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【Pancrase364】ランキング1位=髙城光弘と対戦、佐藤ゆうじ「相手にとっては超やりづらいスタイル」

【写真】スタイルチェンジーーというより、進化したスタイルが楽しみな次戦(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase364で、佐藤ゆうじが髙城光弘と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

KOP田嶋椋がRoad to UFCに参戦中で、5月には宮城成歩達が暫定王者となったパンクラスのバンタム級。今後の動向は田嶋のRTUの結果次第というところだが、すでに次の挑戦者を決めるための戦いは始まっている。その一つが同級1位の髙城と、7位にランクインした佐藤の対決だ。

佐藤は両親がブラジル人ではあるが、自身は幼少期から日本で育ててきた。そのため選手としてだけでなく、所属するボンサイ柔術のファイターが試合をする時は同行し、日本語とポルトガル語の通訳を務めることでも知られている。そんななか、佐藤自身が迎えるチャンスを如何に生かすか。ランク1位との戦い、さらにタイトルマッチも見据えた自身のスタイルについて語る。


本当に少しずつやっていたら、いつの間にかプロの試合が決まっていました

――いつもボンサイ柔術所属ファイターのポルトガル語の通訳でお世話になっております。

「アハハハ。最近は皆の日本語能力が上がっているので、通訳を依頼されることも少なくなりました。先日もボンサイの選手が試合に出るということで通訳として呼ばれましたけど、自分は全然必要なかったです(笑)」

――佐藤選手は、お名前は「佐藤ゆうじ」ですが日系ブラジリアンなのですよね。

「両親がブラジル人で、僕もブラジル生まれです。父親は日系なんですよ」

――ということは、佐藤選手もブラジルの名前があるわけですか。

「自分の名前は省略して『佐藤ゆうじ』としていますけど、本名はデレキ・ユウジ・ファリアス・サトー・バルボッサといいます」

――生まれはブラジルとのことで、いつ頃から日本で生活するようになったのでしょうか。

「サンパウロで生まれてすぐ、まだ赤ちゃんの頃に日本に来たそうです。日本ではずっとボンサイ柔術のある浜松で生活していて、幼稚園や小学校まで日本にいました。中学生の頃に2~3年ブラジルに帰っていて、高校の時に日本へ戻ってきたという流れですね」

――中学生の頃に2~3年ブラジルに帰っていた、というのは?

「もともと両親は日本で仕事をしたあと、ブラジルで暮らしたかったそうなんです。でもブラジルに慣れなくて日本に戻ってきました」

――確かに佐藤選手は生まれてすぐ日本に来て、そこから10年以上も日本にいるので……。

「いえ、それが違うんです。家族の中で僕が一番、ブラジルの生活に慣れていました(笑)。お母さんは純ブラジル人ですけど日本に30年以上住んでいたので、やっぱり日本のほうが良かったみたいですね」

――そうだったのですね。佐藤選手が柔術を始めたのも日本で?

「そうです。浜松のブラジル人コミュニティで生活していて、僕も小さかったので経緯は覚えていないですが、5歳の時に柔術を始めました」

――最初からボンサイで柔術を習っていたのですか。

「最初は別の――今はもう無くなってしまった道場です。次にカルロス・トヨタの道場で12歳まで続けていました。そのあと一度ブラジルに行ってから、日本に戻ってきて大人になってから『もう一度、格闘技をやりたいな』と思って再開したんです」

子供の時に親と一緒にUFCを視ながら『これをやってみたいな』という気持ちは待っていました

――「大人になってから」というのは、何年もずっと柔術から離れていたのでしょうか。

「8~9年ぐらい格闘技は何もやっていない時期がありました」

――中学に入ってから8~9年間というと、再開したのは20歳ごろということになりますね。

「はい、それぐらいですね。当時は他のスポーツをやっていたわけでもなく、普通に学校に行って、アルバイトをして……そこで『高校を卒業したら、どうしようかな』と悩んでいる時、カルロス・トヨタの道場に一緒に通っていた子から誘われたんです。昔は僕が、その子を誘って一緒に柔術を始めたのに、今度はその子から誘われて柔術を再開しました(笑)」

――ちなみに日系ブラジリアンの選手に訊くと、格闘技を離れている時にストリートで戦っていたと答える選手もいます。佐藤選手は、そうではなかったのですね。

「アハハハ。自分の場合は周りの人たちに恵まれていて、ヤンチャな人たちが集まるような場所に行くことはなかったです」

――なるほど(笑)。そこでもう一度、柔術を始めようと思ったキッカケは何だったのでしょうか。

「自分が何の仕事をするのか、就職するのかどうかと悩んでいた高校卒業の時期に、『本当にやりたいことがないな』と思っていたんですよね。そんな時にちょうど友達に誘われて、また柔術に触れたら『これは自分が得意なことだな』と思い出しました。そこから週1で道場に行こう、週2で行こうと考えていたら少しずつ練習の回数も増えていって。さらに大会にも出てみようと、本当に少しずつやっていたら、いつの間にかプロの試合が決まっていました。アハハハ」

――凄い展開ですね! 最初は週1、週2と趣味で柔術を練習しようと考えていたのですか。

「最初は『柔術が向いていたら試合に出てみよう』と思っていたぐらいでした。でも、やるからには負けたくないので一生懸命練習していて――気づいたらアマチュアMMAで10戦ぐらい経験して、気づいたらDEEP浜松大会でプロデビューしていたんです(笑)」

――もともと柔術を再開する時は、MMAを戦うことは想定していなかったのでは?

「いえ、それが――実は格闘技を再開する時、『MMAをやってみたい』という好奇心のほうが大きかったんです。子供の時に柔術をやっている頃から、親と一緒にUFCを視ながら『これをやってみたいな』という気持ちは待っていました。それで子供の頃から道着なしのグラップリングが楽しくて。大人になってボンサイに入ってから、キックボクシングのクラスにも参加するようになりました」

――では『いつの間にかプロの試合が決まっていた』というのは、佐藤選手としても願っていたことなのでしょうか。

「う~ん、自分としては『必ずプロのMMAファイターになって、これでメシを喰っていく』と考えていたわけではなかったです。頑張りながら様子を見て、『これなら大丈夫か。先はありそうか』と慎重に先を考えながら練習していて。少しずつ成長していって、自分はMMAでもやれるんじゃないかと思いました。それぐらい自分の気持ちも少しずつステップアップしていったような感じでしたね」

――2024年5月のDEEP浜松でプロデビューし、続く6月のパンクラス初戦で渡邉泰斗選手に判定負けを喫しました。プロ2戦目の黒星というのは、『これから大丈夫か』とは思わなかったですか。

「あの時は結構落ち込みました(苦笑)。でも落ち込むと同時に、今までとは違うことをやらないと通じないと思って。そこからガラッと生活も変わっていきましたね。たとえば、プロ2戦目まで筋トレも一切したことがなかったんです。でも負けた直後にバックステージでマルキーニョス先生から『筋トレをしたほうが良い』と言われました。

筋トレだけではなく、基本的なことをやらずにプロデビューしていたんですよ。そこから今もまだ基本を取り入れている真っ最中ですけど、日々成長が感じられて楽しいです」

スイッチしながら、距離感も変えながら――

――その後3連勝して、2025年のネオブラ決勝で白井誠司選手に敗れています。ひとつ気になっていた点が、佐藤選手の構えです。

「あぁ、なるほど。そうですね」

――渡邉戦はオーソドックスで戦い、敗れた。3連勝した試合は全てサウスポーに構えていて、白井戦はオーソドックスに戻して敗退。なぜサウスポーで勝っていたのに、白井戦でオーソドックスに戻したのかが疑問で……。

「実はアマチュア時代からオーソで構えていて、3連勝していた時にサウスポーで戦っているほうがレアなんですよね。でもネオブラの決勝だったこともあり、慣れているオーソで戦う。そのほうが安心できる気持ちもあったと思います」

――4試合ぶりにオーソドックスで試合に臨んだためか、白井戦では相手との距離が測りづらそうな印象を受けました。

「そうかもしれないですね。自分の中では、まだサウスポーは技術的に追いついていない部分があると思っていて、オーソに切り替えました。でも、それはそれで戦い方がガラッと変わりますからね」

――その白井戦を経て、今年5月の前田浩平戦は、2敗しているオーソドックスで戦っていたのは驚きました。自分ならゲン担ぎの意味も含めてサウスポーを選択しそうです(苦笑)。

「アハハハ! それも試合では見せられなかったけど、オーソでの戦い方も全部変えたんですよ。周りからもアドバイスを頂いて、今はオーソでは特殊な戦い方をしています。練習している仲間も『めっちゃやりづらい』と言ってくれているし、それを次の試合で出したいですね。スイッチしながら、距離感も変えながら――相手にとっては超やりづらいスタイルを考えています」

――おぉっ、それは楽しみです。

「そういうことを一つずつやっています。だから飽きないし、練習が楽しいですよね。プラス、そこに寝技が加わるのでMMAは楽しいです」

――寝技にしても、佐藤選手はトップポジションを狙うだけでなく、下になっても攻めるガードワークを見せることができます。

「フフフ。柔術は基本的に守ってから攻めるというスタンスですからね。ガードワークをしっかりしていないと、よりMMAでは痛い目に遭います。たとえ相手にガッツリとテイクダウンを奪われても、状況判断しながらガードワークもできると、寝技の強みも大きく変わってきますよね」

――そして今回、バンタム級ランキング1位の髙城選手と対戦することになりました。記者会見では「ランク1位のファイターとの対戦オファーに驚いた」とコメントしていましたが、佐藤選手もランキング7位で、1位と7位の対戦は決して不思議ではないかと思います。

「ただ、5月にランキング入りしたばかりで、自分の中にランカーの自覚がないんですよ(笑)。これで1位を倒したら、なおさら自覚がないまま進んでいくことになります」

――アハハハ。ここで勝てばベルトはもう目の前に見えてくるので、自覚せざるを得ないでしょう(笑)。

「はい。もちろん今は次の試合に全集中していますけど、もう1~2試合でタイトルマッチができるんじゃないかと思っています。だからこそ今、タイトルマッチも視野に入れて練習の精度を上げているところですね。

髙城選手はオールラウンダーで侮れない相手です。自分よりもキャリアが長いし、何でもできるファイターだと思っています。ただ、自分がやってきた練習にも、自分のポテンシャルにも自信があります。だから相手のことを警戒しつつ、丁寧に戦い、確実に仕留めに行く。それが今回のテーマですね。

相手がランク1位でも、落ち着いて戦えば勝てると思っています。完全にフィニッシュするところを期待してください!」

■視聴方法(予定)
7月26日(日)
午後12時15分~ U-NEXT

■Pancrase364 対戦カード

<ストロー級次期挑戦者決定戦/5分3R>
佐々木瞬真(日本)
船田電池(日本)

<フェザー級/5分3R>
カリベク・アルジクル・ウール(キルギス)
三宅輝砂(日本)

<バンタム級/5分3R>
髙城光弘(日本)
佐藤ゆうじ(日本)

<バンタム級/5分3R>
前田浩平(日本)
小原統哉(日本)

<ライト級/5分3R>
藤村健悟(日本)
佐藤力斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
小野瑛大(日本)
山田浩平(日本)

<フライ級/5分3R>
米泉乾太(日本)
細川勇哉(日本)

<ストロー級/5分3R>
山口秀斗(日本)
猿魔(日本)

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