【UFC ESPN71】平良の相手がパク・ヒョンソンに!! 参謀・岡田遼は「アルバジより怖い、本当に嫌な相手」
【写真】Road to UFC2022フライ級ウィナー。ヒザの負傷を乗り越えて再起した29歳(C)MMAPLANET
28日(月・現地時間)、UFCが2日(土・同)にネヴァダ州エンタープライズのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN71のメインで平良達郎と対戦予定だったアミール・アルバジの欠場と代役パク・ヒョンソンとの対戦を発表した。
Text by Manabu Takashima
昨年10月にブランドン・ロイヴァルと激闘の末、キャリア初黒星を喫した平良の再起戦は、ランク3位のアルバジというタイトル挑戦への大きな足掛かりとなるマッチアップがなされていた。が、試合の8日前にアルバジ欠場の報が平良陣営に届く。
UFCで既に8戦目を迎える平良だが、デビュー戦から数えて対戦相手の変更及びリスケジュールは公式発表されただけでも6度に及ぶ。UFCでの戦いはそういうモノという心構えはできているだろう。とはいっても、3位でタイトル挑戦に進める相手からノーランカーで無敗の選手を相手と戦う事態は、平良の精神面にいかに影響があるかは気になるところだ。
この点について9月2日のLemino修斗で引退試合を戦い、プロモーター業をスタートさせる参謀・岡田遼は「松根さんが現地入りしているので、精神面のサポートは任せることができるので良かったです」と話す。
パク・ヒョンソンはもともと翌週のUFC ESPN72でアレックス・ペレスの代役としてタイトルコンテンダーのスティーブ・アーセグと戦う予定だった。
ここからは憶測となるが、本来UFCとしてはアルバジの代役としてヘッドライナーを期待したのはパク・ヒョンソンではなくアーセグだったのではないだろうか。それでも無敗の韓国人ファイターが平良の対戦相手に決まったということはアーセグが、1週間前倒しのファイトを固辞したことは想像に難くない。
アーセグとしては平良が怖いということはないはずだ。しかし、1週間の前倒しは厳しい。これが3週間前なら間違いなく承諾していただろう。なんせアーセグは、UFCデビュー戦では8日前のショートノーティスを受けている。今や、タイトルコンテンダーとなりリスク回避は当然ともいえる。同時にこの1週間の前倒しはパク・ヒョンソンにとっても、相当な覚悟が必要だったはず。
そのパク・ヒョンソン、戦績は10勝0敗で4KOと5つの一本勝ちと、まさにUFCが求めるフィニッシャーだ。スタイル的にはアグレッシブな打撃主体のウェルラウンダー。何よりも警戒したいのは、平良にとってはまだ課題として残っている接近戦のボクシングの強さだろう。
あのボディショットを受ける位置に留まっておきたくはない。加えて、テイクダウン防御&スクランブルでバックを許さない戦い方は、ショートノーティスで一番避けたいタイプの選手ともいえる。
と同時に肝となるのが、5R製。そしてフライ級のリミットでこの試合が実現することだ。1週間前であれば――これも憶測になるが――普通はキャッチウェイトが提示されたはずだ。パク・ヒョンソンとして、それが当然。平良陣営として、本来は譲れないが致し方ない部分。真相はどうであれ、平良陣営――つまり松根氏が125+1ポンド・オーバーで戦うことを了承させたのであれば、既に始まったパク・ヒョンソン戦で一歩リードしたという見方もできる。
そこを受けたパク・ヒョンソン。序盤の爆発力は、警戒レベル4~5、平良にとっては本当に怖い代役の登場となる。
平良とファイトキャンプを過ごし、Lemino修斗の発表会見のために帰国し、明日から再合流を果たす岡田の対戦相手変更とパク・ヒョンソン評は以下の通りだ。
岡田遼
「達郎はまず試合がなくなることを危惧していました。同時に他の大会で見合った相手という考えもあったようです。でもメインイベンターとして『穴を空けるわけにはいかない。誰とでもやります』と気持ちを切り替えていました。
正直、僕としては失う者がないヒョンソンは怖いです。アルバジより怖い……怖いです。嫌です、本当に。
喧嘩の距離でのパンチの回転力、あれはまだ達郎が経験していないところで試練です。けどポジティブに捉えると仮想ジョシュア・ヴァンですし、MMAの総合力が必要な相手なので距離のコントロールから、松根式MMAで完封すると思います。ロイヴァル戦以降の成長、的を絞れない動きとテイクダウンの連動が成長しています。序盤を乗り切れば、4Rと5Rで仕留めるイメージで戦えると思います」
■視聴方法(予定)
8月3日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前6時45分~U-NEXT