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【DEEP126】KENTAとDEEPフライ級王座決定戦、村元友太郎「日本人同士の戦いには全然怖くない」

【写真】そろそろ可視化できる勲章が欲しい――いや必要になってきた村元だ(C)MMAPLANET

17日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP126、DEEPフライ級王座決定戦で村元友太郎がKENTAと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2023年以降はDEEPとRIZINで交互に試合を続けていた村元だが、今年はDEEPフライ級のベルトを獲ることに照準を絞り、5月に関原翔をスプリット判定で振り切って、KENTAとの王座決定戦のチャンスを掴んだ。

RIZINで積んだ国際戦の経験値は村元を成長させ、新たなファイトスタイルを創るきっかけにもなった。村元にとってキャリア初となるベルト、そしてRIZIN再出撃のためにも必要不可欠なベルトへの想いを訊いた。


今までは自分の身体能力や瞬発力だけに頼ってやっていた

――約1年ぶりのKENTA選手との再戦がDEEPフライ級王座決定戦として決まりました。最初にこのオファーを受けた時の心境はいかがでしたか。

「今年の頭にDEEPの佐伯(繁)さんと話をして、上半期にフライ級の試合を幾つか組んで、そこで勝った選手で夏にタイトルマッチを組みたいという流れだったんですね。それで自分の中で今年はRIZINは一回置いておいて、DEEPのベルトを獲る年にしようと。だから5月の関原(翔)戦が王座決定戦への切符をかけた試合だと捉えていて、関原戦に勝った時点で次はタイトルマッチになるだろうなと思っていました」

――その関原戦は村元選手にとってはどんな試合でしたか。

「関原選手はかなり負けが少ない選手で、ここ数年では伊藤(裕樹)選手にしか負けてないんですよ。その戦績に相応しい選手で、やっぱりやりづらい選手という印象でしたね。僕がやりたいことをやらせてくれない感じで、厳しい試合になっちゃいました(苦笑)」

――試合をしながら関原選手の上手さを感じましたか。

「そうですね。分析力と遂行力があって、全体的にバランスが取れていて上手いというか。安定して勝つ選手なんだなというのを試合で感じていました」

――そのなかでご自身ではどこで差をつけて勝つことが出来たと思いますか。

「1Rにテイクダウンしてバックを取って、そこで極めたい流れだったんですけど、相手は絶対に背中を向けてこないし、下からギロチンを狙ってきたり、仕掛けも豊富で攻めも独特だったかなと思います。それでも1R攻めていたのは僕の方で、2Rも僕が攻めていたと思うんですけど、向こうは向こうでギロチンを仕掛けてきたり、あっちにつけるジャッジもいるかもしれないと思いました。3Rは僕がフラッシュダウンみたいな感じで後ろに倒れる場面があって、そのまま行くと印象が悪いと思ってギアを上げたんですよ。テイクダウンして上からパウンドを入れてやろうと。逆に向こうはダウンっぽい一発を当ててポイントを取っていると思ったみたいで(動きを)固めてきたんで、残り30秒はパウンドで攻めようと思って試合を終わらせました。そこで印象つけて自分が勝ったかなって感じですね」

――関原戦の前のMMAPLANETのインタビューでは、ファイトスタイルを変えている最中だということをおっしゃっていましたが、現時点での新しいファイトスタイルの完成度はどう感じていますか。

「今までは自分の身体能力や瞬発力だけに頼ってやっていたんですけど、ボクシングを学ぶことによって近い距離の攻防だっり瞬発力に頼らない距離で冷静に戦えるようになったと思いますね。この距離だったら大丈夫みたいなところが自分の中で掴めてきた感じです」

――村元選手がもともと持っているファイトスタイルから行くと、近い距離や今までやらなかった距離の技術を覚えることでトータル的に試合を運びやすくなったのではないですか。

「めっちゃそうですね。すごく楽に戦えるようになって、打撃でも誰とやっても自信があります」

――今回はKENTA選手との再戦ですが、前回の対戦も踏まえてどんな印象を持っていますか。

「パワータイプのグラップラーという印象ですね。力と力で勝負するとめちゃくちゃ強いタイプだと思うんですけど、僕はスピードと動き、展開を変える動きが得意なんで、相性としてはいいかなと思います。まさにそれが1回目の対戦で結果として出たと思うし、KENTA選手は苦手なタイプではないですね。ただ一発は重いし、神龍選手も一発をもらって結構効かされていたんで、ああいう攻撃には気を付けないと命取りになるなと思います」

――前回の対戦ではイメージ通りに戦うことが出来たのですか。

「そうですね。器用に戦い方を変えてくるタイプではないと思うので戦略は立てやすいです。前回はRNCを極めかけたのにグルグル回られて逃げられてしまったので、ああいう動きもしっかり修正して次は逃がさないようにフィニッシュしたいです。何回やっても結果は一緒だよって思わせたいですね」

一度しっかりDEEPで連戦してベルトを獲って、RIZINで外国人選手と戦っていきたい

――タイトルマッチという部分でこれまでとは違う心境はありますか。

「今年は何としてもDEEPのベルトを取りたいです。自分もキャリアが長くなってきましたけど、まだ一度もベルトを巻いたことがないんで」

――どれだけいい成績を残してもベルトを巻く・巻かないでは大きな違いがありますし、自分がMMAをやってきた証としてベルトを巻きたいという気持ちはありますか。

「それはめちゃくちゃありますね。自分はDEEPで連勝中の相手に勝って、RIZIN名古屋で初参戦の強い外国人に負けるみたいなことが何年も続いていて、DEEPのタイトルマッチまでなかなかたどり着けなかったんですよ。でも今年は年始にタイトルの話を聞いて、だったら一度しっかりDEEPで連戦してDEEPのベルトを獲って、それからRIZINに出て外国人選手と戦っていきたいと思っていますね」

――結果は厳しいものでしたが、RIZINで強豪外国人選手と戦ったことで得たものは大きかったですか。

「もちろんあります。UFCで7位までいったホジェリオ・ボントリンとの戦いトニー・ララミー戦、彼らのような相手とやってきて、そういうやつらの力を肌で感じているので、日本人同士の戦いになると僕としては全然怖くないです」

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――今はDEEPのベルトを巻くことが一番だと思いますが、その先にはRIZIN再出撃を見据えていますか。

「やっぱりDEEPのベルトを獲ってRIZINに乗り込みたいです」

――そのためにもKENTA戦はただ勝つだけでなく、期待感を持ってもらえるような試合が求められますね。

「本当にそう思っています。やっぱり村元強いなと思わせるような試合にしたいという思いで自分を作っています」

――当日は超満員の後楽園ホールでのタイトルマッチになると思います。どにような試合を見せたいですか。

「僕を応援してくれる人も名古屋からたくさん来てくれるし、これまでやってきた集大成だと思っているので、みんなの前でベルトを巻きたい、みんなに僕がベルトを巻く姿を見せたいですね。そして僕とKENTA選手で満員の後楽園ホールを盛り上げる試合をしたいです」

■視聴方法(予定)
8月17日(日)
午後5時40分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ

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