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【Gladiator033】バンタム級王者=南友之輔に挑戦、ルキヤ「ストライカーならどんなタイプでも――」

【写真】(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator033で、ルキヤ南友之輔が持つ同バンタム級王座に挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在17歳の新星に、大きなチャンスが巡ってきた。昨年5月にプロデビューしたルキヤは、4連勝のあと今年4月、神田T800周一と対戦して初黒星。その2カ月後に宮川日向をKOして再起したが、ここで本人も予想していなかったというベルト挑戦の機会を得たのだ。無敗のチャンピオン南との一戦を前に、新星の挑戦者は「ストライカーならどんなタイプでも全局面で戦える」と語った。


――ルキヤ選手は現在17歳。以前のインタビューでは格闘技のほかにアルバイトをしていると語っていましたが、現在はお父さんの仕事を手伝っているそうですね。

「はい。父は大工で、自分も現場に行っています」

――1日のスケジュールは、どのような流れですか。

「朝6時過ぎぐらいに起きて、それから仕事に行って……だいたい20時30分くらいには道場に来ています」

――そのスケジュールが練習時間などファイターとしての生活に影響を及ぼしたりはしますか。

「いや、そういうのは全くなくて。良い筋トレになっているな、って感じですね(笑)」

――アハハハ。6月の宮川戦は、試合前のインタビューでは「しっかりとMMAをやります」と語っていましたものの、まさかの打ち合いで逆転KO勝ちとなりました。

「あの試合はちょっと油断していて……」

――油断とは?

「最初は距離があったから、相手の打撃は当たらんやろうなと思っていたんです。そうしたらパンチがメッチャ伸びてきて。ダウンして『ヤバッ!!』と思ったら、変にスイッチが入って、いつもどおり殴り合いになってしまいましたね」

――正直なところ、宮川選手の右を直撃されて体が伸び切った状態でダウンした瞬間、これで試合が終わったと思いました。

「アハハハ。試合後に映像を視て、あれは自分でもそう思いました」

――ダウン後、意識はあったのですか。

「意識というか、僕はいつも試合中の記憶がないんです。アドレナリンが出すぎて」

――えっ。キャリア序盤で相手の打撃をもらわずにKO勝ちした時も、試合中の記憶はないということですか。

「全部、記憶はないです。アハハハ」

――試合中はセコンドの声も聞こえていない?

「はい。全く、何も。だから映像で視返すと、本当に悪い試合でしたね。もっと落ち着いて勝てた試合やったけど、油断したのが良くなかったなって感じです」

――先ほど「いつもどおり」と言っていましたが、意識がある状態で考えて打ち合いに行くのではなく、意識がない状態で打ち合うクセがついてしまっている。結果、仕留めに行くことも体に染みついているということでもあります。

「基本、練習とかでも打ち合いとかはしないんですけど……。試合になったらパッと打ち合いをしてしまうんです」

――その点について、セコンドや周囲の人たちは何と言っていますか。

「危ないから、そういう試合は止めてほしい。『面白かった』とかっていうより、そんな声のほうが多かったです。だから今後は記憶がなくなるような試合じゃなく、しっかり集中して戦わないといけない。そのためにはもっともっと練習してないといけないと思います」

――続いて9月大会にもルキヤ選手にオファーを出すという話を耳にしていました。さすがに宮川戦のダメージを考えると、一度休んだほうが良いかと思いましたが……。

「一応、話はあったんですけど休みました。宮川戦の前から怪我していた足を、また痛めてもうて。前回の試合の時は大丈夫やったんです。でも試合が終わったら『ちょっと痛いなぁ……』と感じるようになって」

――そんななか、ルキヤ選手に敗れた宮川選手がRIZIN LANDMARK神戸大会に出場している点について、何か思うところはありますか。

「いや、僕は何も思わないです。宮川選手に対しては『頑張ってください!』と思っていただけで。僕はグラジエイターでベルトを獲って、ちゃんと世界に行きたいんで」

――失礼しました(苦笑)。ルキヤ選手の中では、あくまでグラジのベルトを巻くことが優先なのですね。

「はい。グラジのことが好きやし、毎回試合を組んでもらっているんで。もっと色んな人にグラジのことを知ってもらいたいし。ただ、このタイミングでタイトルに挑戦するとは自分でも考えていなかったです」

――プロデビューから1年半、さらに神田戦の敗北から1勝でタイトルマッチへ。このタイミングでベルトに挑むのは早いのでは……という声もあります。

「自分も『ここでか!』とは思いました。前回の試合後は『次は海外勢とか当ててくれたらなぁ』とか思っていて。でもいずれは自分が巻くベルトなので、いつでも挑戦する準備はできていました。全然、不安とかもなく」

――南選手を相手にまた打ち合おうとしてしまうと……。

「そうですね。相手がストライカーやから打ち合う場面も出て来るし、前の試合のようなパンチを食らったら今度はKOされるかもしれない。だから僕は気持ちを落ち着けて、冷静に戦いたいです」

――その南選手について印象を教えてください。

前回の防衛戦は会場で観ました。『あぁ強いなぁ。押忍』という感じで」

――……押忍、とは?

「まぁ、僕が勝ちますよ。自分は誰よりもファイターとして気持ちが強いので。もちろん気持ちだけじゃなく、打撃も全て自分のほうが上だと思っています。前回の試合から全部レベルアップしていますから」

――特にどのような点がレベルアップしていると感じますか。

「打撃の威力も、当て方も変わってきたなって思います。最近、打撃のコンビネーションが増えてきました。口で説明するのは難しいけど――しっかり体で覚えていて。チャンピオンもストライカーで、ストライカーならどんなタイプでも全局面で戦えると思っています」

――南選手に勝利してベルトを巻いた先に目指すものはありますか。

「もっと色んな人に自分のことも、グラジのことも知ってほしいです。あとはグラジのベルトを巻いて海外でも試合をしてみたいですね。ただ自分はいつもと変わらず――ただ勝つこと、KOすることに集中しています」

■視聴方法(予定)
11月30日(日)
午後1時00分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■対戦カード

<GLADIATORバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 南友之輔(日本)
[挑戦者] ルキヤ(日本)

<GLADIATORフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者] 中川皓貴(日本)

<GLADIATORライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 小森真誉(日本)
[挑戦者] 田中有(日本)

<GLADIATORフライ級王者決定戦/5分3R>
今井健斗(日本)
岩崎圭吾(日本)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
熊崎夏輝(日本)

<63キロ契約/5分3R>
上田祐起(日本)
吉野光(日本)

<ヘビー級/5分3R>
大番高明(日本)
アルブリー・ンジャイ(セネガル)

<68キロ契約/5分3R>
國頭武(日本)
倉本拓也(日本)

<キック 70キロ契約/3分3R>
荒尾祐太(日本)
ペ・ジョンフン(韓国)

<ライト級/5分2R>
KENZO(日本)
望月貴史(日本)

<フライ級/5分2R>
塩川玲斗(日本)
石田聖人(日本)

<ヘビー級/5分2R>
松本洋平(日本)
土井淳(日本)

<フェザー級/5分2R>
山下魁(日本)
谷川渉(日本)

<ストロー級/5分2R>
諸井友祐(日本)
タッキー(日本)

<バンタム級/5分1R>
村越平次郎(日本)
山田倖生(日本)

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