACKBELT JAPANは所属選手が多いと普通に練習していても手合わせするのが久々になる選手もいますよね。

「同じジムにいても手を合わせるのが久々になる選手もいますし、そういう選手とスパーリングすると今まで練習でやってきたことを試せたりもするので。試合間隔は空いてしまいましたが、自然に試合に近い練習は出来ていたと思います」

――KAREN選手は16歳でデビューしていて、デビュー当初は怖いもの知らずだったと思います。今は色々な経験を積んで技術を学んで、以前の思い切りの良さとどうバランスを取っているのですか。

「実は移籍してからもジムの人から怖いもの知らずだねと言われるので、そこは変わってないのかもしれないです。昔の方がもっとガーッ!と行っていたと思うんですけど、今も落ち着いて戦っている印象は持たれていないみたいです(笑)」

万智ちゃんと2人でベルトを獲って、自分たちの世代で日本のMMAを盛り上げていきたい

――思い切りやるマインドは変わらず、そこに経験とスキルがプラスされているのですね。

「そういう感じだと思います」

――実際にスキルが上がったことで自分のやりたい動きが出来るようになった部分はありますか。

「そうですね。ジムで技を教えてもらって、この場面でどうしたらいいんだろう?という疑問を周りからも教えてもらえて、そこが解消されることでより体に落とし込めている実感があります」

――KAREN選手にとってソルト選手はベルトを奪還するための相手でもあり、過去2度対戦して2度敗れている相手でもあります。ソルト選手に勝ってベルトを獲り返したいという気持ちはありましたか。

「ずっとソルト選手とやらせてほしいと言っていましたし、ベルトを獲り返すために試合を続けてランキング1位をキープしてきたので、やっとここでソルト選手と戦えるという感じです」

――今回が3度目の対戦ですが、最初の対戦はKAREN選手にとっては防衛戦、2度目の対戦はソルト選手の持つベルトに挑む形、3度目の対戦はTHE BLACKBELT JAPANで本格的に練習を積んだうえでの対戦と、それぞれシチュエーションが異なりますね。

「そうですね。2回目はジムを移籍してすぐの試合だったので、いきなり新しい技術を詰め込んでも試合で出すのは難しかったと思うんですね。そこで言えばTHE BLACKBELT JAPANで練習してきたことが体に染み込んできましたし、三度目かよと思う人もいるかもしれませんが、お客さんには新しい気持ちで見てもらえる試合になったと思います。自分でも過去2回とは同じ展開にはならないと思うし、結果も変わると思います。今回の試合でソルト選手からベルトを獲りたいです」

――MMAPLANETではDEEP JEWELS50でタイトル戦前の万智選手にも取材していて、その時に「9月は万智とKARENちゃんがチャンピオンになって、新しい時代の幕開けにします。そうしないといけない」と話していました。万智選手からの言葉を聞いてどう感じますか(※取材は9月5日)

「私も万智ちゃんのインタビューは読みましたが、ものすごくうれしかったです。万智ちゃんとは同い年で、同じ階級で、同じ時期にタイトルマッチのチャンスが巡ってきて、万智ちゃんはRIZINでソルト選手とも戦っていて、色々とつながるところが多いんですよ。団体は違いますが同じ月に同じ挑戦者側でタイトルマッチをやるというのはなかなかないことですし、万智ちゃんにはJEWELSのベルトを獲ってもらって、自分はパンクラスのベルトを獲って。万智ちゃんと2人でベルトを獲って、自分たちの世代で日本のMMAを盛り上げていきたいです」


■視聴方法(予定)
9月23日(火・祝)
Pancrase356 午後12時15分~U-NEXT
Pancrase357 午後4時55分~U-NEXT

■Pancrase357対戦カード

<フェザー級/5分3R>
平田旭(日本)
コシム・サルドロフ(タジキスタン)

<ウェルター級/5分3R>
村山暁洋(日本)
スパイク・カーライル(米国)

<フェザー級/5分3R>
石田陸也(日本)
岡田拓真(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
畑大晴(日本)

<バンタム級/5分3R>
松井涼(日本)
アンドレイ・チェルバエフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
張豊(日本)
斎藤主己(日本)

<バンタム級/5分3R>
梅原規祥(日本)
宮城成歩滝(日本)

<フライ級/5分3R>
小原統哉(日本)
嶺大基(日本)

■Pancrase357対戦カード

<バンタム級/5分3R>
遠藤来生(日本)
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
松井斗輝(日本)
山口怜臣(日本)

<フライ級/5分3R>
谷村泰嘉(日本)
水戸邉荘大(日本)

<フェザー級/5分3R>
貫井義規(日本)
大谷啓元(日本)

<フェザー級/5分3R>
星野柊哉(日本)
関翔渚(日本)

<バンタム級/5分3R>
増田怜央(日本)
水島和磨(日本)

<フライ級/5分3R>
齋藤楼貴(日本)
土谷 wisdom 勇斗(日本)

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