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【DEEP Tokyo Impact2025#05】中谷優我とMMAデビュー戦、元Krushウェルター級王者アニンタ・アリ「神様から本気でやりたいのか試されていた」

【写真】DEEPのファイター育成方法=ストライカー×グラップラー。アニンタは生き残ることができるか(C)MMAPLANET

23日(日)に東京都港区ニューピアホールで開催されるDEEP TOKYO IMPACT2025#05で、元Krushウェルター級王者のアニンタ・アリがMMAデビュー戦で中谷優我と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

アニンタはガーナ人の父と日本人の母を持ち、K-1ジム総本部チームペガサス所属のキックボクサーとしてK-1・Krushで活躍。Krushでは第10代ウェルター級(67.5キロ)王座にも就いた。

そのアニンタが今年2月に保持していた王座を返上し、MMAに転向。瀧澤謙太が代表を務めるFired Up GymからMMAデビューを果たす。多くのキックボクサーがMMAにチャレンジする中、アニンタはどんなMMAファイターを目指しているのか。


──アニンタ選手、お久しぶりです。今年2月に保持していたKrushウェルター級王座を返上し、DEEPでMMAデビューすることになりました。MMA初挑戦を前にして今はどのような心境ですか。

「試合そのものが約2年ぶりで、この2年間、色々と考えて色々なことをやろうとしたんですけど、結局試合をしている、試合に向けて準備している、格闘家として生きている自分が一番自分らしいなと。プラス自分がやりたかったMMAに挑戦できるというので、やっぱりこれだな!という感覚でいますね」

──なぜキックからMMAに転向することになったのですか。

「もともとMMAが好きで格闘技を始めたので、いつかどこかでMMAにチャレンジしたいという気持ちはありました。ただ自分はK-1では67.5キロでやっていて、もしMMAをやるとすればフェザー級(65.8キロ)まで落とすか、ライト級(70.3キロ)まで上げるか、中途半端な状態だったんです。そこから段々と身体が大きくなってきて、階級を上げることになったので、それだったらライト級でMMAに挑戦したいと思いました」

──MMAを好きになるきっかけは?

「自分は高校時代にサッカー留学でガーナに行っていて、ガーナのテレビでコナー・マクレガーとフロイド・メイウェザーのCMがバンバン流れてたんですんよ。そのCMがめちゃくちゃカッコよくて。もともと中学生の時にボクシングをかじっていたこともあって、格闘技そのものには興味を持っていたし、そのCMがきっかけで格闘技にハマりました。

それでキックを始めて、K-1・Krushで試合をやりつつ、ずっとMMAも好きで試合は見ていました。だから新しいチャレンジというよりも、もともとやりたかったMMAを始めた感覚です」

──以前瀧澤謙太選手の取材でFired Up Gymを訪れた際、アニンタ選手も練習していて、K-1ファイターとしてMMAの試合をするかもしれないという話をしていましたよね。最終的にはK-1と契約を終えて、MMAに挑戦する形になりました。

「もしMMAの試合をやるんだったらK-1の契約下でも出来る感じだったんですけど、瀧澤さんからMMAに慣れてない状態で試合をするより、契約が終わってMMAの試合をする準備が整ってからの方がいいんじゃない?と言われて、K-1と契約が切れてからMMAの試合をやろうと思いました」

──なるほど。しっかりとMMAの練習を積むという意味では試合間隔が空いた方がプラスだったかもしれないですね。

「そうですね。MMAをやりたいと思って、すぐにやっていたらおそらく気持ちが折れていたと思います。今でもやらなきゃいけないことはたくさんあるんですけど、こうすれば強くなれるという基礎にちょっとでも触れられたと思っているし、そこまで行ってからMMAデビューすることになったので、時間をかけて準備してよかったと思います」

──様々な選択肢がある中で、瀧澤選手のジムでやろうと思ったきっかけは何ですか。

「実はK-1時代から瀧澤さんのジムでトレーナーとして指導させてもらっていて、一番近くでMMAを学べるのが瀧澤さんのジムだった感じですね。ファイトスタイル的にも瀧澤さんはストライカーで自分とタイプが似ているので、最初から瀧澤さんのところでMMAをやろうと思いました。あとは金原(正徳)さんのリバーサルジム立川ALPHAにも練習にも行かせてもらっています」

──元K-1ファイターがMMAにチャレンジする上で、いかに組み技に対処するかが重要ですが、そこについてはいかがでしょうか。

「組み技はまだまだ分からないことだらけなんですけど、ストライカーとして自分から極めるというよりは極められない・倒されない・立ち上がることに重点を置いて練習してきました。次の試合は今まで自分がやったことがどれだけ通用するのかを試す場でもあると思うので、そこは自分も楽しみなところですね」

久保優太選手はめちゃくちゃ参考になっていますね。あとは芦澤竜誠くんも

──いざ自分がMMAをやり始めてから参考にした選手はいますか。

「ショーン・オマリーやカマル・ウスマンは好きですね。もちろん今でもマクレガーは好きなので、あのメンタリティーを忘れないようにマクレガーの試合やドキュメントを見たりしている感じですね」

――打撃そのものはMMA用に変えた部分はありますか。

「かなり変えましたね。例えばイリャ・トプリアは全然体格も体系も違うんですけど、MMAにおけるストライカーの構えやテイクダウンを切るための体勢は参考にしていて、それからはテイクダウンを取られづらくなったところはあります」

──イスラエル・アデサニャも好きだとか。

「そうですね。ただアデサニャは階級がちょっと上(ミドル級)なんで、テイクダウンディフェンスとかがあまりないと思うんですよね。アレックス・ポアタン・ペレイラもめっちゃ打撃は面白いんですけど、あれは重量級だからできるスタイルだと思うところもあるので、僕としては中量級~軽量級の選手の方が参考になります」

──K-1からMMAに転向した選手の動きも参考にしていますか。

「久保優太選手はめちゃくちゃ参考になっていますね。あとは芦澤竜誠くんも手足が長くて自分と似ているので、2人の空間の使い方やリーチの活かし方は参考になります。あと平本蓮くんはどちらかというと、MMAではストライカーとやることが多かったと思うんですけど、弥益ドミネーター聡志戦の戦い方はすごく参考になりますね」

――MMAデビュー戦の相手は中谷優我選手で、アニンタ選手とは真逆の組み技・寝技主体の選手です。中谷選手にはどんな印象を持っていますか。

「相手は柔道出身なので、自分としてはいかに触られずに戦えるか。触られると向こうの方が慣れていると思うんで、自分はそこを警戒しながら戦いたいなと思います。まさに自分がMMAデビューするためにやってきたことが試される相手だと思うので、自分の打撃や組み技・寝技の対応力がどれだけ通用するのか楽しみです」

──MMA転向が決まった時にはRIZINライト級王者やUFC参戦という目標を掲げていましたが、直近の目標はありますか。

「今回DEEPでデビュー戦を組んでもらったので、今はDEEPでキャリアを積んでDEEPのチャンピオンになりたいと思っています」

──アニンタ選手のMMAデビュー戦、多くの人たちが注目していると思います。どんな試合を届けたいですか。

「2年ぶりの試合なんですけど、たくさんの人が応援に来てくれるので、より強くなったアニンタ・アリを見せたいという気持ちが一番強いです。2年間待たせた分、選手としても人間としてもそれだけ強くなったかを見せていきたいです。この2年間、もし格闘技を辞めるならこのタイミングだったと思うし、自分としては神様から格闘技を本気でやりたいのかどうかを試されていたと思います。そのなかでずっと頑張ってきて、またファイターとして戻ってこられたという嬉しさもあるんで、全力で頑張ろうと思います」


■視聴方法(予定)
11月23日(日)
午後12時05分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ

<メガトン級/5分3R>
赤沢幸典(日本)
Guts(米国)

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
小林ゆたか(日本)

<フライ級/5分2R>
神酒龍一(日本)
マサト・ナカムラ(日本)

<ライト級/5分2R>
中谷優我(日本)
アニンタ・アリ(日本)

<バンタム級/5分2R>
黒岡優真(日本)
湯浅帝蓮(米国)

<フェザー級/5分2R>
黒井海成(日本)
奥村歩生(日本)

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
知名昴海(日本)

<フェザー級/5分2R>
キム・ミンソク(韓国)
ダイア(日本)

<バンタム級/5分2R>
山口コウタ(日本)
井上セナ(日本)

<バンタム級/5分2R>
丈太(日本)
笹崎健司(日本)

<アマ・バンタム級/3分2R>
寉岡樹記(日本)
須山豪(日本)

<アマ64キロ契約/3分2R>
田中悠斗(日本)
ランボルギーニ(日本)

<アマ・フェザー級/3分2R>
池森ヨシキ(日本)
松元大樹(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
上田遥斗(日本)
菊間瑛太(日本)

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