【MGL-1FC23】ようやくキャリア6戦目=フライ級王座決定戦、オトゴンバートル「新たな挑戦が必要」
【写真】12月で23歳になるオトゴンバートル。Road to UFC、あるいはUFCがなければ日本で見たい(C)SHANDAS MMA
28日(金・現地時間)、モンゴルはウランバートルのチンゲルテイ地区体育館で開催されるMGL-1FC23。同大会のメインでオトゴンバートル・ボルドバートルがモゥンフジャルガル・バトスフとMGL-1FCフライ級王座を賭けて戦う。
Text by Manabu Takashima
今年1月に今井健斗を倒しGLADIATORフライ級王者になるも戦績5戦5勝でRoad to UFCの選考基準を満たせず、ステップアップを目指しベルト返上を決断。しかしながら、2度も試合が流れ6戦目の機会を得ることがなかなかできなかった。
今大会はアマチュア5試合、チケット不要のフリー観戦イベントで、オトゴンバートルに実戦経験を与えるために成立するようなイベントだといっても過言でない。
それだけ期待を集めるオトゴンバートルをインタビュー。選考基準になかなか辿り着かなかった葛藤を語ってもらおうという目論見は、「僕と戦える相手が現れなかった」という強気一点張りの言葉で崩れ去った。
機会さえあれば結果を残す。そんな自信あふれるオトゴンバートルだ。
僕と戦える力のある選手が現れないか待っていた
――3日後にモゥンフジャルガル・バトスフとMGL-1FCフライ級王座決定戦を戦います(取材は25日に行われた)。今の気持ちを教えてください。
「とにかくタイトルショットを戦えることが嬉しい。MGL-1FCはモンゴルで一番の大会で、自分にとっても特別なイベントだから。この機会を与えてもらって感謝している」
――今年は1月にGLADIAOTRでフライ級王座を獲得し、Road to UFC出場を目標としていました。しかし、戦績が5勝0敗で6戦という選考基準に満たしておらず実現しなかったです。結果、6試合に届かない日々が10カ月以上続いたことで焦りはなかったですか。
「とにかく試合がしたかった。6月のMGL-1FC22では対戦相手が体重を落とせずキックボクシングを戦い、8月にもハセガワ(長谷川賢)さんが大会を開くので出て欲しいと言われたけど(※山崎蒼空との試合が決まっていた)、大会自体がなくなってしまったんだ。凄く残念だった。
それからも日本と韓国で戦えないかマネージャーに動いてもらったけど、誰も僕と戦うという選手は現れなかった。あぁONE Championshipからオファーはあったよ」
――ONEからですか!!
「正直、条件は良かった。ただONEで戦うのは30歳を過ぎてからで構わない。UFCと契約したいから、オファーは断ったよ。この間、チームメイトが中国のJCKで戦い、シンバートル(バットエルデネ)がLemino修斗で勝利しているのを指を咥えて眺めるしかなかった。JCKでも修斗でも試合がしたかった。
僕と戦える力のある選手が現れないか待っていたんだ。でも、そういう機会は巡ってこなかったよ。今年が終わる前にモゥンフジャルガルが、僕と戦うことを承諾してくれて嬉しい限りだ」
――ところで1月に獲得したGLADIATORフライ級の防衛戦を行うつもりはなかったのでしょうか。
「あったよ。でも1月に勝った相手がまた挑戦者になった時点で、これだとUFCから評価されないと思った。GLADIATORは最初に僕を日本で戦わせてくれた大会だし、ベルトを返上するのは難しい判断だった。
でも世界のベストと戦える力をつけるために、よりタフな相手と競い合う。そんな挑戦が必要だと思った。さっきも言ったけど僕の目標はUFCという国際的な舞台で戦うこと。そのためには新たな挑戦が必要で、ベルトを返上する必要あると考えた。日本で戦うきっかけを作ってくれたケン・ハサセガワさんには心から感謝しているし、GLADIATORの今後の発展を願っているよ」
――シンバートルが野瀬翔平選手に衝撃的な一本勝ちをした時には、一部のファンの間から「オトゴンバートルはどうした。彼の試合が見たい」という声が聞かれました。
「そんな風に言ってもらえると、凄く嬉しい。そんなファンの声をきいてくれる日本のプロモーションはないかな? 日本の大会からオファーがあれば、僕は100パーセント戦うよ」
特に打撃に関しては、日本で前回戦った時とは比較にならないほど成長している
――より強い相手と戦うという目的があるなかで、国内で同胞とのタイトル戦になったことはどのように考えていますか。
「モゥンフジャルガルは僕より経験がある。そういう相手と戦えることは良いことだよ。しかもバンタム級から落としてきたファイターで、フィジカルも強い。MGL-1FCで5試合以上戦って1度も負けていないのだから、油断できない相手だ。僕は彼のことを軽く考えることは絶対にないよ」
――モゥンフジャルガルは積極的な一方で、打撃も組み技も粗いかとも思います。
「でも、それでMGL-1FCで6連勝もしている。それだけの力があることだと思っている。ただ僕も試合がなくても、この間もシャンダスMMAのチームメイトと厳しい練習をしてきた。どの局面でも強くなっている。特に打撃に関しては、日本で前回戦った時とは比較にならないほど成長している。新たなコンビネーションも身につけ、KOできる武器が増えたと自信を持って言える」
――UFC関係者の目に留まるためにも、どのような試合をしないといけないと考えていますか。
「ケージに入った直後から、全力で戦うこと。全ての力を出し切る。それができれば、自然とフィニッシュできるだろう。一本かKO? この拳でKOするよ」
――では最後に日本のファンに一言お願いできますか。
「いつも応援してもらって感謝している。KO勝ちでベルトを巻いて、また日本で戦いたい。日本のプロモーションが機会を与えてくれるなら、日本で戦い皆に会えるだろう。その日を楽しみにしている」
■視聴方法(予定)
11月28日(金)
午後7時00分~MGL-1FC YouTubeチャンネル
















