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【GFG05】本州最北端のMMA=GFG、第5回大会へ。藤田成保「小倉選手が青森のエースなんです」

【写真】取材の大半が、掲載不可能な面白ネタばかりだった藤田氏(C)MMAPLANET

本州最北端のMMA=Global Fightingsports Game=GFGの第4回大会が、30日(日)に青森県五所川原市のふるさと交流圏民センター=オルテンシアで開催される。
Text by Manabu Takashima

GFGといえばT-Pleasure代表で、五所川原市議の藤田成保氏だ。MMAを広めるために市議会議員になったといっても過言でない(?!)藤田氏に、年に1度の開催ながら一歩一歩前進を続けるGFGの今、そして今大会の見どころについて尋ねた。


市の管轄、『なら俺は市会議員になろう』と決意したんですよ

――1年振りに青森、五所川原にMMAが戻ってきます。今回は会場が、ふるさと交流圏民センター=オルテンシアに変更されました。

「実はこの会場は、自分がプロ修斗の大会を開催するにあたって、最初に使用できないか話をさせてもらったところなんです。ただ市の施設なので、あの時は『前例がない』と使用させてもらうことができなかったです。

あの時ですね。市の管轄、『なら俺は市会議員になろう』と決意したんですよ。10数年を経て、ここでできるのは感慨深いです。コンサートホールで、凄く観やすい会場なんですよ」

――藤田さんの想いが詰まった会場で、メインに小倉卓也選手が出場します。

「全てをひっくるめて、小倉選手が青森のエースなんです。彼が出場することで、去年よりも100人以上お客さんは増えそうです。観客席は700ほどで、チケットも600枚以上売れています」

――それは正直、上場の数字かと。

「ただ初めての会場なので、進行面や設営ということでも未知数のところがあるのも事実です。でも、とにかくチャレンジ精神でトライします」

――コメインには佐々木郁矢選手の名前もあり、小倉選手と揃い踏みとなります。

「2人とも40歳を過ぎて、先のことを考えていると思います。修斗公式戦を開いていた時のメンバー、自分、小倉、佐々木、梶川(卓)、大里(洋志)という5人。自分が入っていて恐縮ですが、この5人が青森の格闘技を支えてきたと思っています。『最後にもう1回、この5人で大会に出よう。そのためには引退しないでくれ』と説得して、出てもらいました。自分もまだ引退していないので(笑)。

ベテランといえば魚住良太選手が、2018年の第1回大会以来7年振りにMMAを戦います。ここも楽しみです」

塩屋選手はアマチュア・パンクラスの試合に出ることに

――青森のMMAの歴史といえるベテラン勢に加え、ここから成長していく選手の存在も気になります。MMAPLANETでは昨年の大会も取材をさせていただき、地域格闘技という観点からも山形の峰田悠生選手、青森の塩谷亮平選手、そして岩手の石塚将也選手に注目をさせてもらいました。ただ峰田選手と塩谷選手の名前が今回のラインナップに見られなくて。

「峰田選手に関しては、実は所属するflashジムさんの方で、アマ交流戦のChallengeという大会を10月23日に開いていまして。この間隔で試合をしてもらうのはチョット……という感じでして。オファーを出すこと自体を自重しました。

それと塩屋君に関しては10月のアマ修斗全日本選手権に出る予定で、そこに専念してもらおうと思っていました。彼は去年の東北選手権で優勝していたのですが、今年は体調を崩し欠場してしまって。結果、全日本は補欠になりトーナメントに出ることはできなかったんです。もう、その時点でカードが固まってしまっていて……自分も彼の試合は組みたかったのですが……。

結果、塩屋選手はアマチュア・パンクラスの試合に出ることになりました。

そういうタイミング的なモノもあるのですが、石塚選手は第12試合で葛西達選手と試合が組むことができて良かったです」

――塩屋選手は去年はプロで出て、今年はアマチュアに出ると。そのフレキシブルさも良いですね。試合がないより、ずっと良いと思います。

「やはり若い選手が、ここから育ってほしいですし。そういう面では、自分のところの選手で手前味噌のようになってしましますが、寺田琉空という選手がいます。アマ2勝1敗で、勝ったのはどちらもKO勝ちして勢いがある選手でして。まだ技術的には粗いのですが、修斗でプロに昇格したばかりです。この勢いが増して行けば、面白くなるのではないかと。

それと去年、塩屋選手にスプリット判定で負けたパラエストラ八戸の中川涼選手が、リングネームをコッシーりょうに変えて出場します。コッシーりょう選手もアマ修斗でプロ昇格しています。まだ穴はありますが、自分のスタイルに持ち込むのがスムーズになっているという印象を持ちました。

去年から、凄く進化した姿が見られるのではないかと期待しています。塩屋選手もコッシーりょう選手も、去年は勢いで戦っていましたが、まだ若くて成長度合いは凄いです。本当にこの1年で伸びているので、注目してあげてください」

――押忍。今大会はプロマッチ開始が午後2時で、午前11時半からアマチュア・パンクラス、つまりアマの試合が組まれています。

「アマからプロというフォーマットを確立させたいという気持ちはあります。実は8月の末に弘前市で、プロレス会場になっているリング常設のSAKURAアリーナでGFGチャレンジというアマチュアの大会を行いました。そこで今大会に出場する選手のセレクションもしたような形でして。やはりある程度の技術力は必要になってきますから。12試合、6人の勝者から数名今大会でデビューします」

――東北、青森のMMAにストラクチャーができつつあると。ところで昨年大会期間中に、今年は5月ぐらいに八戸大会を開きたいという話もありました。結果、青森県下の別の街で大会を開くのは難しかったということでしょうか。

「パラエストラ八戸の西塚(丈人)代表はやる気が十分だったのですが、五所川原と八戸では車で2時間ぐらい離れていて、現状のGFGを見に来てくれているお客さんがそのまま向うで見てもらうということはできないです。

チケット売り上げだけでペイするのは、まだ青森では難しくて。やはりスポンサー関係などをしっかり準備するために、1年延期したという形です。会場なんかも話はついていましたし、来年の夏ごろには八戸でもGFGを開きたいと思っています」

――そこは藤田さんが、青森県議になっていただいで。

「ハイ。ちょっと狙っていきます(笑)」

――えぇっ、そうなのですか。青森をMMA色に染めるために、ぜひ(笑)。

「ハイ。五所川原の公共の温泉施設のオープニングセレモニーでプロレスと、自分のMMAのエキシビションをさせてもらったんです。新聞にも『東北でプロのMMA大会が行われているのは、五所川原だけ』と書かれていますので。五所川原を中心に、青森県をMMAの県にしたいと思うので頑張っていきます。

GFGもまだまだ認知された大会になっていませんが、一歩一歩前進して全国で認められる大会にしていきたいと思っています。ただ、それには皆の協力がないと成り立たないです。本当に周囲の努力があって、GFGという大会を開くことができています。その一歩ずつ進むなかで、ベルトを創りたいですね。それが、青森のMMAの未来につながってくると思いますので」

■GFG05対戦カード

<バンタム級/5分2R>
小倉卓也(日本)
奥村健太郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
佐々木郁矢(日本)
上杉隼哉(日本)

<フェザー級/5分2R>
葛西達(日本)
石塚将也(日本)

<フライ級/5分2R>
魚住良太(日本)
細川勇哉(日本)

<フェザー級/5分2R>
エスカル御殿(日本)
和田来(日本)

<フライ級/5分2R>
黒石大資(日本)
苫侑我(日本)

<ライト級/5分2R>
佐東伸哉(日本)
安藤辰則(日本)

<ライト級/5分2R>
中村友哉(日本)
宮崎知之(日本)

<ストロー級/5分2R>
大西浩人(日本)
寺田琉空(日本)

<バンタム級/5分2R>
寺田隆(日本)
前川慧(日本)

<フェザー級/5分2R>
松藤冬馬(日本)
山田浩平(日本)

<フェザー級/5分2R>
武田光信(日本)
コッシーりょう(日本)

<バンタム級/5分2R>
斎藤雄一郎(日本)
渡邉陽大(日本)

<フライ級/5分2R>
澤田良(日本)
千葉正樹(日本)

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