【UFC Freedom250】展望 米国でカナダ人がヒールに?! オマリー×ザハビ=水と油のMMAストライカー戦
【写真】これもMMA、そんな試合になることに期待 (C)Zuffa/UFC&MMAPLANET
14日(日・現地時間)、米ワシントンD.C.のホワイトハウス南庭(サウスローン)にて、UFC Freedom 250「Topuria vs Gaethje 」が行われる。メインはイリャ・トプリア×ジャスティン・ゲイジーのUFC世界ライト級王座統一戦、コメインではUFC世界ヘビー級暫定王座決定戦=アレックス・ポアタン・ペレイラ×シリル・ガンヌと2階級のタイトル戦が組まれている。
Text by Manabu Takashima
4300人を収容する巨大屋外特設会場を建設するなど、総額6000万ドル(約90億円)以上の費用を投入するイベント。6000万ドルという金額は、スコット・コーカーが北米、欧州、そしてアジアで活動するために現時点で集めた投資額と同額であり、如何に今大会がクレイジーなのか理解できるだろう。
アメリカ合衆国建国250周年を祝うプロジェクト「Freedom 250」の一環、よって……恐らくは米国を取り巻く現状が考慮されロシア、中国、イラン、メキシコのファイターは参戦していない(※ジャスティン・ゲイジーはメキシコ系米国人。母親が純血メキシカン)。
そんな国威高揚イベントのタイトル戦前の試合で、ショーン・オマリー×エイマン・ザハビのバンタム級戦が組まれている。ザハビはレバノン系のカナダ人ファイターで、レバノンは親イラン勢力が強い国。加えて安全保障や北米のサプライチェーンで密接に結びついている米国にとって一番の盟友であるカナダも、いわゆるトランプ関税やUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の見直しを巡り、独自の対抗措置で応じるなど緊張状態をはらむ関係となっている。
果たしてホワイトハウスでのライブ視聴が許されたセレブリティ達と隣接された8万人以上収容できるパブリック・ビューイング会場のファンたちは、ザハビにどのような反応が起こるのだろうか。
そんなオマリー×ザハビ戦だが、純粋にMMAとして非常に興味深いストライカー対決となる。
元バンタム級世界王者オマリーは、マラブ・デヴァリシビリに王座を奪われ、ダイレクトリマッチでも一本負けを喫した。それでも今年の1月にソン・ヤードンを相手に、持ち味を発揮して判定勝ちでウィニング・トラックに戻ってきた。対するザハビは2017年にUFCと契約し、コロナ前までは1勝2敗と崖っぷちの状態にあったファイターだ。
それが2021年2月のダルコ・ロドリゲス戦から7連勝、ジャビッド・バシャラット、ペドロ・ムニョス、ジョセ・アルド、マーロン・ヴェラと新旧バンタム級トップファイターを下している。
両者ストライカーを自認しているが、オマリーは19勝のうち11試合でKO勝ちを収めており、オクタゴンにあっても当て感はずば抜けている。対して14勝のザハビのKO勝ちは5試合、UFCでのKO勝ち数を抜き出すと、6-2と大きな差がある。
同じストライカーといってもオマリーは倒すストライカーで、ザハビは倒されないストライカーといえる。特にキャリア唯一のKO負けを喫して以来、ザハビの打たせないで勝つ打撃戦はグラップラーのスタンドを連想させるほどだった。
天性で倒すオマリーは、自ら「思考を必要としない状態」で戦い、駆け引きの大部分もオートパイロットモードだと分析している。その思考なき動きに誘われ、自らの打撃の結界に入っていた相手を思い切りカウンターで打ちのめす。
対してザハビは、「恐怖を愛することで自由になれた」とメンタル面を語る。結果、アドレナリンの分泌を抑え冷静に距離、角度、タイミングを測り――ディフェンス有りきのMMA打撃を繰り出す。
結果、オマリーはプロモーター&大衆の支持を受けるKOアーチストとなり、ザハビはスマートさを争い、観客席を沈黙に追い込む。
ザハビのファイトがエキサイティングになるのは、彼が被弾し軌道修正を図ってきた時だ。結果、打ち負けないという我慢強さが顔を出し、真っ向勝負も厭わなくなる。この時に恐怖だけでなく、勇気を愛することができるか。そうなれば、オマリーに打ち克つこともありうる――そんな幻想を抱かせるのに、十分なオクタゴン7連勝という実績をザハビは持っている。
■視聴方法(予定)
6月15日(月・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS
午前8時 30分~U-NEXT
■UFC Feedom250対戦カード
<UFC世界ライト級王座統一戦/5分5R>
[正規王者]イリャ・トプリア(スペイン)
[暫定王者]ジャスティン・ゲイジー(米国)
<UFC世界ヘビー級暫定王座決定戦/5分5R>
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
シリル・ガンヌ(フランス)
<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー(米国)
エイマン・ザハビ(カナダ)
<ヘビー級/5分3R>
デリック・ルイス(米国)
ジョシュ・ホキット(米国)
<ライト級/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
マイケル・チャンドラー(米国)
<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
カイル・ダウカウス(米国)
<フェザー級/5分5R>
ジエゴ・ロピス(ブラジル)
スティーブ・ガルシア(米国)


















