【UFN262】平良戦敗北からの再起、パク・ヒョンソン「平良選手の存在が凄く良いモチベーションに」
【写真】平良戦を経て、再びウィニングトラックに戻ることができるか (C)MMAPLANET
18日(土・現地時間)、カナダはバンクーバーのロジャース・アリーナで開催されるUFN262:UFN on ESPN+120に韓国からパク・ヒョンソンが出場し、ブルーノ・シウバと対戦する。
Text by Manabu Takashima
パク・ヒョンソンといえば8月2日に1週間出場を繰り上げ、アミール・アルバジの代役で平良達郎と戦った――当時、無敗のK-MMAファイターだった。2カ月前に試合が1週間早まったわけでない、2週間以内に迫ったファイトから1週間以内の試合に応じたのだ。
MAPLANETではファイトウィークにパク・ヒョンソンのインタビューを申し込んでいたが、厳しい減量中にあるということでキャンセルされた。過酷な状況で平良戦を受け、キャリア11戦目の初黒星を喫したパク・ヒョンソンに、平良戦の舞台裏――そして、あの試合で得られたモノを尋ねた。
「トップファイターも化け物じゃない。人間だった。自分もいつかたどり着ける」と話したパク・ヒョンソンはシウバ戦に絶対の自信を見せていた。
戦うと決めたのは、自分なので。誰が決めたわけでもない。自分が平良選手と戦うと決め、勝つために戦いました
――今週末にブルーノ・シウバと再起戦を戦います。今の気持ちを教えてください。
「コンディションは良いです。ただ、減量に入っていて食べられなくて。それが辛いです(笑)」
――とはいっても、前回の減量と比べるとずっとマシなのではないでしょうか。
「全くもって、その通りです」
――その大変な減量が必要だった8月の平良選手との試合について話を聞かせてください。
「ハイ、なんでも聞いてください」
――パク・ヒョンソン選手は元々、9日にスティーブ・アーセグと対戦予定でした。それが1週間早まり、アミール・アルバジの代役で平良選手と戦うことに合意しました。ギリギリのタイミングで試合が1週間早まるのは、厳しすぎる代役出場ではなかったかと。
「実際には、何度か断りを入れていました。試合まで時間が無さ過ぎて、体重が落とせないと感じていたからです。ただUFCは引き続き自分に試合ができないかを確認してきました。体重が落とせるなら問題ないです。でも、それが難しいから断っていたのですが……。
それでもハンター・キャンベルから『他にオプションがない。君しかいないんだ』と言われて……。条件面の話もされて戦うことを了承しました」
――キャッチウェイト戦という選択はなかったのでしょうか。
「もちろん、そこも尋ねました。でもハンターの返答はノーでした。メインイベントはキャッチでなく、フライ級のリミットで行われるべきだと」
――えぇ……。そうだったのですね。その状況でパク・ヒョンソン選手ができないといっても、誰もが納得をしたかと思うのですが……。しかも5分3Rから、5分5Rへの変更もありました。言い訳になると感じられるなら、返答は控えてもらっても構いませんが、あの日のコンディションは万全の時と比較してどれほどだったのでしょうか。
「もちろんベストコンディションではなかったです。でも、自分が負けたのはコンディションとか、そういうことではないです。そんな風に思いたくない。戦うと決めたのは、自分なので。誰が決めたわけでもない。自分が平良選手と戦うと決め、勝つために戦いました。
結果はああいうことになってしまいましたが……。とにかく、試合を受けた限りに勝たないといけない。でも、もう過ぎたことです。今は今週末の試合に勝つことだけを考えています。そして、自分はメチャクチャあります」
世界のトップファイターも化け物ではなく、人間
――リアルウォリアーですね。
「ありがとございます(笑)」
――平良選手と戦って、得られたモノは何かありましたか。
「ありました。平良選手はフライ級のトップファイターです。そして肌を合わせて分かったのは、平良選手も普通の人間だということです。特別な人間ではない。トップファイターも1人の人間だと分かり、自分も経験を積めばあの位置までたどり着けるという風に思えるようになりました。世界のトップファイターも化け物ではなく、人間なんだから」
――その通りですね。ファイトウィークにアルバジという相手を失い、ランク3位からランク外の選手と戦うことになった。しかもインファイトが得意な。試合後の平良選手の感極まった表情からも、物凄いプレッシャーを乗り越えてパク・ヒョンソン選手と戦ったことが伺えました。
「平良選手が自分と戦うのに、そんなにプレッシャーを感じていたとは思ってもいなかったです。でも本当に平良選手は才能あふれるファイターです。UFCデビュー戦の時と比較しても、どれだけ強くなっているのか。そんな平良選手の存在が凄く良いモチベーションになっています。自分もしっかりとランキングをあげ、いつの日かまた平良選手と戦いたいと思っています」
――その日に向かう第一歩、ブルーノ・シウバの印象を教えてください。
「パンチ力がとてもある選手だと思います。そして、打撃とテイクダウンを混ぜて戦うことに長けています。ウェルラウンダーですね。でも、もう下り坂にあります。そんな選手に遅れをとってはいられないです」
――カーフキックを多用しますが、あの蹴りは気にならないですか。
「あのカーフは当てることを意識していて、威力はないと思います。とはいっても、うるさい蹴りなのでしっかりと対策は練ってきました。ブルーノ・シウバのカーフは、自分には通用しないです。克服しています。全局面において、自分の方が優れたファイターです」
――では、どのような試合をしたいと思っていますか。
「この試合に向けて自分の弱いところを無くしてきました。そして新しい武器も装備しました。この新しい武器は、本当に効果が見込めるモノです。試合の行方を決める武器、決め技になるでしょう。その武器を試合でぜひ披露したいです」
――押忍、最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。
「自分は日本のことが本当に大好きです。日本のファンの皆さん、日本のMMAが好きです。自分のこの気持ちと同じぐらい、日本の皆さんが応援してくれると嬉しいです。アザース」
――あざーす、ですか(笑)。
「ハハハハハ。アリガトウゴジャイマス」
■視聴方法(予定)
10月19日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT