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【MGL-1FC22】ガンホルド戦 in モンゴル。チハヤフル・ヅッキーニョス「少し掴めている部分がある」

【写真】ライト級の体になりつつあるヅッキーニョス in ウランバートル (C)MMAPLANET

明日14日(土・現地時間)にモンゴルはウランバートルASAアリーナで、MGL-1 FC22が開催されチハヤフル・ヅッキーニョスがエンフトルガ・ガンボルドと戦う。
Text by Manabu Takashima

2023年&2024年のGladiatorはアジアのフィーダーショー化という試みのなかでフィリピン、韓国、モンゴル勢との戦いを用意してきた。しかしながら、関西勢でその戦いに身を置いたファイターは決して多くなかった。そんな状況下で中川晧貴、田中有らreliable勢とチハヤフル・ヅッキーニョスが竹本啓哉、河名マスト、神田T800周一らと強さだけを追求する厳しい戦いに挑んできた。

結果、ヅッキーニョスはダギースレン・チャグナードルジに2度敗れ、モンゴル人ファイターだけでなくモンゴルという国に興味を持ったという。今回のオファーがなければ出稽古にやってきただろうというヅッキーニョスに、ウランバートルでの試合に向けての心境とモンゴルへの想いを尋ねた。


格闘技がきっかけで他の国や文化に興味を持つことって僕の人生を豊かにしてくれます

――明日が計量で、水抜きも始まるかという時にありがとうございます(※取材は12日に行われた)。

「いえいえ」

――今回、MLG-1FCでエンフトルガ・ガンボルドと戦います。モンゴルの大会へのオファーがあった時は、どのように思いましたか。

「最初はビックリしたのですが、実は自費でもモンゴルに出稽古に来たいと思っていて。そのタイミングでオファーがあり、ぜひもと戦いたいと」

――モンゴルで出稽古というのは?

「やっぱりダギースレンに2度負けて、Gladiatorに来ている他のモンゴル人選手も実際に強いですし。どのような環境で、どのような練習をして、どのようなモノを食べているのか。それを感じたいと思っていました」

――ヅッキーニョス選手が過去2年間に渡り戦ってきたことは、ライト層のファンにはすぐに伝わることではないです。と同時に、そうでないはずの選手層が目を瞑るという状況だったと思います。その経験が、モンゴルでの練習という考えに至ったのでしょうか。

「ハイ。実際にモンゴルの選手と戦ったことがなければ、モンゴルで練習をしようとは思わないでしょうし(笑)。体の強い選手とは試合をしたこともあり、練習でもやることはあります。でも、ちょっと違うんですよ。ダギースレンの体の強さ、あるいは使い方かもしれないモノが。モンゴルの選手が皆そうなのかもわからないです。シャンダスMMAでのナラントンガラグ氏の指導の賜物かもしれない。その辺りを確認したいという気持ちでした。

と同時にモンゴルという国にも純粋に興味を持つようになりました。格闘技がきっかけで他の国や文化に興味を持つことって僕の人生を豊かにしてくれますし、そういうところを大事にしたいです。そんなこともあって、今回はウランバートルに来させていただきました」

――所属するMIBUROのウエタ・ユウ代表がカザフスタンのNAIZA FCでの経験がトラウマになって、モンゴル行きに難色を示していたと聞きました(笑)。

「そうですね。例のカザフスタンでの(福田)龍彌さんの試合があって……僕も散々、脅されてきました。イベントとしても、日本人に対してウェルカムという感じではなかったと。ばかりかピュアにやっている日本人のことをカモにしか思っていなかった節もあって。ウエタ代表は来る前はかなり嫌そうでした(笑)」

――アハハハハ。

「でも、ウランバートルに着いて凄く良くしてもらっています。MGL-1FCのエルデネ(バットバヤル)代表も気さくな方で、凄くウェルカムな感じでいてくれて。用意してくださったホテルも凄く居心地が良いです。MGL-1FCの関係者からは、ここをモンゴルで一番のイベントにしたいという意気込みが伝わってきます。

僕自身はダギースレンやナラントンガラグ氏と触れ合って、信頼できる人たちだと感じていたので、そんなに心配はしていなかったです。でも、ここまで良くしてくれるとは思っていなかったです。想像以上です。ウエタさんはカザフスタンと違い過ぎるって、逆に動揺していました(笑)。覚悟を持ってきて、拍子抜けしているみたいで」

野性味とか勢いを武器にしている選手には、しっかり勝たないといけない

――ハハハハ。対戦相手ガンボルドは野性味たっぷりのファイターです。組む前に乗り越えないといけない局面があり、そこを磨いていたヅッキーニョス選手ですが、ガンボルドはまさにその局面が強いファイターかと。

「確かに……とにかく殴って倒す感じですよね。体もナチュラルに強そうで。仕上がっているわけでなくても、体が強いのが分かる選手です。技術的な面では、正直MMAファイターとしては未完成な部分があります。僕もそれなりにキャリアを重ねてきて、これから上に行くことを考えると野性味とか勢いを武器にしている選手には、しっかり勝たないといけないと思っています。

ライト級に上げてからフィジカルの強い選手と2試合連続でやってきて。最初は負けて、2試合目は納得できるモノではなかったけど、自分の強みを自分より筋肉のある相手にぶつける戦いをして、自分のなかでは少し掴めている部分があるので。ここはしっかりと自分の強みを押し出し、ぶつける試合をしたいと思っています」

――今後のキャリアの積み方として、MGL-1FCのベルトを狙うということは?

「基本的にこれまでGladiatorで戦ってきたので、グラジのベルトを目指しています。MGL-1の方は今回僕が勝って、今後もオファーがあれば前向きに考えたいです。それにGladiatorのベルトをモンゴル人が取って。それを日本人が取り返すのもそうですけど、逆にモンゴルのベルトを僕が取って日本に持ち帰るのも面白いかと思っています」

――これからのキャリアのためにも、どのような試合がしたいと思っていますか。

「自分が今までやってきたことに、最近ようやく自信が持てるようになってきたので、落ち着いて相手にのまれない。相手との差をしっかりと見せられるような……う~ん、日本で12勝5敗という成績でもちゃんと力があるということを見せられる戦いをしたいです。

もともとモンゴルで練習をしたかったのですが、今回は試合になりました。つまり長くて15分になったので、内容の濃い試合をしてしっかりとフィニッシュします」


■視聴方法(予定)
6月14日(土)
午後7時00分~MGL-1FCオフィシャルYouTubeチャンネル

■ MGL-1FC22計量結果

<MGL-1 FCバンタム級王座決定戦/5分3R>
シンバートル・バットエルデネ:61.2キロ
シャグダル・オドスレン:63.5キロ

<フェザー級/5分3R>
ソドノムドルジ・プレブドルジ:66.2キロ
イエルジャン・アリアスカル:65.9キロ

<フェザー級/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ:65.9キロ
カイオ・バチスタ・ダ・コンセイサオン:66.95キロ

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ホルドバートル:57.0キロ
カイザール・ジャウガシャール:67.5キロ

<フライ級キックボクシング/3分3R>
オトゴンバートル・ホルドバートル:57.0キロ
ヤンデンゲル・ウイトゥメン:――

<フェザー級/5分3R>
エルデネバートル・ガンゾリグ:69.2キロ
パク・サンヒョン:65.7キロ

<ライト級/5分3R>
フレルバートル・トゥルバヤル:69.5キロ
エマニュエル・イスエクペ:70.7キロ

<ライト級/5分3R>
エンフトルガ・ガンボルド:70.1キロ
チハヤフル・ヅッキーニョス:70.6キロ

<フライ級/5分3R>
ツェンドスレン・バトイレードゥイ:57.15キロ
バトスフ・モゥンフジャルガル:57.0キロ

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