【EBI24】快挙!! 高橋がフィジカル強化&オタツロック駆使のOT対策でコンバット柔術トーナメントを制す
【写真】メキシコに同行した森安一好トレーナーと。有酸素能力向上の効果が発揮された(C)YUKI TAKAHASHI
27日(日・現地時間)、メキシコ第二の都市モンテレイのヒムナシオ・ヌエボ・リオン・ウニドにて開催されるEddie Bravo Invitational24で、高橋Submission雄己がコンバット柔術ルールのバンタム級16人制トーナメントに出場した。2023年大会以来、2度目のコンバット柔術へのチャレンジとなる高橋の戦いをお伝えする。
Text by Shojiro Kameike
1回戦の相手はメキシコのウリエル・ウリベだ。メキシコのMMAプロモーション「ラックス・ファイト・リーグ」を主戦場とし、プロMMA戦績は7勝5敗。試合は開始早々、ウリベがニータップで飛び込むも、高橋が返して掌底を打ち込んだ。スクランブルから巴で返した高橋がトップへ。掌底の打ち合いから右へパスした高橋は、サイドからニーインザベリーで押さえ込む。ハーフに戻し、亀になるウリベ。両者スタンドに戻り、ウリベのシングルレッグを受けた高橋はチョイバーから、背中を着けたウリベの左足を取り、外ヒールを極めた。
続く準々決勝の相手は、試合前のインタビューで「やりづらい相手」として挙げていたマニー・ヴァスケスに。高橋はシッティングガード→バタフライから、ヴァスケスのアッパー掌底に耐えつつスイープを狙うも返し切れず。シッティングからバタフライに戻った高橋に対し、ヴァスケスがボディロックパスを狙うとチョイバーを仕掛ける。これは凌がれて試合はタイムアップ、オーバータイムに突入する。3回にわたるオーバータイムの中、高橋はヴァスケスのボディトライアングル→RNCを凌いだ。自身もバックマウントを選択し、オタツロックでポジションをキープ。エスケープのタイム差で高橋がヴァスケスを下した。
準決勝で高橋の前に立ちはだかるのは、準々決勝でUFCファイターのジミー・フリックを腕十字で秒殺したクリス・クロフォード。高橋は引き込んで左右の足を狙うも、クロフォードがバックマウントからボディトライアングルを組んだ。しかし、ここから高橋は笑みを見せながらクロフォードのRNC、ツイスター、フェイスロックを凌ぎ続ける。残り2分で両者がスタンドに戻り、ラスト30秒で高橋がストレートフットロックを仕掛けるもタイムアップ。オーバータイムでクロフォードの腕十字をエスケープした高橋が、自身のターンでバックマウントからRNCでタップを奪った。観客からは大歓声が高橋に贈られる。
そして迎えた決勝戦――相手のアイザック・コルドバはここまで3試合、全て一本勝ちしている。対する高橋は2試合連続でオーバータイムに突入。本来ならスタミナ面が不安視されるが、これこそ高橋がフィジカルトレーニングで鍛え上げてきた有酸素能力が生かされる展開だ。引き込み→スイープを狙いながらストレートフットロックを仕掛ける高橋。コルドバにボディトライアングルで固められるが、準決勝と同様に耐え続ける。コルドバの腕十字をかわしてスタンドに戻ると、引き込んだ高橋がシッティングガードで掌底を当てる。さらに足を狙い続けるも、かわされてスタンドの展開でタイムアップ。
オーバータイムでコルドバはバックコントロール、スパイダーウェブ、最後もスパイダーウェブを選択するが、いずれも高橋が即エスケープに成功する。高橋はオタツロックを駆使し、エスケープのタイム差でコルドバを下し、EBIバンタム級トーナメントを制した。
観客にスタンディングオベーションを贈られた高橋は、マイクを向けられると英語で「厳しい戦いでしたが、今日は僕のグラップリング人生で最高の日です。またメキシコに帰ってきます」と挨拶。さらに「ビバ、メヒコ!」と観客の歓声に応えた。試合後、高橋はMMAPLANETに「次はポラリスのタイトル挑戦かもしれない。引き続き頑張ります!」とコメントを寄せた。目標の一つであったEBIのベルトを巻いた高橋が、もう一つの夢に向かってさらに加速する。