【DEEP125】関原翔と対戦、村元友太郎「DEEPのベルトを巻いて、RIZINフライ級GP優勝者と――」
【写真】ジム運営も順調で高級車に乗っているという噂の村元だが、まだまだ強くなり続けているという実感を得て関原戦に臨む(C)SHOJIRO KAMEIKE
5日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP125で、村元友太郎が関原翔と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
村元のプロデビューは2015年3月、ベテランと呼ばれるキャリアに達しようとしている。DEEPとRIZINを主戦場に戦うなか、ここ最近、彼のファイトスタイルにも大きな変化が見られた。敗れた昨年11月のトニー・ララミー戦でも、その変化に確かな手ごたえを感じているという。そんな村元が語る関原戦、DEEPフライ級のベルト、そしてあの練習仲間と交わした約束とは。
――本日は村元選手のパーソナルジム「Baaan GYM」に伺いました(※取材は4月10日に行われた)。ジムの経営も順調だと聞いています。
「調子良いですよ、ウフフフ」
――ジムの経営が軌道に乗ると、それだけ忙しくなり、現役選手としての活動に影響は及ぼしませんか。
「そういうのはないですね。選手を育成する格闘技ジムであれば、自分よりも所属選手のことが優先で――ってなると思います。でもここはパーソナルジムなので。もともと僕はアライブの社員として働いていたんですよね。当時から朝練習して、昼は社員としてパーソナルトレーニングを担当し、夜また練習するという生活サイクルでした。その生活サイクルは今も変わっていなくて。今は自分のジムで、昼はトレーナーの仕事をしているというだけで。ずっと一緒の生活スタイルですね」
――なるほど。練習環境の面でいえば、名古屋のプロ選手が集まる寒天練にも参加しています。
「僕は18歳の時にアライブに入って、28歳ぐらいまでアライブをメインに練習していました。そのなかで、春日井”寒天”たけしさんが扇久保博正さんと対戦する頃(2021年6月、RIZINバンタム級JAPANグランプリ1回戦)に、『名古屋のプロだけ集まって早朝に練習しようぜ』という話になったんですよ。その練習会は、最初は和田教良さんのガイオジムで始まって。
練習開始が朝8時からプロだけでガツガツ練習する時間をつくれば、そのあと自分のジムの朝練に行きたい人は行けばいい。そうすれば各ジムの練習に影響はないだろう、という感じで。春日井さんが引退してからは、今の春日井さんのジムに集まるようになりました。
寒天練が始まった当初は、一部で『その練習会に行ってはいけない』みたいな風潮もあったみたいなんですよ。でも今は、いろんな選手が来てくれて――昨日は伊藤裕樹君とバチバチやり合いましたよ。一緒に神龍誠対策をやっていました」
――いまや伊藤選手とは練習仲間なのですか。同じフライ級で対戦する可能性もあると思いますが……。
「もともと伊藤君とか同じ階級の選手とも練習したいと思っていたので嬉しいです。確かに同じ階級ではあるけど仲間意識も持っているし、そこは割り切っています。練習ではお互いに良いところを教え合っていて、伊藤君がララミーと対戦する時も、僕から言えることはどんどん言っていましたよ」
――ララミーと対戦経験がある者として、伊藤選手のララミー対策に村元選手も関わっていたのですね。
「はい。とにかく距離を取る。絶対に組んではいけない。ララミーは何階級も上のようなパワーを持っているから、と」
――そのアドバイスのおかげか、伊藤選手は良い距離感と連打を見せ、ララミーに勝利しました。ただ、自分自身が敗れている相手に伊藤選手が勝った。練習仲間としての嬉しさとともに、同階級のファイターとしての悔しさはありませんか。
「う~ん……、悔しさがないわけではないですよ。もちろん普通に悔しさは持っています。でもそれと同時に、素直に伊藤君には勝ってほしかった。だから試合前に、自分が言えることは何でも言っていましたね」
――対して村元選手は現在30歳。村元選手といえばステップワークが最大の武器ですが、あのスタイルは体を酷使すると思います。
「そうなんです。だからファイトスタイルは少しずつ変えてきました。昔はピョンピョン飛び跳ねていましたけど、その量を減らして、しっかりボクシングの動きを取り入れています。今は月2回、東京のGENスポーツに行って田牧一寿さんの指導を受けているんですよ。
2020年8月にDEEPで鮎田直人選手に勝った時、僕は荒々しい感じの打撃からテイクダウンに行っていて。要は全然、打撃ができていませんでした。その試合を見て長谷川賢さんが『その調子で上に行くと、カウンター食らって終わりだぞ。トレーナーの田牧さんを紹介する』と言ってくれたんですよ。試合があった翌週、早速GENに行って田牧さんの指導を受けたら『おぉっ……』って」
――指導の初回で、それだけ変わるものですか。
「変わります。田牧さんから教わった基本のステップを、名古屋に帰ってから練習し続けました。僕は空手を取り入れて、ぴょんぴょん跳びながら飛び込むスタイルでしたけど、田牧さんからは『そのステップをやめろ』と言われて」
――いきなり自分のスタイルを否定されたのですね。
「アハハハ。『ボクサーで、そんなことをやっている選手はいないだろう。井上尚弥やフロイド・メイウェザーを見てみろ。みんなベッタリと足を着けている。今UFCでも、そんなに飛び込んでいる選手はいるか?』と言われましたね。僕が『いや、堀口恭司選手が……』と言ったら、『その堀口選手も飛び込む時にパンチを合わされて負けたじゃないか。カウンターを合わされたら地獄。そのステップをやめたら勝率は上がる』と。
今のステップについて細かいことは言えないけど、ある程度近い距離で戦いながら、レスリングとか全部やらないといけないって思いました。ララミー戦でも、もっと距離をつくりたかったですよ。相手のプレッシャーは凄いし。でも、そこで我慢できないと上には行けない。田牧さんからも『相手のプレッシャーに立ち向かってみろ!』と言われて、そのとおりに戦ったら、めちゃくちゃカーフを蹴られました(笑)」
――オチのように言わないでください(笑)。
「あの試合は、カーフを蹴られまくって自分もリズムが崩れてしまいましたね。でも試合中に修正することができて、右アッパーも当たりましたよね。だから、このスタイルを安定させていければ――と思っています」
――確かにララミー戦は、試合が進むにつれ村元選手のパンチも当たるようになっていました。徐々に距離が合ってきたのですね。
「やっぱりスタイルを変えるにあたって、最初は怖いですよ。でも慣れてくれば大丈夫。新しいスタイルをどんどん修正して、今ようやく染みついてきたかなって頃ですね」
――2022年から勝っては負け、勝っては負け……という戦績が続いています。それはスタイルチェンジの影響もあったのでしょうか。
「それは影響しました。さらにDEEPで勝ったあと、地元で開催されるRIZINで未知の外国人と組まれるという(苦笑)」
――そのサイクルで今回はDEEPで関原選手と対戦します。復帰戦としては厳しい相手です。
「関原選手はオールラウンダーで、フライ級の中ではフレームも大きい。ブランクから復帰して今は3連勝中と、しっかり勝ち切ることができる選手ですよね。杉山君とか実力者、テクニシャンにも勝ってきているので、侮れない相手です。でも『今まで戦ってきた相手が違うぞ』というところを見せたいです。
ここでしっかり勝てば、DEEPのベルトも見えてくると思います。今年はRIZINフライ級GPがあるけど、自分が見ているのはDEEPのベルトなんですよ。DEEPベルトを獲って、RIZINフライ級GPの優勝者や準優勝者と対戦できたら良いですよね」
――美味しいところを搔っさらおうとしていますね(笑)。
「アハハハ!」
――そのRIZINフライ級GPの優勝者が伊藤選手だった場合、戦いますか。
「あぁ~っ、そうですね。RIZINのGP優勝者とDEEP王者という形なら、ぜひ対戦したいです。今の伊藤君ならGPで優勝できると思うし、ずっと2人で話をしているんですよ。『いつかタイトルが懸かった試合で対戦しようぜ』と」
■DEEP125 視聴方法(予定)
5月5日(月・祝)
午後5時50分~ YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV
■DEEP125 対戦カード
<DEEPバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]福田龍彌(日本)
[挑戦者]牛久絢太郎(日本)
<DEEPフェザー級GP準決勝/5分3R>
海飛(日本)
水野新太(日本)
<DEEPフェザー級GP準決勝/5分3R>
五明宏人(日本)
高橋遼伍(日本)
<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]佐藤洋一郎(日本)
[挑戦者角野晃平(日本)
<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
関原翔(日本)
<女子アトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
イ・イェジ(韓国)
<フェザー級/5分3R>
奥山貴大(日本)
直樹(日本)
<アマチュア フライ級/3分2R>
琥(日本)
小祝歩夢(日本)