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Overlooked【Gladiator032】強打の荒井銀二を、前に出て打開。ヅッキーニョスが辛くもスプリット判定勝ち

【写真】見当どころでなく、勝っていてもおかしくなかった荒井。この勝負で勝利を手にできたヅッキーニョスにとっても意味のある試合となった(C)SHOJIRO KAMEIKE

スケジュールの都合により速報できなかった試合をお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。今回は21日(日)に大阪府豊中市の176BOXで行われたGladiator032より、ライト級3回戦=チハヤフル・ヅッキーニョス×荒井銀二の一戦をお届けする。
Text by Manabu Takashima

キャリア19戦目、ライト級の体ができつつあり打撃と組みの融合を目指すヅッキーニョスが、右のパンチ力は絶対的な4戦目の荒井のチャレンジをいかに迎え撃ち、完成形に近づくことができるか。

<ライト級/5分3R>
チハヤフル・ヅッキーニョス(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
荒井銀二(日本)

サウスポーから左インローのヅッキーニョスが、テイクダウンを狙う。距離を取った荒井が続くダブルレッグも切る。荒井はボディストレートを入れ、ジリジリと圧を掛けて左リードフックで前へ。そして、テイクダウンのフェイクから右を伸ばす。続いて右ボディストレートを入れた荒井は、しっかりとヅッキーニョスのテイクダウン狙いを見切っている。

左ジャブから右の荒井に対し、右を返したヅッキーニョスが右ストレートを被弾する。ヅッキーニョスは左ストレートからダブルもサークルアウトされる。

テイクダウン狙いを見究めて、打撃を伸ばす荒井が右をヒット。ヅッキーニョスは跳び蹴りとリズムを変えに掛かる。

踏み込みの瞬発力をあげた近めの距離からのダブルもスプロールされたヅッキーニョスは右を被弾。

ならばと左ストレートを返して、インローから連打へ。

フックを打ち返した荒井は、ワンツーを打たれる。乱打戦になるとヅッキーニョスの勢いに押される感もある荒井は右を2発ヒットさせた直後、初めてダブルレッグで倒され、その直後にラウンド終了を迎えた。

2R、ジャブから左ストレートのヅッキーニョス。初回より近い距離でパンチを伸ばし、ダブルレッグでケージに荒井を押し込む。ハイクロッチからのリフトを耐えた荒井が、離れようとする。

追いかけてドライブのヅッキーニョスが、再びケージに押し込む。ボディロックからワキを潜ったヅッキーニョスは、自ら背中をつけてバックへ。その刹那、荒井が立ち上がるとヅッキーニョスはダブルレッグでケージに押し込むが、頭を上げてクリンチへ。

肩パンチのヅッキーニョスが、レベルチェンジからダブルレッグ。荒井はこれも切って離れた。ヅッキーニョスが左ミドル、荒井は圧を高めてジャブを伸ばすがヅッキーニョスが飛び込んでワンツーを振るう。荒井は右アッパー、右ストレート。ヅッキーニョスはここで組みに行かず打撃右リードフックを放つ。右ハイをブロックしたヅッキーニョスが右を返し時間となった。

最終回、すぐに距離を詰めたヅッキーニョスが左インローからダブルレッグでテイクダウンを奪う。ケージを背負って座った荒井に対しボディロックから背中をつかせようとする。右足を跳ね、尻をずらして立ち上がった荒井はヅッキーニョスのステップインにカウンターを狙う。ハイからパンチの荒井。

それでも前に出るヅッキーニョスは左から前蹴りを2つ入、右フックを当てる。ジャブ&左ストレート、前蹴りからダブルレッグのヅッキーニョスが、シングルからボディロックでテイクダウンを狙う。ケージを利して耐える荒井はウィザーでバックに回らせない。ヅッキーニョスはスピニングバックエルボーを狙うも、空振りに。ここで試合はケージ中央に。左を当てたヅッキーニョスが、サークリングで回る荒井を追いかけて左をもう一つ入れる。荒井も疲れが見えるなかで、最終局面では打ち合いへ。根性ファイトとなったヅッキーニョスが、ワンツーを当てタイムアップに。

序盤に適格かつ威力のあるパンチを出していた荒井を終盤追い上げたヅッキーニョス。裁定は割れ、2-1でヅッキーニョスに凱歌が挙がった。2Rのタイトな組みが、荒井の打撃より評価されたか。キャリア4戦目の荒井に対し、ヅッキーニョスは薄氷を踏むようなスプリット判定勝ちだった。


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