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【NEXUS41】木村柊也戦→須藤拓真戦。横山武司「柔術が強いと思わず、細かいところからMMAを」

【写真】あくまでも柔術家としてMMAを戦うという風だった横山が、MMAファイターになる過程が楽しみ(C)MMAPLANET

22日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるNEXUS41で、フェザー級王者の横山武司須藤拓真の挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

対戦カード発表時から大きな話題を呼び、NEXUSで実現したビッグカードとして注目を集めている横山と須藤の一戦。MMAでも屈指の極めの強さを持つ横山と足関節という絶対的な武器を持つ須藤が対戦するということで、ハイレベルな寝技の攻防を期待するファンも多いだろう。

横山も「寝技の勝負になる」と試合展開を予想しているが、その一方で3月に木村柊也に自身初のKO負けを喫してからはMMAという競技そのものに向き合い、自分を磨いてきたという。

今回の須藤戦では、これまでとは違う“MMAファイター横山武司”の姿を見ることが出来るかもしれない。


──3月RIZIN50の木村柊也戦は1R0分54秒でのTKO負けでした。あの試合を振り返ってもらえますか。

「あそこで初めてKO負けして、記憶も飛んだので、2カ月間はガッツリ休んだんですよ。6月に入ってから練習を再開して、そこからは休みなくずっと練習しています。悔しすぎてもっとMMAが好きになっちゃいましたね」

──木村戦の試合直後はどういう状態だったのですか。

「試合が終わって最初の30分~1時間くらいは『俺、何で負けたの?』と連呼していて、控室に戻ってからもどこにいるかはっきり分からない感じでした。で、その日の夜ぐらいには全部何があったかを思い出せたんですけど、本当に凄い経験をしましたね」

──練習を再開できない2カ月間はどう過ごしていたのですか。

「体を動かせていれば元気も出るんですけど、何もできなかったので最初は微妙な感じでしたね(苦笑)。ただその間にRIZIN韓国大会の(佐藤)将光先生とキム・スーチョルの試合を現地で見たり、東京ドームのRIZIN男祭りや超RIZIN04も見に行って、自分的にはMMAの深さを思い知らされたんですよね。それでどんどんMMAにハマっていきました」

──もちろん木村選手に負けた悔しさもあったと思いますが、結果的にMMAがもっと好きになりましたか。

「ギャンブルもそうだと思うんですけど、負ければ負けるほどもう一回!もう一回!となると言うじゃないですか。格闘技に中毒性があるというのはこういうところなのかなと思っています」

──将光選手とスーチョルの試合を間近で見たことも大きかったですか。

「デカかったっスね。ちょうど僕が練習を休んでいる時期だったので、スーチョル戦に向けた準備期間は一緒に練習できなかったんですけど、9月のダニー・サバテロ戦の前は将光先生と一緒に練習させてもらったし、今は週5~6回は将光先生と一緒にやらせてもらっていて、本当に身近に凄い人がいるんだなと思っています。

そういういい刺激をこの1年でたくさん感じて、今年はMMAの深さを感じてMMAがドンドン楽しくなっていますね」

──KO負けの悔しさも含めて、今までよりも一歩深いところでMMAに触れることが出来たのかもしれないですね。

「本当にそんな感じですね。KO負けしたことは超悔しかったけど、MMAを始めた時に1回ぐらいはKO負けもしてみたいなことを言っていたんですよ。それを経験して……実際にKO負けして、もう二度とKOされたくないとも思いました(苦笑)」

──そういった中で練習を再開してから、年内には一戦やりたいと思っていたのですか。

「それはずっと思っていました。練習復帰して2~3カ月もすれば試合はできる感じだったので、早く試合したいなって。そういう中でNEXUSの山田(峻平)さんに試合を組んでもらいました」

──MMAへの理解度が深まったからこそ、たくさん試合をしていきたいという考えもありますか。

「あります。自分はもう29歳で決して若くはないんですけど、MMAでは8戦しかやってないんですよね。周りに比べると経験値が足りないと思っているし、家族もいるから稼がないといけない。だからバンバン試合をして経験も積んで、お金も稼いでいかないとダメだなと思っています」

──今大会では須藤選手と試合が決まりましたが、最初にオファーを受けた時はどう感じましたか。

「須藤選手は柔術やグラップリングの試合にも出ていて、存在的にはまあまあ近くにいる選手なんですけど、実は面識もないし喋ったこともないんですよ。だからここで試合が決まったかって感じですね。選手としては怖いですよね。MMAの経験は僕より多いし、後藤丈治さんからも一本取ったりしているんで」

──やはり足関節をはじめとする須藤選手の関節技には警戒していますか。

「MMA以外、ONEのサブミッショングラップリングの試合でもちゃんと極めていたし、柔術の試合でも足関をバンバン取るし、どの競技でも足関節を極めますよね。そして何より今成(正和)さんからも一本取っているんで、ヤバいと思います」

――須藤選手は対策が立てづらいというか、仮想・須藤選手のような相手と練習できる機会はなかなかないですよね。

「今回は対戦相手の対策になる練習相手がいなさすぎて。それこそ思いつくのは今成選手ぐらいしかいないんですけど、僕は今成さんと面識もないですし、気軽に声をかけられるような人ではない。なので、なかなか須藤選手対策をやるのは難しいです(苦笑)。

自分のMMAをどう作るかだと思うんですけど、今までは『自分は柔術(の技術)を持っているから』と思いながら、打撃もテイクダウンもやっていたんですけど、MMAになるとそこは結構違うと思うんですよね。だからある意味、自分は柔術が強いと思わず、細かいところからMMAを練習しています」

――今回は互いに極めの強さが武器の横山選手と須藤選手がグラップリングではなく、MMAで戦うことが非常に興味深いです。

「試合数でいったら須藤選手の方がMMAをやっていますけど、今となっては須藤選手の方が寝技に特化していると思うんですよ。この1年間、おそらく僕の方がMMAの練習をしてきていると思うので。で、昔の僕は自分の柔術がMMAでどこまで通用するか?みたいな感じだったんですけど、今は本当にMMAにハマっていて、MMAファイターとしての試合をしたいです。そうはいっても寝技の勝負になると思いますけどね」

──グラップリングマッチとは違う展開になると思いますが、そこは自然にそうなりますよね。

「そう思いますし、僕は全局面で勝ちたいです。NEXUSでは僕がチャンピオンで、今回も応援団がたくさん来てくれるんで、チャンピオンに相応しい試合がしたいです」

――NEXUSで王者らしい試合をしつつ、RIZINでも結果を出す。それがMMAにおける目標になってきますか。

「そうですね。RIZINはデビュー戦こそ勝ったものの、その後は2連敗しているんで、またRIZINに戻ってRIZINでも勝ちたいです」

──今回の一戦は発表直後から大きな反響がありました。最後にファンの皆さんにメッセージをいただけますか。

「前回の試合も自分の中では色んなことを用意して試合に臨んだのですが、54秒で負けて何も見せられませんでした。去年も1試合しかやっていないし、その1試合も1分20秒ぐらいだったんで、今回は5分3R戦うつもりでというか、進化した横山武司を色んなシーンでたくさん見せたいと思っています。ぜひ試合を楽しみにしていてください!」


■視聴方法(予定)
11月22日(土)
午後5時30分~ SPWN

■NEXUS41 対戦カード

<荻窪祐輔引退エキシビションマッチ/2分3R>
荻窪祐輔(日本)
Mr.X

<NEXUSフェザー級タイトルマッチ/5分3R>
[王者] 横山武司(日本)
[挑戦者] 須藤拓真(日本)

<NEXUSバンタム級王座決定戦/5分3R>
中桐涼輔(日本)
下田凛太郎(日本)

<フェザー級王座次期挑戦者決定戦/5分2R+ExR>
千春(日本)
アポロ中山(日本)

<ライトヘビー級/5分2R+ExR>
マシン(日本)
ダニエル・シウバ(ブラジル)

<無差別級/5分2R+ExR>
たまよせゆきと(日本)
佐藤翔太(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鎌田悠太郎(日本)
川端祐樹(日本)

<ミドル級/5分2R+ExR>
一慶(日本)
荒井勇二(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
塩谷優斗(日本)
岩松哲也(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
中村大信(日本)
ベクゾド・ナルズラエフ(ウズベキスタン)

<キック 63キロ契約/2分3R>
吉田武司(日本)
清水秀仁(日本)

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