【UFC324】オマリーと対戦、ソン・ヤードン「腕が長くても、僕の頭がその先になければ空を切るだけ」
【写真】明るくまっすぐ。ファイトウィークに入る前は、より元気なソン・ヤードンでした (C)MMAPLANET
24日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでUFC324「Gaetheje vs Pimblett」が開催される。
Text by Manabu Takashima
同大会のコメインで予定されたUFC世界女子バンタム級選手権試合=王者ケイラ・ハリソン×挑戦者アマンダ・ヌネスの一戦が、前者の負傷で流れた。結果、ショーン・オマリー×ソン・ヤードンのバンタム級戦がコメインに昇格した。
UFC在籍が9年目となったソン・ヤードンにとって、ショーン・オマリーは長年対戦を熱望してきた相手。バンタム級のなかでも背は高くなく、リーチは短いといっても過言でないソン・ヤードンだが、そのサイズでオクタゴンでも11勝3敗――5つのKO勝ちという結果を残していた。
アジア男子で最もUFCで成功しているファイター、ソン・ヤードンにオマリー戦、Road to UFC、そして巌流島で来日した日本について話を訊いた。
僕より背が高いことは何も意味はない
――UFCにとって新しい時代の幕開けとなる大会で、ショーン・オマリーと戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は16日に行われた)。
「今のところは順調だよ。ショーン・オマリーとの試合に向けて、凄くワクワクしている。ずっと戦いたい相手だったからね」
――女子バンタム級世界戦がなくなり、コメインに昇格しました。
「ファンにとっては残念なことだろうけど、自分の試合がコメインになったことはハッピーだよ。注目度がそれだけ上がるからね。ショーン・オマリーの同じ気持ちだろう」
――ところでヘンリー・セフード戦の勝利が去年の2月で、11カ月もインターバルが空きました。
「僕としては8月にショーン・オマリーと上海で戦いたいと思っていた。そして戦う予定だったけど、ラインアップから外れてしまった。結果、12月に今回ショーン・オマリーと戦うことが正式に決まったんだ。何があったのかは分からない。僕自身、毎月のようにUFCには試合を組んでほしいと伝えていたから。でも、毎回のように『少し待ってくれ』と言われてきた。もっと試合がしたい。それは常に思っているよ」
――つまり体調が良くても、約1年間試合が組まれなかったと。
「ケガなんて全くなくて、ずっとヘルシーだった。だから1年間、思い切り練習をしてきたよ。フラストレーションはたまったけど、最終的に最高のカードが実現するから良かったと思っている(笑)。本当に長い間、ショーン・オマリーと戦いたいと思っていたから。それに半年もこの試合の準備をしてきたしね。
ショーン・オマリーはバンタム級を代表する人気者で、誰もが戦いたいと思う相手だ。凄く派手で、上手くSNSを活用している。試合でも前に出て、思い切り打撃戦を戦う。ショーン・オマリーが僕のことをどう思っているのかは知らない。でも、そういうヤツだからずっと戦いたいと思ってきた。僕にとって最高の相手だよ」
――常にそうなりますが、今回も背が高く、リーチの長い相手になります。
「いつもそうだよ(笑)。何も問題ない。僕より背が高いことは何も意味はない。そういう背が高くて、リーチの長い相手との戦い方は心得ている。相手のパンチが届く場所に、立たなければ良いだけさ」
――それだけだと、ヤードンのパンチも当たらないです。
「その通りだ。だから僕にはサークリングがある。腕が長くても、僕の頭がその先になければパンチは空を切るだけさ。まぁ、そこは試合でタップリと見て欲しい」
――なるほどです。
「とにかくエキサイティング・ソンが爆発力をもって、試合を支配するよ」
豪州とニュージーランドが加わったことで、中国や韓国、日本人選手が強くなる
――期待しています。ところでアジアのMMAシーンに関してですが、UFCはUFC PI上海を創るなど中国に多くの投資をしてきました。そして回を重ねる毎にRoad to UFCで中国人ファイターが結果を残すようになりました。しかし、今回のRoad to UFCは豪州とニュージーランドが参戦し、4階級全てでこの2カ国のファイターが決勝に残っています。結果、中国は韓国、日本、モンゴルと並び1人しかファイナリストがいません。この事実をどのように捉えていますか。
「豪州とニュージーランドが加わったから中国、韓国、日本のファイターにとって優勝することが困難になったことは間違いない。だからこそ、どういう結果になったとしてもRoad to UFCはアジア人ファイターの強化につながっているということだよ。ファイターにとっては、良いことだと捉えるべきだ。勝ち上がるのが難しくなったのだから、それだけ厳しい練習をするしかない。
UFCという場所は、どこの国のファイターにとってもイージーなわけがない。自分が本当にベストだと示す必要がある場所が、UFCなんだ。だから、豪州とニュージーランドの選手がいるRoad to UFCはより良い経験になる。正直、Road to UFCの優勝者は、UFCで苦戦を強いられることも少なくない。豪州とニュージーランドが加わったことで、よりレベルの高い環境で戦うことができる。そうすることで中国や韓国、日本人選手が強くなる。
そうしたら今度は豪州やニュージーランドのファイターも、さらに強くなる必要がある。そうやってレベルが高くなっていくことは、どの国にとっても良いことだ。強くなれること、その国のMMAにとって良い試合、トーナメントになる。つまりはファイターにとって、ハードなチャレンジになるということだよ」
ユライアこそが僕の師だ。僕を人として成長させてくれたのが、ユライアなんだ
――押忍、その通りですね。UFC PI上海という何もかも揃った環境で練習を続けたいと思うことは?
「僕にはサクラメント、アルファメールでの練習環境が一番だ。ここには信頼できるコーチ、練習仲間が揃っている。中国に戻ると、僕がトップだ。他のファイターを強くする立場になって、僕が強くなれるパートナーがいない。ここには素晴らしいボクサー、レスラー、柔術家がいてくれる。
現時点で中国に戻ると、ここまでレベルの高い練習パートナーを見つけることは難しい。なにより、中国にはユライア・ファイバーがいない。由来はどう戦うかだけでなく、どう生きるのかも教えてくれた。ユライアこそが僕の師だ。僕を人として成長させてくれたのが、ユライアなんだ。だから、僕はアルファメールで練習し続ける」
――素晴らしい信頼感です。これまで尋ねたことがなかったのですが、もし良ければ巌流島に参戦した時のことを伺っても良いでしょうか。
「もちろんだよ。あの時、初めて日本を訪れた。まず、ああいうコスチュームを着て試合をしたことは一度もなかった(笑)。なにより試合場から相手を下に落とす戦いを想定して、練習したこともなかったよ(笑)。対戦相手の名前も覚えていないけど、まぁそこまで力のある相手じゃなかったから、いきなりあの場であのルールで戦っても勝てた。
凄くエンターテイメントで、面白いショーだった。僕も同じアジアの人間だ。ああいう日本独特のショーは気に入っていたよ。僕のファンが喜ぶ試合がしたいと思っているしね。巌流島は本当に楽しかったよ。
それに寿司もラーメンも凄く美味しかった(笑)。日本は街が綺麗で、人々が親切で礼儀正しい。アルファメールでは多くの日本人選手が練習してきたし、僕は日本のことが大好きだよ。特に皆が尊重しあっている点が好きなんだ」
――我々の国の間には色々な問題が起こりますが、ヤードンの言葉を聞くことができて嬉しかったです。感謝しています。
「こちらこそ、ありがとう。ショーン・オマリー戦は、日本のファンにも楽しんでもらえる試合をするよ。レッツゴー!!」
■視聴方法(予定)
1月25日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前6時30分~U-NEXT
■UFC324対戦カード
<UFC世界ライト級暫定王座決定戦/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
パディ・ピムブレット(英国)
<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー(米国)
ソン・ヤードン(中国)
<ヘビー級/5分3R>
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)
デリック・ルイス(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ナタリア・シウバ(ブラジル)
ローズ・ナマジュナス(米国)
<フェザー級/5分3R>
アーノルド・アレン(英国)
ジアン・シウバ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
デイヴィドン・フィゲイレド(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ(カメルーン)
アンドレイ・プリエフ(ロシア)
<ライトヘビー級/5分3R>
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)
モデスタス・ブカウスカス(リトアニア)
<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス(米国)
チャールズ・ジョンソン(米国)
<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ジョシュ・ホキット(米国)
デンゼル・フリーマン(米国)
<バンタム級/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
キャメロン・スマーザーマン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
タイ・ミラー(米国)
アダム・ヒューギット(米国)













