【Breakthrough Combat03】竹内稔を破りフェザー級王者に。須藤拓真「あの三角は足関の一部」
【写真】2つ目のベルト、絞められる怖さを乗り越えての一本勝ちだった (C)MMAPLANET
先月26日(水)に開催されたBreakthrough Combat03のメインで竹内稔を三角絞めで下し、Progressフェザー級のベルトを巻いた須藤拓真。
Text by Manabu Takashima
Level-Gに続き、国内プロ・グラップリングのタイトルを手にした須藤に大会終了直後に話を訊いた。首狩り族✕レッグハンター対決、武器がはっきりしている両者の戦いは竹内のTD奪取という意外な形でスタートを切る。
そして15分間の噛み合わない凡戦で終わることもあるという見方もあったなかで、目まぐるしいポジションの入れ替えも見られ、Progressルールが実施されるようになり3年で過去最高の攻防とフィニッシュが見られた。そんなタイトル戦を須藤に振り返ってもらい、今後について尋ねた。
――日本のグラップリング界にはベルトの存在自体が珍しいのですが、2つ目を巻いた今の気持ちを教えてください。
「いやぁ、ホッとしています」
──それは極められるかもしれないという気持ちがあったということですか。
「そうですね。めちゃくちゃありました。足に行くなら、取られるリスクも高いと思っていたので。そこをビビッていました(笑)」
──予想6-0で竹内選手にしていた自分がいうのも、なんなのですが素晴らしい勝利でした。
「ああ、3票が向こうだったので誰だって思っていたのですが、そのうちの1人だったのですね(笑)」
──引き込み3度で0-6。そんな風に予想しました。
「自分もそうなることが確率的に一番高いかと予想していました」
──ところが竹内選手が、自らテイクダウンを仕掛けました。上を取って、足を取らせない位置取りが欲しかったのかもしれないですが、初回の途中から息が荒くなっていました。
「正直、1Rにテイクダウンを取られた時にはポイントゲームをするにしても不利になったと感じました。ヤベェと思ったのが、本音です。ただ2Rの途中から相当にバテてきていたので、3Rには何かしらアクションを起こせるという風になっていました。
ワキを締める時とか、全く力を抜いていなかったと思います。それは戦いながら感じていたことです。自分は体力を使わずに1Rを戦えていたので、そこは大きな差になったと思います」
──ルールセット、相性ともに厳しい試合になると予想されていましたが、竹内選手の選択で突破口が開けたという見方も成り立ちますね。
「自分も警戒をしていたのですが、自分の良さを消していなかったと思います。竹内選手はアナコンダがめちゃくちゃ強いのに、足関を警戒する方に意識がいっていたような。そこも戦いながら思いました。逆に僕は自分のスタイルを崩さなかった。それが勝因かと」
──そのなかで2Rに引き込みから、即スイープを決めてトップ奪取。テイクダウンとして2Pを取りました。
「あそこで同点にできたことで、自分の中に余裕が生まれました。あの同点で気持ち的に優位に立てました」
──竹内選手もレッスルアップから、上をとりなおしました。極めの圧、視ている方は期待感があると同時にポイントゲームの醍醐味もありました。
「そう言ってもらえると嬉しいです。自分の想定では1P差は戦える点数で。あそこでひっくり返されても、終了直前に立ち上がれば1Pに戻せるので。そうなると想定の範疇で戦えます。そういう意味での最初に2Pを取り返せたのは大きかったです」
──ポイントを把握できてProgressを戦えるようになっているのではないかと。
「ハイ。以前からポイントは考えていたつもりなのですが、武器が少なくて……。今は武器も増えて、こういう戦いができるようになったと思います」
──師匠の柳澤哲裕さんより「いつも通り柔術をすれば良い」という言葉が飛んでいました。そして三角絞めで勝った。足関でなく三角で取ったというのは、どのような気持ちですか。
「嬉しいというのが率直なところで。ただ、あの三角は足関ありきの三角で。あれはもう自分のなかで足関とセットです。足関節の一部のなかの三角だと思っています。足関を意識しているので、入る技ですね」
──足関節を取らせたくない姿勢で、それほど頭を下げていなかったとように見えました。ただ、足をあれだけ上げる須藤選手というのも……。
「あまり見ない光景かもしれないですね(笑)」
──ではケージのなかでも言われていましたが、改めてここからの目標をお願いします。
「ベルトを取ったことは嬉しいです。このベルトを保持することを考えて、めちゃ強い選手とコレを賭けて戦うことができればと考えています」
──国内でなく、外国勢と戦いたいという話もありました。どれぐらいのところを……。
「ぶっちゃけて、そんなに考えていないです(笑)」
──ADCCアジア・オセアニア予選で敗れたイーサン・トーマス。彼もMMAを戦っているので、グラップリング&MMAで二連戦というのも見てみたいです。
「アハハハハ。とりあえず前にグラップリングで負けているので、グラップリングでリベンジをして。MMAはそれから考えます」
──MMAも引退していないという発言も聞かれました。Breakthrough Combat以外からも、2試合連続でインパクトを残したことでチャンスがあるかもしれないです。
「ハイ。ぜひ(笑)。ただ、こういっちゃなんですけど、微妙な相手とは戦いたくないです。強い選手であれば全然受けるので、ぜひよろしくお願いします(笑)」