【Gladiator024】モンゴルの未知強バットオチルを相手に再起戦、中川皓貴「俺がおるぞ!!」
【写真】11カ月振りの実戦、フェザー級タイトル戦線で巻き返しはなるか(C)MMAPLANET
明日9日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024で中川皓貴がモンゴルのバットオチル・バットサイハンと再起戦を行う。
Text by Manabu Takashima
今年1月、中川皓貴はフェザー級王座決定戦でチョ・ソンビンに惨敗。肋骨2本にひびが入り、救急車で搬送された。一時は引退を口にした中川が、11カ月振りの実戦復帰へ。その裏には西日本で一番熱いジム=リライアブルの練習仲間、応援してくれる人々が存在していた。
──11カ月振りの試合が決まりましたが、正直なところチョ・ソンビン戦の負けを目の当たりにした時は引退してしまうのではないかと危惧していました。
「内心、もう無理やなとは考えました。試合直後には『もう辞めます』と、ポロっと口にしていましたし」
──精神的なダメージもあったかと思いますが、肉体的には?
「あばら骨2本にひびが入っていて……でも、それぐらいで終わって良かったかなっていうぐらいの試合でした。それで道場にもチョット顔を出せなくなっていたら、回りからも『もう辞めるん?』とか、『辞めたん?』って言われて。これじゃあアカンなって思いもしたんですけど、1カ月ぐらいは悩んでいました。ジムの代表のじゅん君にも相談して。その時に『煽り映像を見直してみろ』って言われて。それにジムにいると、やっぱり皆が頑張っている。なら、僕もまだ強くなれるかなって思うようになって。
僕は田中有だったり、じゅん君だったり。背中を追いかけている人がいるので。皆が練習していて、その活気に触れると『やらなアカンな。このままじゃ終われん』となりましたね。いや、やらなアカンよりも……やりたいって感じですね。あれだけ応援してもらっているので」
──実際に世界のメジャーを経験しているチェ・ソンビンとケージに向き合うと、とてつもない圧力があったかと。
「もう行くしかなかったです。で、気がついたら倒れていて救急車が来た──みたいな」
──そのチョ・ソンビンがPFLではバッバ・ジェンキンスに秒殺されました。
「あれは見たくなかったです。もっと行ってくれよぉと思いました(笑)。その前にベルトの返上が早過ぎたことにも納得がいっていなかったですし」
──というのは?
「もう1回やれるなら、やりたいです。まぁ、皆からすると『止めとけ』って言われるんでしょうけどね(笑)」
──いや、それでこそファイターです。
「負けたまんまじゃ終われないです。だからこそ、同じ相手ではないですけど今回の試合で溜飲を下げたいというか。外国人選手に対し、やり返したいです」
──チョ・ソンビン返上後、フェザー級王座はパン・ジェヒョク、ダギースレンという韓国&モンゴル勢、そして河名マスト選手とチハヤフル・ズッキーチョス選手らが争いバンがチャンピオンになりました。中川選手抜きでフェザー級が動いていた時期はどのように思っていましたか。
「皆、強いなとは思いました。と同時に、何で俺とちゃうねんと。なので、ここはもう1回俺が出て取りに行こうかなと思っています。6月の時点で、もうそういう気持ちになっていました。実際、9月大会に向けて準備もしていましたし。でも、仕事の都合で出ることができなかったんです。
だからフェザー級の試合を見ていて、早く戻りたいってなって。で、最初は河名選手と戦うという風にも聞いていたのですが、チハヤフル選手もリライアブルのハンセン玲雄に勝っていて。そこで僕が入ると、おかしくなるみたいな感じになって。それで、このモンゴル人選手と戦うことになりました」
──そのバットオチルですが、1月にモンゴルで練習を見た時は階級が下とはいえテムーレンからテイクダウンを奪い、マウントを取るなどしていました。そして、パワー系のモンゴルにあっていわゆるMMA的な試合運びができるようにも感じました。
「グラジエイターに来ているモンゴル人選手を見ていると、強いんやろうなと思います。でも、ここで1回潰しておかんとモンゴル勢の圧が凄くなるんで(笑)。それにチョ・ソンビンと戦ったことが、生きてくると思います。あの試合は、めちゃくちゃプラスになりました。あんなデカい相手……計量の時と全然違っていて、試合の時は2階級ぐらい上ちゃうんかっていう大きさで」
──はい。まさにウェルター級並みに見えました。
「凄くデカかったです。あのデカい相手に背の低い僕が打撃で行くと、不利ですよね。やっぱり得意の寝技にいく。そのための試合を徹底して組み立てないといけないと分かりました。ガムシャラに行くんじゃなくて、冷静に考えて戦うことが大切だと。今は冷静に一つひとつ創っていくことを意識しています。
チョ・ソンビンの一発はそれだけ強烈でした(笑)。あれ以来、練習中でも深く考えられるようになりました。色々と考えて、組んでいます」
──今も練習はリライアブルだけで?
「ハイ。そうです。でも田中有がタイで練習をしているのを見ていると、僕もめっちゃ行きたいです。そういう修行みたいなことをしたいと思いながら、自分のできることをやってきました」
──次回大会はトーナメント敗退、9月に再起した者同士の一戦=河名✖ズッキーチョス戦も組まれています。恐らくは勝者が次期チャレンジャーになるのだろうというマッチアップです。
「もう、そうですよね。そこに割って入るには? 圧倒的な力の差を見せたい。河名選手とズッキーニョス選手に対しても、『俺がおるぞ』というのは見せておきたいです。2人は僕より上、ベルトに近い場所います。その下には、俺がおるぞという気持ちで戦い、ここで勝てば一緒ぐらいになるので」
──彼らはチョ・ソンビンと戦ってはいません。
「一回、やってみろって言いたいです。アハハハハハ。でも、本当に良い経験になっているので。気持ちは絶対的に強くなりました」
──では現王者パン・ジェヒョクに関しては、どのような印象を持っていますか。
「相手の計量失敗でチャンピオンになったわけやし、ホンマの戦いで巻いたベルトじゃないです。でも、強い相手なのでそこは意識しています。ただ、すぐに挑戦をしたいというわけではないです。試合を積み重ねて、全員を倒したい。パン・ジェヒョクだけ倒して、そこに勝っただけと思われても嫌なんで。強い相手を連続で倒して、挑戦したいです」
──以前、楽しいからMMAをやっていると公言していましたが、何か変わったような気もします。
「今はもう、自分の力を証明したいです。負けが続いているので、自分の強さはどれだけなんかを知りたいし。だからベルトよりも、一つ一つを潰していきたいです」
──同様にこれまでは田中有選手のようになることが、戦う目的でした。今、見ている先が変わったということは?
「それは同じです。田中有を追いかけることが一番です。そこに追いつけるように頑張りたいです」
──次は試合はその田中有選手、じゅん選手と3人で同時出場です。
「めちゃくちゃ嬉しいです。こんな機会があるなら、すぐに出るので。でも、じゅん君の試合は最後にしないと人が客席からいなくなりますよ。だから僕はじゅん君より先に出たいです(笑)。そしてリライアブルの皆に追い込んでもらったので、勝って恩返ししたいと思います」
■視聴方法(予定)
12月9日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル
■ Gladiator024対戦カード
<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
宮川日向(日本)
<フェザー級/5分2R>
袖裂雄貴(日本)
福山佳祐(日本)
<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
今村滉(日本)
<GLADIATORライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
田中有(日本)
グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
河名マスト(日本)
<バンタム級/5分3R>
竹中大地(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)
<バンタム級/5分3R>
上久保周哉(日本)
ペン・ジョウン(韓国)
<フェザー級/5分3R>
中川皓貴(日本)
バットオチル・バットサイハン(モンゴル)
<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
チェ・ドンフン(韓国)
<フェザー級/5分3R>
じゅん(日本)
高橋孝徳(日本)
<フライ級/5分2R>
澤田政輝(日本)
イ・スンチョル(韓国)
<フライ級/5分2R>
和田教良(日本)
シン・ジェヒョク(韓国)
<バンタム級/5分2R>
南友之輔(日本)
健太エスペランサ(日本)
<バンタム級/5分2R>
吉田開威(日本)
フェルナンド(ブラジル)
<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
スモーキー(日本)
<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
木村柊也(日本)
<アマ・フライ級/3分2R>
伊藤琥太郎(日本)
辻本涼太(日本)